*サイドアーム / Side arm
 緊急時に即座に使用できるよう、身に付けておく武器全般のこと。現代では、[[拳銃]]が一般的である。
 弾切れ・[[弾詰まり>ジャム]]や故障、閉所での戦闘といった理由で、メインアーム([[ライフル>小銃]]などの長物の銃)が使用できない際に備えて携行する「バックアップガン」的な意味でも使われることもある。
#author("2022-10-29T22:34:31+09:00","default:user","user")
*サイドアーム / Side arm [#r639a93c]
 緊急時に即座に使用できるよう、身に付けておく武器全般のこと。腰など体の横側に装着していたことが語源である。
 現代ではナイフや[[拳銃]]が用いられるが、こうした隠し持てるようなサイズのものに限らず、槍や[[火縄銃]]のような単発銃が歩兵の主力武器であった時代には、腰に差したサーベル、大小刀もこれに相当した。

 かつては[[回転式拳銃]]をサイドアームとすることが多かったが、現在は、主に装弾数・リロードのし易さの面で[[自動拳銃]]を用いることがほとんどである。
 軍・法執行機関では、決まった拳銃が支給されるのが普通だが、これに満足できない場合は(法規則上問題なければ)個人が自費で別の拳銃を購入する場合もある((特殊部隊の隊員が、支給されている9mm口径モデルよりも、ストッピングパワーに優れる.45口径モデルの方を選ぶ・・・など。))。
 軍隊においては一般に、主力歩兵銃と拳銃を同時に装備することはなく、サイドアームとして拳銃を装備するのは[[機関銃]]や[[対物火器]]のような大型火器の取扱者や車両搭乗者などの歩兵銃を装備できない者、あるいは士官ないし下士官以上の階級をもつ部隊指揮官である。例外として特殊部隊や空挺部隊においては、その任務の性質上から、歩兵銃と併せて拳銃を標準的に装備する。また、現代においては市街地での[[屋内掃討戦>CQB]]のため小銃兵が拳銃をバックアップとして装備するケースも見られる。
 かつては機械的信頼性から、[[自動拳銃]]の登場後もしばらくは[[回転式拳銃]]が用いられていたが、第2次大戦のころには、装弾数の多さやリロードのし易さのなどの利点から自動拳銃が主力となっていった。
 軍・法執行機関では、決まった拳銃が支給されるのが普通だが、これに満足できない場合は(アメリカのように法規則上問題なければ)個人が自費で別の拳銃を購入する場合もある((支給されている9mm口径モデルではなく、.45口径モデルの方を選ぶ…など。))。

 例外的に、回転式拳銃が特殊部隊で制式採用されている例もある。フランスの特殊部隊[[GIGN]]の隊員は、1974年に信頼性と精度の面から、マニューリン社製の[[MR73>マニューリン MR73]]をサイドアームとして使用している(当初は9mm口径の自動拳銃が支給されていた)。ただし、MR73で敵を仕留め切れない事態を想定し、装弾数で勝る自動拳銃をバックアップ用に携行する場合もある(第2のサイドアーム)。

 警察官など拳銃がメインの銃となる職業では、特にサイドアームの必要性が論じられる。携帯性を考慮してメインの拳銃より小型の拳銃が選ばれることが多い。この場合、携帯性や作動の確実性を考えて小口径のリボルバー([[S&W M36 チーフスペシャル>SW M36]]や[[コルト ディテクティヴスペシャル]])などが好まれる傾向があり、[[バックサイドホルスター>ホルスター]]や、アンタルホルスターなどに収納して、携帯される。
 警察官などサイドアームがメインの銃となる職業では、バックアップガンと呼ばれることもある予備の拳銃を持つケースもある。携帯性を考慮してメインの拳銃より小型の物、サブコンパクト或いはコンシールドキャリー((もともと「銃を見えないよう携帯する」制度自体の名称であるが、ユーザーの間では広くサブコンパクトクラスの俗称として使用されている。))と呼ばれるものがバックアップガンとして選ばれることが多い。
 以前は携帯性や作動の確実性を考えて小口径のリボルバー([[S&W M36 チーフスペシャル>SW M36]]や[[コルト ディテクティヴスペシャル]])などが使用されていたが、1990年代以降に非常に小型なサブコンパクト自動拳銃がシェアを広げて以降、これらの[[.380ACP弾]]や[[9mmパラベラム弾]]モデルが主流となっている。
 携帯方式としてはメインのものと位置を変えた[[SOBホルスターや、アンクルホルスター>ホルスター]]などが多い。


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