#author("2024-03-27T03:11:34+09:00","default:user","user")
*SAW(Squad Automatic Weapon):分隊支援火器 [#p73bdfbd]
 歩兵の最小単位である「分隊」ごとに配備された、制圧を目的とする小火器の総称。
 [[軽機関銃]]と類似している点が多いが、両者の最大の差は”SAWは個人で運用できる”ということである。SAWは交戦の際には真っ先に口火を開き、その火力で敵を制圧して歩兵銃を持つ味方を援護する。運用上、歩兵銃と行動を共にすることが多いため、[[機関銃]]の中では比較的小[[口径]]かつ軽量で、歩兵銃と弾薬が共用できるものが多い。
 各国でさまざまなものが開発されているが、大別して既存の[[突撃銃]]の発達型([[USSR RPK]]や、[[エンフィールド L86>エンフィールド L85]]など)と、弾薬・マガジンのみ共用として新規に設計したもの([[FN ミニミ]]など)の2タイプがある。前者は既存の突撃銃の訓練を受けた者なら誰でも運用できるというメリットと、1弾倉あたりの装填数が少ないというデメリットがある。後者はその正反対のメリット・デメリットとなる。
 その名のとおり、歩兵分隊の支援を目的とする自動火器の総称。
 味方の突撃に追随しながらも同時に制圧射撃による火力支援を行うという設計思想から、[[フルオート]]射撃が可能で豊富な装弾数を有し、かつ個人での携行が可能で、主力歩兵銃と弾薬(弾倉)を共用できるなどの特徴をもつ。
 [[軽機関銃]]・[[重機関銃]]・[[汎用機関銃>GPMG]]などと異なりある種の運用形態を指す用語であり、銃器それ自体が「分隊支援火器」というジャンルに属する訳ではない。

 小隊単位に持つ小隊機銃(こちらも軽機関銃)と似たような用途だが、小隊機銃が1挺の軽機関銃で小隊全員をカバーする必要があるのに対し、SAWは分隊単位で制圧射撃を行い、分隊ごとに行動を行えるため小回りが利きやすい。しかし小隊あたりの機関銃数が増え、必然的に消費弾薬数も増えるので、弾薬の確保に四苦八苦する様な、国力の乏しい軍隊には向いていない。
 しばしば「[[7.62mm×51弾]]のものは([[5.56mm>5.56mm x45弾]]のものと区別して)[[GPMG]]であり分隊支援火器とは呼ばない」と言われる事があるが、これは誤りである。
 現にベトナム戦争時代の米軍で「分隊支援火器」として指定されていたのは[[M60>サコー M60]]であった。現在では5.56mm×45弾が主流であるため、分隊支援火器もこれを用いるものを指すが、その意味は時代や国によって異なる。

 各国で様々なものが開発されているが、大まかに2タイプに分かれる。
 一つは、弾薬(弾倉)のみ共用として新規に設計した[[軽機関銃]]クラスのもの([[ミニミ>FN ミニミ]]など)。耐久性が高く火力に優れるが、機関銃手はこれ専用の操作方法を習得する必要があり、重量などで携行時の負荷も大きい。
 もう一つは既存の[[突撃銃]]などの[[自動小銃]]を発展させたもの([[RPK>USSR RPK]]や[[L86A1/A2>エンフィールド L85]]など)。原型となった銃の訓練を受けた者なら誰でも運用できるうえ、比較的軽便であるが、[[ドラムマガジン]]など大容量のマガジンと併せて運用しない場合には装弾数や火力に欠ける。

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