*ローリングブロック / Rolling block
 ローリングブロックは、後装銃のブリーチ(銃尾)を閉鎖する機構の一種である。閉鎖機構が無いと、弾薬を装填後に銃を傾けたり振動を加えることで、弾がブリーチから抜け落ちてしまうことがある。
 そこで、ブリーチブロックと呼ばれる部品でブリーチを閉鎖する仕組みが考案された。ブリーチブロックは扇型部品にスパー(指かけ)を付けたような形状をしており、ファイアリングピンを内蔵している。下側にピンが通してあり、[[ハンマー]]を起こしている間は、[[コック>コッキング]]するように後方に回転させることができる。
 ローリングブロックは、後装銃のブリーチ(銃尾)を閉鎖する機構の一種である。
 通常、閉鎖機構が無いと、弾薬を装填後に銃を傾けたり振動を加えることで、弾がブリーチから抜け落ちてしまう。そこで、ブリーチブロックと呼ばれる部品でブリーチを閉鎖する仕組みが考案された。ブリーチブロックは扇型部品にスパー(指かけ)を付けたような形状をしており、ファイアリングピンを内蔵している。下側にピンが通してあり、[[ハンマー]]を起こしている間は、[[コック>コッキング]]するように後方に回転させることができる。

 発射の一連の流れとしては
1:ハンマーダウンの状態では、ブリーチブロックはハンマーによって固定され、ブリーチを閉鎖している
2:ハンマーをコックし、ブリーチブロックを後方に回転させる
3:開放したブリーチから弾薬を装填し、ブリーチブロックを前方に戻して閉鎖する
4:トリガーを引くとハンマーが倒れ、ブリーチブロックを叩いて撃発する

 ローリングブロック機構は、南北戦争中に[[レミントン]]社が考案した「スプリットブリーチ機構」がベースになっており、1865年にジョセフ・ライダーによって改良が加えられた。この機構を持つ最初の銃は、[[アメリカ陸軍]]と海軍の要請で1866年に開発されたレミントン製M1865ピストル。最初のレミントン製[[ローリングブロック銃>小銃/レミントン ローリングブロック銃]]は、1867年のパリ万国博覧会に出展され、同年にスウェーデンとノルウェー、デンマークを含む幾つかの国で制式採用されるまでに至った。
 また、多くのパーカッション銃とマスケット銃が、このローリングブロック式にコンバートされた。

 ローリングブロック機構は、シンプルで堅牢な構造なので強力な弾薬が使用でき、また汚れや雑に扱っても[[ジャム]]になりにくい。しかし、構造上、連発式銃には組み込むことができず、弾薬の装填・排莢も時間がかかるという弱点を持つ。後に[[ボルトアクション]]機構が登場すると、ローリングブロック機構は廃れてしまった。
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