H&K社製の一部の銃器(G3、MP5シリーズ)の再装填の際に、引いた状態でロックしておいたコッキングハンドルを射手自身が上から叩くようにして解除し、再装填を行う動作の事。
この動作は、G3やMP5がクローズドボルトによる作動方式を持つが故に行われるものである。
これらの銃器にはボルトストップ機能がなく、全弾撃ち尽くした後はボルトが前進位置で止まる。そのため、弾倉交換後に初弾を薬室に送るため、手動でボルトを操作する必要がある。
通常はマガジン交換後にコッキングレバーを操作するが、G3系はコッキングレバーを引き切った状態でノッチにひっかけて保持し、ボルトを後退位置に留めたうえで、弾倉を交換した後にこれを戻して初弾を装填する、という方法がとられる。これは、ボルトが前進位置のまま弾倉を装填すると、弾倉内の初弾が内部のボルトグループを強打し、ローラーロック機構を破損する場合がある為だとか。このため、タクティカルリロードを行う場合は、故障のリスクを許容するか、薬室内の一発を惜しまずホールドオープン操作をしたのちに行う必要がある。
この際、ノッチに保持されたレバーを上から拳で叩くか、平手で払いのけるようにしてロックを解除すると、スプリングのテンションで勢いよく「バシャッ!!」とレバー(とボルト)が前進し初弾が装填される。この叩くような動作が俗にHKスラップと呼ばれている。
ショットガンのポンピングのような緊張感のある金属音と、乱暴に銃を叩くようなアクションが独特で、主に国外の映画等のメディアでMP5などが登場した場合に小粋な演出としてよく見られる。そのため、映画内でのフィクショナルな銃器の扱い方のように思われるが、実際にもH&K社のデモンストレーターが公式実射映像にてHKスラップを披露している。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照