UK PIAT 【対戦車榴弾発射器】

PIAT
全長重量口径装弾数製造国
990mm本体:14.4kg
弾頭:1.35kg
76mm1イギリス

 イギリスが1941年より開発開始した対戦車火器。PIATは「Projector,Infantry,Anti Tank:《英》歩兵用対戦車投射器」の略。
 発射筒と弾頭で構成されており、発射筒内の強力なバネと補助用の推進火薬の力で弾頭を発射させる仕組み。そのため、同時代のバズーカパンツァーファウストと比べて後方への噴射炎(バックブラスト)が無いため、射手の位置が悟られにくく、屋内などでも運用できたのが強み。
 命中すれば成形炸薬が点火し、前方に対して約100mmの装甲板を貫通する指向性爆発を発生させる。射程は水平射撃で100m、曲射で350m。

 しかし初弾を発射させるバネを縮めるには200ポンド(約90.7kg)の圧力が必要と、成人男性でも非常に困難な作業であった。かつ次弾以降は、初弾発射時の反動でバネが自動的に縮まる設計だったが、実際に縮んだケースは2割程度と信頼性に乏しく、結局、発砲のたびに人力でバネを(戦場のど真ん中で)縮める作業が必要であったりと、運用は極めて難有りだった。
 また、構造上の欠点として下方を狙うと砲弾がずり落ちてしまうというものがあり、高所から低所を狙う様な場面では苦労したものと推測される。

 1943年のシシリー島上陸を初陣にノルマンディ上陸作戦、カーン攻防戦、アーンエム橋保持など、第2次大戦中におけるイギリス軍の貴重な対戦車火器として使われたが、当時から他の対戦車火器より低く見られていたようである。戦後も1944年のワルシャワ蜂起の際、若干の期間、軍内で装備されていたが、1950年代にアメリカ製のM20スーパーバズーカが後継に採用されると、早々に姿を消した。

登場作品ジャンル使用者備考
史上最大の作戦項目参照
ストライクウィッチーズ項目参照
遠すぎた橋映画イギリス第一空挺師団兵
ドリームバスター漫画シェン
メダル オブ オナー アライドアサルト リロード2nd項目参照

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • いくら戦車サイズでもやはり曲射で直撃させるのは相当難しいでしょうね。初速は76m/sと現代の40mmグレネードランチャーと大して変わりませんが、弾の重量やライフリングがないことを考えれば命中率は更に落ちるでしょうし・・・まして真っ直ぐ当てるのは間違いなく難易度が高いはずですね。 -- 2013-03-01 (金) 00:17:02
  • 英wikipediaによると実地試験してみたところ、十分に使用訓練済みの兵士でも90mの距離で60%以上の頻度で的をはずし、直撃したもののうち75%しか爆発しなかったそうです。しかし実際の撃破数は当時の戦闘機からの爆撃によるものより若干多かったとあります。やはり地面から狙える、というだけで相当強いのでしょうか・・・ -- 2013-03-01 (金) 00:21:22
  • 日本wikipediaだと最大射程700m位となっているんだが・・・軽い弾を撃った時なんだろうけどそんなに飛ぶもんかね?
    あと正直な感想なんだが、装填のために戦場で棒立ちは怖すぎる、しかもコッキング失敗すると顔面めがけて飛んでくる危険があるって恐ろしすぎるだろ・・・ -- 2013-03-01 (金) 17:31:25
  • ↑あんたは遮蔽物も何もないところで戦車を待ち伏せすると思うのか? -- 2013-03-01 (金) 17:56:24
  • まあそう言うツッコミ来ると思ってたよ・・・
    遮蔽物あっても下向いて棒立ちは嫌だろ? -- 2013-03-01 (金) 18:31:47
  • なんか忘れてるようだが第二次戦までは塹壕戦がメインだったから普通2mぐらいは穴掘ってから戦ってたし、特に困らんと思うぞ。 -- 2013-03-01 (金) 19:37:08
  • 確かにそうかもな・・・それ以上に山なり弾道と困難な装填作業が問題だったのだろうな。 -- 2013-03-01 (金) 23:17:32
  • 戦後もワルシャワ蜂起〜のくだりおかしくはありませんか? -- 2015-11-22 (日) 16:55:58
  • どなたかは存じ上げませんが、編集ありがとうございます。イスラエルでも使用されていたというのは、初めて知りました -- 2015-11-22 (日) 17:22:37
  • 現場では仰向けに寝そべってコッキングする方法も指導されてたとか。 -- 2016-02-28 (日) 17:55:55
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