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*選抜射手 / Designated marksman
選抜射手とは、歩兵分隊・小隊といった規模の部隊と共に行動し、主として800m以内の目標に対してより素早く正確な射撃を行うために訓練を受けた歩兵のことを指す。
主に[[突撃銃]]を使用する歩兵と、[[狙撃銃]]を使用する狙撃手の中間の存在とされている。
単に''マークスマン''と呼ばれることも多い。
選抜射手が装備することの多い''「マークスマン・ライフル」''についても本項に記述する。
選抜射手（デジグネイテッド・マークスマン）とは、歩兵分隊・小隊といった規模の部隊内で選抜された高い射撃能力をもつ兵士を差す。主として800〜1000mといった歩兵の主力ライフルのレンジ外の目標に対して、より素早く正確な射撃を行い、部隊を支援する役割をもつ。
単に''マークスマン''と呼ぶ場合は、「高い精密射撃能力を持つ人」の意となる。
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いわゆる「狙撃手」との違いは、軍において選抜射手は歩兵と共に分隊や小隊規模で運用されるのに対し、狙撃手は観測手や通信手などを含めた少人数で行動する。その任務も全く異なり、戦術・サバイバル・射撃といった技能により専門的なものを必要とする。装備面でも「ギリースーツ」と呼ばれる特殊な偽装服を着用するほか、高倍率の[[スコープ]]を装着した[[狙撃銃]]を用いるなど通常の歩兵運用とは別物である。
選抜射手が一般の歩兵分隊・小隊内で運用されるのに対し、専門に養成されたいわゆる「[[狙撃兵>狙撃手]]」は、観測手や通信手などを含めたごく少人数の独立したチームで行動する。その任務も全く異なり、戦術・サバイバル・射撃といったより広範かつ専門的なものを必要とする。装備面でも「ギリースーツ」と呼ばれる特殊な偽装服を用意するなど隠密性を重視し、場合によっては.50口径級の大口径狙撃銃を用いるなど通常の歩兵運用とは別物である。
選抜射手の射程は部隊火力射程と同様の800m前後であるが、一方の狙撃手は1.5km以上の長距離狙撃を行う場合もある。かつ高い精度も要求されるため、使用する弾薬は自ら火薬を調合したり、弾頭の材質を変更したもの、または製造側で生産ラインから厳選されたものなど、特殊な弾薬を使用することが多い。銃本体も、構造が簡単で信頼性が高く精密射撃向きであるとされる[[ボルトアクション]]式の小銃を使用する場合が多い。
対して選抜射手は、弾薬の交換性という観点から使用する弾薬には制約が生じる。また、部隊として行動するため、目標が多数でも対応可能なよう[[自動小銃]]であることが望ましい。この条件を満たして開発されている自動小銃は特に「マークスマン・ライフル」と呼ばれる。
選抜射手の射程は800〜1000m程度であるが、一方の狙撃手は1.5km以上の長距離狙撃を行う場合もある。かつ高い精度も要求されるため、使用する弾薬は自ら火薬を調合したり、弾頭の材質を変更したもの、または製造側で生産ラインから厳選されたものなど、特殊な弾薬を使用することが多い。銃本体も、任務に応じて[[ボルトアクション]]ライフルか[[自動小銃]]かを使い分ける。
対して選抜射手は、所属部隊内での弾薬の共用性という観点から使用する弾薬には制約が生じる。また、多数の目標に素早く対応可能なよう[[自動小銃]]であることが望ましい。こうしたドクトリンから作られたライフルは「デジグネイテッド・マークスマン・ライフル」と呼ばれる。
''マークスマン・ライフル(Designated Marksman Rifle：DMR)''の特徴としては主に次のようなものがある。
''デジグネイテッド・マークスマン・ライフル(Designated Marksman Rifle：DMR)''の特徴としては主に次のようなものがある。
-・弾道学的に最低500m程度までは有効な射程と精度を持つ。
-・[[スコープ]]などの光学照準器を使用可能。[[バイポッド]]を装備するものもある。
-・[[スコープ]]などの望遠光学照準器を使用可能。[[バイポッド]]を装備するものもある。
-・[[セミオート]]で射撃が可能である。
マークスマン・ライフルは既存の[[バトルライフル]]や[[突撃銃]]をベースとして開発されることがほとんどである。なお、バトルライフルのような[[口径]]の大きなものが特に適しているとされる。
また、銃の設計時よりマークスマン・ライフルとして開発が行われたものとして[[USSR ドラグノフ]]が有名である。
DMRは既存の[[バトルライフル]]や[[突撃銃]]をベースとして開発されることがほとんどである。なお、バトルライフルのような大口径のものが特に適しているとされる。
また、銃の設計思想がDMRに相当する狙撃銃は旧ソビエトの[[ドラグノフ>USSR ドラグノフ]]が有名である。
***主なマークスマン・ライフル
***主なDMR
|ベース|銃器名|備考|h
|[[バトルライフル]]|[[M21>スプリングフィールド M14]]|[[アメリカ陸軍]]/[[海兵隊>アメリカ海兵隊]]で運用|
|~|[[M14 DMR>スプリングフィールド M14]]|アメリカ海兵隊がM14をベースに独自に改良したもの。&br;SR-25やMk.12 Mod0に交代するため退役。|
|~|[[ナイツ SR-25]]|−|
|~|[[H&K G3/SG1>HK G3]]|−|
|[[突撃銃]]|[[US Mk.12 Mod0/1>コルト AR15A2]]|−|
|~|[[L86A2 LSW>エンフィールド L85]]|元々は分隊支援用だったが、英陸軍が[[FN ミニミ]]を導入したためDMRとして使用。|
|~|[[IMI ガリルGalatz>IMI ガリル]]|−|
|−|[[USSR ドラグノフ]]|設計当初よりマークスマン・ライフルとして開発|
|−|[[USSR ドラグノフ]]|狙撃銃だが、設計思想がDMRに相当|
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