*.32ACP弾 / .32 ACP

 .32ACP(Automatic Colt Pistol)は、[[ジョン・ブローニング>ジョン・モーゼス・ブローニング]]が初めて設計した自動拳銃用弾薬である。1899年にベルギーの[[FN>ファブリク ナショナル]]社が、同社のブローニングM1900と共に発表した。「7.65x17mm ブローニングSR」、または「7.65mmブローニング」とも呼ばれる。

 口径は[[ボーチャード>ルドウィックローベ C93 ボーチャードピストル]]や[[ルガー>ルガー P08]]で使われたものと同様の7.65mmである。だが、それ以前のボトルネック薬莢と異なり、ストレートなチューブ状の薬莢とセミリム化により、弾倉からの弾上がりの良い形状としたのが大きな特徴である。
 一発ごとの威力は低いが、発砲時の銃身の跳ね上がりが少なく、グルーピングに優れ、価格的にも比較的入手しやすい、使い勝手の良い弾薬といえる。主にフルメタルジャケット弾が使用される。暗殺拳銃[[ウェルロッド>ISRB ウェルロッド]] や、[[Vz61スコーピオン>短機関銃/Vz61]]などの[[短機関銃]]にもこの弾薬が使われている。

 .32ACPは、数多くの国々で使われるようになり、1960年代末までは、西ヨーロッパの警察用拳銃の一般的な弾薬だった。しかし、1970年代に吹き荒れたテロの嵐によって、警察の武装強化が進むと、より強力な[[9mmパラベラム弾]]へ更新されていった。現在、法執行機関ではバックアップ拳銃用の弾薬として用いられることが多いが、民間では護身用拳銃の弾薬としてまだまだ広く使われている。

 日本においても、戦前、戦中に軍の将校用拳銃や警察用としてコルト M1908や[[ブローニング M1910>FN M1910]]などともに広く使われ、現在の[[日本警察>警察庁]]でも[[シグザウアー P230]]の使用弾薬として現役で使用されている。増加傾向にあるとはいえ、銃器・武装犯罪がまだまだ少ない日本では、扱いやすく必要十分な威力を持つ弾薬と認識されているようだ。


|弾丸直径|弾薬全長&br;/薬莢全長|リム形状|弾頭重量|銃口初速|初活力|有効射程|代表的な銃|h
|7.8mm(0.309in)|25.0mm(0.984in)&br;/17.3mm(0.680in)|[[セミリムド>リム]]|71gr(4.6g)|900ft/s(270m/s)|130ft-lbs|−|[[FN M1910]]&br;[[マウザー HSc]]&br;[[ワルサー PP]]&br;[[シグザウアー P230]]&br;[[CZE Vz61>短機関銃/Vz61]]|

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CENTER:※データは[[Federal Cartridge>http://www.federalpremium.com/]]からの抜粋で、フルメタルジャケット弾を4インチ銃身から発射した場合の一例です。&br;弾薬の種類や製造元、発射する銃によって数値は異なります。
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