外見 | モデル | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
スタンダード | 222mm | 1070g | 10mm AUTO .45 ACP | 11+1 8+1 | アメリカ | |
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コンパクト (Special Forces) | 197mm | − | 10mm AUTO | 10+1 | ||
− | ポケット | 175mm | 790g | 10mm AUTO | 8+1 |
1983年にCZ75をベースに開発された自動拳銃。
トーマスF.ドーナウスとマイケルW.ディクソンは、新規格の10mmオート弾とこれを使用する新型拳銃を構想し、新会社を設立。実現を目指して、コンバットシューティングの提唱者であるジェフ・クーパーに助言を仰いだ。奇しくも同様な計画に取り組んでいたクーパーも合流し、ドーナウス&ディクソン社が製造開発、ジェフ・クーパーが経験に基づく技術提供という形で、10mm拳銃の共同開発が進められた。
新型拳銃は、クーパーが「世界最高のコンバットオート」と惚れ込んだCZ75に倣った設計となり、「ブレンテン」という名前も、クーパーが自分の好きなブレン軽機関銃のブレンと口径の10mm(テン)を掛け合わせて命名したもので、当時の力の入れ方が窺える。
フレームはコンバットシューティング界では忌諱されるアルミ合金は使わずステンレススチールとし、スライドは従来のスチール製となっている。当初はスライドもステンレスを予定していたものの、当時はまだまだステンレスの冶金に問題があったため、この様な構成となった。また当時ステンレスへの黒染めは一般的でなく、フルサイズのスタンダードモデルは全て、ステンレス地金のシルバーのフレームと、ブルー・フィニッシュのスライドの組み合わせのデュアルトーンとなっていた。
フレームに配されたマニュアルセイフティは、これもCZ75から引き継いだコック&ロックが可能なタイプで、これまたコンバットシューター好み。デコッキングレバーは用意されていないが、スライド後部に、クロスボルト式のセイフティが追加されている。ただ、このセイフティ、スライドを引いた際に誤って押してしまうことがあったようだ。
こうして開発されたブレンテンはCZ75の精度・操作性を持ち、9mmパラベラム弾より威力があり、.45ACP弾よりも扱いやすいという、良いとこ取りの拳銃になるはずであった。
ところがいざ販売されると、イタリアの会社に発注したマガジンの生産が遅れたために銃本体のみの販売が1年も続き、10mmオート弾は強力すぎて反動が.45ACP弾と大差なく、9mm口径のCZ75ベースではフレームが弱い、などの欠点があり売り上げは伸びなかった。
リリース直後の1984年には、早速と『特捜刑事マイアミヴァイス』でメディアデビューを果たしたものの、作品のヒットは銃のヒットにはつながらず、2シーズン後にS&Wのオートマチック(M645やM4506)に替えられてしまった。
結局、販売元のドーナウス&ディクソン社が倒産(元々資本金が少ない会社だったことが一番の原因)したことで、わずか3年で製造中止という悲運の銃となってしまった。
しかし、話題性の高い銃であったことは確かで、2008年、M16/M4系ライフルのアクセサリーパーツメーカーとして知られるVltor社が、突如、「FORTIS」なる本銃のクローンの発売を発表、ファンを驚かせた。FORTISは遅くとも2009年中期には市場へ供給されると言われていた。スケジュールはやや遅延しているが、『ブレンテン』の商標を獲得するなど、遅れながらもプロジェクトは進行しているようだ。
なお、ブレンテンと言えば10mmオート仕様オンリーと思われがちだが、実は.45ACP仕様もごく少数製造されていた。また、よく知られるスタンダードモデルの他、コンパクトモデル(Special Forces)、ポケットモデルも製造されており、特にポケットは稼働銃わずか2挺という超レアモデルである。コンパクトモデルは、スタンダードと同じデュアルトーンの『ダーク』の他、クローム・メッキのスライドを持つ『ライト』もラインナップされていた。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
ガンスミスキャッツ | − | − | 項目参照 |
ゼロイン | − | − | 項目参照 |
特捜刑事マイアミヴァイス | − | − | 項目参照 |
ペルソナ2 罪 | − | − | 項目参照 |
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