#author("2025-11-06T10:38:52+09:00","default:user","user") #author("2026-08-05T19:15:13+09:00","default:user","user") * シュミット・ルビン M1889 / Schmidt–Rubin M1889 [#t44srb89] #ref(http://mgdb.himitsukichi.com/pic/nowprint.jpg,center,nolink,NOW PRINTING) |全長|重量|口径|装弾数|製造国|h |約1300mm|約4.45kg|7.5×53.5mmスイス(GP90)|12|スイス連邦| シュミット・ルビン M1889(以降はM1889と呼称する)は、1889年にスイス連邦が制式採用した[[ボルトアクション]][[小銃]]である。本銃は世界的に見ても早期に実用化された直動式小銃の代表例である。名称は機構設計者のルドルフ・シュミット少佐と、本銃の[[弾薬]]、GP90の設計者であるエドゥアルト・ルビン博士に由来する。 M1889の最大の特徴は、[[ボルトハンドル>コッキングハンドル]]の回転を伴わず、単純な前後運動のみで薬室の閉鎖・開放を行う直動式ボルト機構である。従来の回転式に比べて操作動作が短く、熟練射手であれば射撃速度を著しく向上させることのできる革新的な構造であったが一方で、この機構は精密なカム構造と極めて厳密な加工精度を必要とし、製造コストや整備性の面では不利を抱えていた。 使用弾薬はルビン博士が開発した7.5×53.5mm GP90弾であり、無煙火薬を採用したことで当時としては極めて高い弾道性能を示した。黒色火薬を用いる旧式弾薬に比べ、初速・有効射程ともに優れ、スイス軍の火力を大きく向上させた。後にGP90/03、GP11へと改良が進み、弾道特性と貫通力がさらに向上している。 M1889はスイスの精密工作技術を背景に開発された銃であり、冷涼で乾燥した同国の環境下ではきわめて安定した作動を示した。その後、1905年型・1911年型・K31などの後継モデルへと発展し、直動式機構はスイス軍小銃の伝統的設計思想として受け継がれていく。 ここからは余談になる。 ここでは直動式が軍用小銃として広く普及しなかった主因について言及する。まず、直動式は構造上ボルトハンドルを回転させる余地がないため、閉鎖・開放時に梃子の原理を働かせにくい点が根本的な弱点である。薬室内で薬莢が膨張して張り付くような状況や、実包に砂・泥・ゴミが噛み込んで変形した場合、射手はほぼ直線的な引力・押力のみで抽筒や装填を行わねばならず、過酷な実戦環境ではこの点が信頼性の低下につながる。 一般的な回転ボルト式は開閉の最終3〜5mmをボルトハンドルの回転で処理することで梃子の原理を働かせ、固着した薬莢を強力に引き剥がすことができる。これに対し直動式で同等の閉鎖力を得ようとすれば、複雑なカムやリンク機構を導入せざるを得ず、結果として部品点数の増加・構造の複雑化・整備性の低下・製造コスト上昇を招く。さらに、閉鎖力を増すために回転と前後動の交換比率を変えると前後動のストロークが長くなり、直動式の本来の利点である短ストロークによる速射性が薄れてしまうというトレードオフが生じる。 スイスのM1889では当初のストローク不足が不評だったため、後期型で機関部を延長し弾倉位置を前進させるなどの改良を行い、直動式の中では比較的安定した作動を実現した。だがその改良は結果的に機関部を長くし、速射性の一部を犠牲にした面もある。カナダのロス・ライフル、マンリヒャー系、変形的に直動要素を取り入れたM1895など他国の採用例もあるが、いずれも過酷な実践環境では信頼性に課題を抱え、回転ボルト式に取って代わられる理由を示している。 とはいえ直動式が全く無意味だったわけではない。実包や整備環境が管理されるバイアスロン競技銃などの限定用途では、短い操作で連射に有利な直動式が今なお採用されている。また近年はブレーザーや一部ブローニング設計に見られるような二段直動的・独自閉鎖機構を持つ民間モデルも登場しており、用途と環境を限定すれば直動的要素が有効に働く余地は残されている。 ***各種バリエーション [#bvariant] |モデル|解説|h |M1889|1889年にスイス国防軍で採用されたシュミット・ルビン ライフルの初期型。使用弾薬に7.5x53.5mmを使い機関部にストレートプル方式を採用している。| |M1889|1889年にスイス国防軍で採用されたシュミット・ルビン ライフルの初期型。使用[[弾薬]]に7.5x53.5mmを使い機関部にストレートプル方式を採用している。| |M1896|M1889の後継型。開発は1892年から開始され同年11月3日に3丁の試作銃が完成。その後、頻繁に改良を行った結果1895年に完成する。ボルト部分が再設計され強度が増している。| |M1897|1898年にスイス国防軍に採用されたライフル銃。弾薬にGP90弾と呼ばれる弾薬を使用| |M1911|1911年に採用された小銃。M1889の改良型の一つで、グリップ部分の改良と遊底部の耐久性を向上させ、より強力な弾薬が撃てるように改良| |M1911|1911年に採用された小銃。M1889の改良型の一つで、[[グリップ>銃把]]部分の改良と遊底部の耐久性を向上させ、より強力な弾薬が撃てるように改良| |M1896/11|1898年にスイス国防軍に採用されたライフル銃。弾薬にGP90弾と呼ばれる弾薬を使用| |K31 騎兵銃|M1911小銃を騎兵銃に改良したモデル。M1889以降の不具合であった遊底部の強度問題を解決したモデル| #br |登場作品|ジャンル|使用者|備考|h |[[コール オブ デューティ: アドバンスド・ウォーフェア]]|−|−|項目参照| |[[コール オブ デューティ ブラックオプス コールド・ウォー]]|−|−|項目参照| |[[ゴールデンカムイ]]|−|−|項目参照| |[[ドールズフロントライン]]|−|−|項目参照| |[[バトルフィールド 1]]|−|−|項目参照| |[[バトルフィールド V>Battlefield V]]|−|−|項目参照| |[[ブルーアーカイブ]]|−|−|項目参照| #hr ---- #pcomment