#author("2020-02-28T20:39:13+09:00","default:user","user")
#author("2020-03-02T12:31:43+09:00","default:user","user")
*AICW(Advanced Infantry Combat Weapon:次世代歩兵用戦闘火器) [#b1d1fed6]
 AICWは、オーストラリア政府のCTD計画(Capability and Technology Demonstrator)で開発された、試作型の次世代歩兵銃の名称である。同国政府の機関・DSTO(Defence Science and Technology Organisation)と、民間企業のメタルストーム社及びテニックス・ディフェンス・システムズの技術提携で開発された。基本コンセプトは5.56mm[[ライフル>突撃銃]]/40mm[[グレネードランチャー>擲弾発射器]]/多目的光学サイト搭載の複合火器であり、アメリカが行った[[OICW]]計画との類似点が見られる。
 オーストラリア政府のCTD計画(Capability and Technology Demonstrator)で開発された、試作型の次世代歩兵銃の名称。
 同国政府の機関・DSTO(Defence Science and Technology Organisation)と、民間企業のメタルストーム社及びテニックス・ディフェンス・システムズの技術提携で開発された。
 基本コンセプトは5.56mm[[ライフル>突撃銃]]/40mm[[グレネードランチャー>擲弾発射器]]/多目的光学サイト搭載の複合火器であり、アメリカが行った[[OICW]]計画との類似点が見られる。

 ライフル部分は[[F88>ステアー AUG]](オーストラリアでライセンス生産されているAUG)がベースで、ランチャー部分はメタルストーム社の技術を採用している。通常、[[M203>コルト M203]]のようなアンダーバレルタイプのランチャーでは、ライフルとランチャーでトリガーの位置が異なり、グリップを握り替える手間が生じてしまう。また[[単発式>シングルショット]]ランチャーではリロードに時間がかかる。AICWに要求されたのは、グリップを握り替える事なくライフルとランチャーが操作でき、複数の弾が装填できることだった。ライフル上部にランチャーを載せ、“セーフ/ライフル/ランチャー”の切り替えセレクターを設けている点では、OICWとあまり違いは無い。
 ライフル部分は[[F88>ステアー AUG]](オーストラリアでライセンス生産されているAUG)がベースで、ランチャー部分はメタルストーム社の技術を採用している。
 通常、[[M203>コルト M203]]のようなアンダーバレルタイプのランチャーでは、ライフルとランチャーでトリガーの位置が異なり、グリップを握り替える手間が生じてしまう。また[[単発式>シングルショット]]ランチャーではリロードに時間がかかる。AICWに要求されたのは、グリップを握り替える事なくライフルとランチャーが操作でき、複数の弾が装填できることだった。
 ライフル上部にランチャーを載せ、“セーフ/ライフル/ランチャー”の切り替えセレクターを設けている点では、OICWとあまり違いは無い。

 AICWの最も特徴的な点はランチャー部分にある。OICWでは弾の装填には箱型弾倉を使用していたが、これではサイズがかさばり余計に重くなってしまう。そこで採用されたのが、メタルストーム社が開発した“3ショット・グレネードランチャー(3GL)”である。これは一見すると[[シングルショット]]ランチャーに見えるが、実は砲身内に3発の弾体をまとめて装填しており(1発目の後ろに、2、3発目が並ぶ)、最前弾から一発ずつ発射できる((この発想は昔から存在し、身近な所ではローマンキャンドル(時間差で別々の火花が吹き出る仕掛け花火)がある。))という独特な構造を持つ。撃発は、[[バットストック>銃床]]内部に組み込まれた電子制御式点火装置で行う。また、弾薬自体はケースレス仕様なので、排莢も行わない。
 AICWの最も特徴的な点はランチャー部分にある。
 OICWでは弾の装填には箱型弾倉を使用していたが、これではサイズがかさばり余計に重くなってしまう。そこで採用されたのが、メタルストーム社が開発した“3ショット・グレネードランチャー(3GL)”である。
 これは一見すると[[シングルショット]]ランチャーに見えるが、実は砲身内に3発の弾体をまとめて装填しており(1発目の後ろに、2、3発目が並ぶ)、最前弾から一発ずつ発射できる((この発想は昔から存在し、身近な所ではローマンキャンドル(時間差で別々の火花が吹き出る仕掛け花火)がある。))という独特な構造を持つ。
 撃発は、[[バットストック>銃床]]内部に組み込まれた電子制御式点火装置で行う。また、弾薬自体はケースレス仕様なので、排莢も行わない。

 レシーバー上部には多目的光学サイトが搭載されている。試作型「AICW VX3」では、ITL製Viperサイト(レーザーレンジファインダーとデジタルコンパス内蔵)や、Vinghog製FCS(射撃制御装置)を装着して射撃テストを行っていた。

 AICWの開発はフェーズ3まで進み、2005年には実弾使用のトライアルが実施されている。オーストラリア国防省の計画では、2010〜2012年にかけて同国の国防軍にAICWシステムを導入するという(現在の動向は不明)。
 AICWの開発はフェーズ3まで進み、2005年には実弾使用のトライアルが実施されている。
 オーストラリア国防省の計画では、2010〜2012年にかけて同国の国防軍にAICWシステムを導入するという(現在の動向は不明)。

***基本スペック [#o2adc4cc]
|全長|重量|口径|装弾数|発射形式|製造国|h
|738mm|6.48kg(非装填時)&br;7.85kg(装填時)&br;9.9kg(多目的光学サイト装着時)|[[5.56mm×45>口径]]|30|S/F|オーストラリア|
|~|~|40mm|3|S|~|
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#pcomment

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