*二挺拳銃 / Two Hand [#j20e3ee4]

 文字通り、両手に[[拳銃]]を構えて同時に撃つ射撃スタイル。「二丁拳銃」とも書く。また、さらに両手を交叉させて両脇の敵を撃つスタイルを特に「クロスファイア」と呼ぶこともある。
 腰のホルスターに二挺の拳銃をぶら下げたスタイルは、『腕利きのガンマン』を描くわかりやすい演出であり、西部劇では二挺拳銃を構えたガンマンが、一瞬にして大勢の相手をなぎ倒すシーンがよく見られた。まだ再装填の難しい旧型の[[リボルバー>回転式拳銃]]の時代に、手持ちの弾数を増やす手っ取り早い方法でもあった。

 その後、西部劇の時代が去り、再装填の容易な[[オートマチック>自動拳銃]]が主流になると、メディア上でも二挺拳銃は次第に廃れていったが、1986年、意外にも香港のジョン ウー監督が映画『[[男たちの挽歌]]』で、鮮烈に復活させた。一説には、使用していた[[ベレッタ>ベレッタ M92]]のモデルガンが連射している内に熱くなって持てなくなってしまうために、交互に持ち替えて過熱を防ぐ、という一種苦肉の策だったとも言われるが、結果的には非常に効果的な演出となり、以後二挺拳銃はウー監督と主演したチョウ ユンファの代名詞となる(また、ややスタイルは違うものの、ほぼ前後して『[[ターミネーター]]』でも[[ライフル>小銃]]+[[ショットガン>散弾銃]]の二挺拳(?)銃が登場し、やはり衝撃を与えた。)。
 現在では二挺拳銃はウー作品のみならず、映画、コミック、ゲームなどありとあらゆるガンアクション系作品に登場し、かつて以上の全盛期を迎えた感がある。

 なお、現実にはレクリエーションをのぞけば、二挺拳銃を本格的に取り入れた公的機関やシューティング競技はさすがに存在しない。しかし、物陰に身を隠しながら撃つときなどに有利なので、ウィークハンド(利き腕でない方の手)で銃を保持して襲撃する訓練は、軍・警察関係でも広く行われているようだ。

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