*ブルッガー&トーメ VP9 / Brügger & Thomet VP9 【消音拳銃】
#ref(bt_vp9.jpg,center,55%,VP9の後期モデル)
|銃身長|全長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|~2in|285mm|862g|[[9mm×19>口径#AutoAmmo]]|5+1|スイス|
|全長|銃身長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|285mm|50mm|862g|[[9mm×19>口径#AutoAmmo]]|5+1|スイス|

 VP9(Veterinary Pistol。“獣医の拳銃”の意)は、スイスのブルッガー&トーメ社が製造している消音[[拳銃]]である。その名のとおり、獣医師が救命の絶望的な患畜を、あるいはハンターや警官が手負いとなった危険な野生動物を、静かにかつ速やかに安楽死させねばならない状況に対応するため、こうした需要に応えるべく2014年に開発された。

 作動方式は[[ボルトアクション]]。本体後部のボルト操作用ノブを引いて一発ずつ装填・排莢を行うなど、基本的な構造は第2次世界大戦中にイギリスが開発した消音拳銃「[[ウェルロッド>ISRB ウェルロッド]]」に酷似している。使用弾薬もウェルロッド Mk.I同様の[[9mmパラベラム弾]]で、バッフル式の[[サプレッサー>減音器]]を被せたわずか5cm長の内蔵銃身に複数の穴を設け、燃焼ガスを逃がすことで腔圧を下げ、弾体を亜音速で発射し、衝撃波を抑制する点も全く同じである。

 弾倉は[[シグザウエル P225>自動拳銃/P225]]の[[シングルカラム]]マガジンを使用。これにはグリップを兼ねる[[ポリマー製>ポリマーフレーム]]のシュラウドがはめ込まれており、銃本体からマガジンと共に抜くことでさらに小型化できるという、これもまたウェルロッドに近い設計になっている。また、弾倉兼グリップを外した状態でも発砲は可能(ただし、中指でトリガーを引くスタイルになる)。レシーバー前後に[[アイアンサイト>オープンサイト]]を備えている他、専用の[[マウントベース>マウントレール]]をサプレッサーにはめ込めば、[[タクティカルライト]]や[[レーザーサイト]]も装着可能になる。後期モデルでは、初期モデルには無かった[[トリガーガード]]と[[グリップセイフティ>安全装置]]機能が追加されている。
 サプレッサーは、アルミ製バッフルを組み込んだ練習用と、シリコン製バッフルを組み込んだ実務用の2種類。減音効果は、練習用は140db程だが、実務用はシリコン樹脂で銃身内を密閉しているため129dbまで下がる。ただし、発砲の度に弾丸がシリコン樹脂を貫くので、発射数が10発を超えると減音効果が低下し、20発程でバッフルの寿命に達するとされている(ただし、バッフルの交換自体は道具無しで簡単にできる)。

 かつての特殊作戦用拳銃であったウェルロッドそのものといったデザインに対し、公にされないだけでそのような目的のために開発されたのではないか、と勘ぐる向きもあるが、その点については明らかでない。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|KILLJOYS/銀河の賞金ハンター|TVドラマ|フランシー・リー|初期モデル&br;シーズン1・第6話|
|~|~|ダッチ|[[サプレッサー>減音器]]下部にバレルウェイト風のパーツを装着&br;シーズン1・第7話|
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CENTER:このページの画像は[[ブルッガー&トーメ>https://www.bt-ag.ch/site/eng/startseite]]社から転載しています。
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