FN ファイブセブン / FN Five-seveN 【自動拳銃】

FN Five-seveN
全長重量口径装弾数製造国
208mm539g5.7mmx2810/20/30+1ベルギー
 
5.7mmx28弾。左からSS190、L191(曳航弾)、Sb193(亜音速弾)、SS192(ホローポイント)。

 新型弾SS90(後に改良型のSS190)を用いるFN社の自動拳銃。同社のP90をメインとした場合のサイドアームとして開発されたため、弾丸の共用が可能となっている。1995年に発表された比較的新しいポリマーフレーム拳銃であり、兄貴分とも言えるP90同様、かなり異色のファイアアームとなっている。
 使用弾薬のSS190は、ライフル弾を小型にしたようなボトルネック形状をしており、弾頭は従来の拳銃弾のようなドングリ形ではなく鋭利な円錐形をしている。そのため弾丸の初速が速く(秒速650メートル)、クラス3のボディアーマーを撃ち抜く貫通力を持つ。さらに、人体等の軟体に命中すると弾丸が横転する(タンプリングアクション)性質を持っていて、するりと貫通せずに体内の傷口を広げるのでストッピングパワーも高い。また、従来の9mmParaや.45ACPに比べ長く細い弾薬形状のおかげで、グリップの前後幅は増したものの、装弾数は破格の20発となっている。30発の拡張マガジンも販売されている。
 デザインも特徴的で、当初採用されていたピーナッツ形状のトリガーガードは注目を浴びた(現在生産されているものはストレート型)。プラスチックはフレームだけでなく、スライド部をも覆っており、過熱や冷却によるはりつきに備えたものとなっている。作動も一般的なショートリコイルではなく、ディレイドブローバックとなっている。当初はストライカー式のモデルのみだったが、特殊部隊の要望により、内部ハンマー式のモデルも開発された。
 アイアンサイトは固定式と可動式のそれぞれがある。

 開発中のモデルが発表された90年代半ば、一時期SASを始めとするイギリスの公的機関が、制式採用を考えて実験的に調達していたこともある。ただ、ファイブセブンが実際に初めて制式採用されたのは2000年のことで、それもイギリスではなく、キプロス共和国軍の特殊部隊へ納入されたのが最初である。

 確認されているバリエーションは以下のとおり。ただ、銃本体にモデル名の刻印などは無い。

モデル名説明
初期モデル生産終了。ダブルアクションオンリー(DAO)、マニュアルセーフティ無し。
現行モデルダブルアクションオンリー(DAO)、マニュアルセーフティ有り。トリガーガードはストレート形状
タクティカル公用。USG発売時に米国内向けのIOMを改称。発砲時の命中精度を上げるため、
初期モデルをシングルアクションに変更したもの。マニュアルセーフティ有り。
IOM (Individual Officer's Model)公用。USG発売時に廃止。シングルアクション。マニュアルセーフティ、マガジンセーフティ有り。
タクティカルと全く仕様は一緒。初期型はピーナッツ型トリガーガード。
USG (United States Government)アメリカ市場向け民間モデルの名前。シングルアクション。マニュアルセーフティ、マガジンセーフティ有り。
初期モデルは装弾数が10発であったが、AWB解除(2004年)により装弾数が20発になった。

 本来は公的機関にのみ供給されていた拳銃だったが、2004年からは民間市場において$800程で販売されており*1、セールスは順調そのものであるとか。

登場作品ジャンル使用者備考
BLACK項目参照
CANAAN項目参照
GALACTICA/ギャラクティカ項目参照
GAMER項目参照
GENE-Z項目参照
G.I.ジョー項目参照
MAG項目参照
Routesゲーム那須 宗一
リサ・ヴィクセン
SOCOM: U.S. Navy SEALs項目参照
Thing-Thing?項目参照
エクソダスギルティゲーム真道 カスミ
カウンターストライク項目参照
ガンスリンガー・ガール項目参照
血界戦線漫画チェイン・皇
シャングリ・ラアニメ今木 烈音
真・女神転生TRPG 魔都東京200X項目参照
スプリンターセル項目参照
ゼロイン項目参照
デッドライジング項目参照
デビル17項目参照
バイオハザード項目参照
プラネテスアニメクレア・ロンド旧型DA型
ミスタークリス項目参照
迷彩君項目参照
メタルギア ゴーストバベル項目参照
メタルギアソリッド4項目参照
ヤングガン・カルナバル項目参照
烙印よ、虚ろを満たせ。
烙印よ、想いを蝕め。
小説織田 景虎(カラ)
ルパン三世項目参照
レインボーシックス項目参照
ローグアサシン項目参照

このページの文章および画像はFN USA及びFN HERSTALから転載しています。
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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーはキャシアン・アンドーが使用。 -- ディズニー? 2017-10-27 (金) 18:23:06
  • 実用においては過剰な弾数のマガジンはむしろ邪魔。かさばるし、銃自体も使いにくくなるし。 -- 2018-04-01 (日) 00:20:01
  • 少なくともfivesevenに関して言えば標準で20発もの大容量は5.7mm弾の薬莢径が小さい事によるもので、銃のコンパクトさを特に犠牲にした訳では無いのだが。
    本文中にもある弾の全長によるグリップの前後長の大きさを問題とするならともかく、どうも的はずれじゃないか? -- 2018-04-01 (日) 06:04:44
  • 今更だけど上に書いてあるFort-28、コンセプトとしてはよく似てる(5.7mm、ポリマーフレーム、ストライカー式)けど、丸っ切りのコピーとは違うみたいだよ。スライドやフロントの形状もスマートだし、グロックみたいなトリガーセフティも付いてる -- 2019-02-08 (金) 11:48:45
  • https://en.ukrmilitary.com/2018/10/ukrainian-fort-28-pistol-cal-57x28-mm.html?m=1 トリガーセフティはパッと見わかりにくそうだったので一応図面があるページも貼っておきます 無関係な話題と連投すみませ -- 2019-02-08 (金) 11:53:09
  • ほーなかなか興味深いね。しかしDAOオンリーな辺りはやはり本家の影響だろう。TT-33のような独自改良モデルとでも言うべきものだろうかね。 -- 2019-02-08 (金) 21:07:37
  • というか、本家は記事通りハンマー式なんで実はかなり進歩しているのでは...?まぁ信頼性とかどうなのか分からんがね。 -- 2019-02-08 (金) 21:22:48
  • ルガーから新年のサプライズで同コンセプトの「Ruger57」拳銃が登場しましたね。こちらもFort-28のようにグロックタイプのトリガーセイフティを採用(撃発は内蔵ハンマーですが)。公式で「一般的なアメリカ人でも購入可能」と皮肉られるなど何とも本家を意識した製品です。新品価格が実際安いとこでは半額出てますので広告に偽りなしなのは流石ですが($1,200〜1,300 vs $600〜800)。マガジンは見たとこ共用不可の独自タイプのようです。 -- 2020-01-01 (水) 15:40:01
  • ゲームアリゾナ・サンシャインで登場、ゲーム内名称はFN ファイブセブンで装弾数20発。 -- 2023-06-17 (土) 18:44:00
  • 漫画天空侵犯で沖原 真司が2挺拳銃で使用、ショルダーホルスターとウエストホルスターに2挺ずつ計4挺携帯。 -- 2023-10-11 (水) 20:27:52
お名前:

*1 貫通力を落とした民間向けの弾薬が供給されている。

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