#author("2020-10-19T22:39:07+09:00","default:user","user")
*狙撃銃 / Sniper Rifle [#q32f9dd5]

 読んで字のごとく、遠距離の敵ないし重要目標を精密に狙撃するための銃のこと。「狙撃」とは[[拳銃]]でも[[機関銃]]でも行える行為だが、一般に「狙撃銃」といわれる銃は、高精度に仕上げられ、さらに中〜高倍率の[[光学望遠照準器>スコープ]]を装備した[[ライフル>小銃]]である。
 高精度なライフルにスコープを取り付けただけの銃ではなく、最初から遠距離狙撃を目的として開発された銃が登場したのは19世紀と言われる。

 狙撃銃は大まかに、手動の[[ボルトアクション]]式と自動式の[[セミオートマチック>自動小銃]]([[フルオート]]機能の搭載は問わない)の2つに分かれる。
 どちらも一長一短があるため、ケースによって使い分けられている。

 ボルトアクション式は構造がシンプルなために故障しづらく、さらに実戦投入以前の製造段階で精度を高めやすい。しかし一射ごとに再装填を手動で行わねばならないため、連射力や射撃時の姿勢に制限がある。単に火力が劣るだけでなく、運用技術の習得が難しい問題がある。
 オートマチック式は、連射が可能で複数の目標に対応しやすく、運用も容易であるため一般の歩兵や警官にも普及させやすい。訓練を積めば自衛用の[[カービン>騎兵銃]]や[[短機関銃]]なども不要となる。ただし構造が複雑なため、故障・[[ジャム]]のリスクが大きくなり、製造コストもかさむ。同じ性能のボルトアクション式と比べると軒並み高価である。

 また、[[対物火器]]として製造された大口径のアンチマテリアルライフル(対物小銃)も使用されることがある。[[.50口径>口径]]以上の巨大な機関銃/砲弾を使用することで、危険な爆発物や通信施設などの「物体」を遠距離から破壊する武器ではあるが、その火力と射程を生かし、超長距離用の対人狙撃銃としても使用される。
 (しばしば俗説で「大口径弾を使用した対人射撃はハーグ条約違反のため「対物」としている」とされることがあるがこれは誤りで、現に米軍などでも「M107 ''Long Range Sniper Rifle(長距離狙撃銃)''」として対人用であることを明記している)
 最大射程は2000m以上、物陰に隠れた目標を遮蔽物ごと撃ち抜くこともできる。飛行機のハイジャック犯を制圧する際、窓ガラスごと撃ちぬけるこの銃が使用されることもおおい。反面、歩兵が個人運用する兵器としては非常に大型、大重量であるため取り回しが悪く、銃も弾も歩兵用としては高いという問題もある。
 
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