*HSプロダクト VHS/ HS Produkt VHS 【突撃銃】
#ref(VHS-D2.png,center,nolink,VHS-D2)
|モデル|全長(短縮時)|銃身長|重量|口径|装弾数|連射速度|発射形式|製造国|h
|~VHS-D|770mm|20インチ|3.0kg|[[5.56×45mm>口径]]|30|750〜950発/分|S/F|クロアチア|
|~VHS-K|660mm|16インチ|2.8kg|~|~|~|~|~|
|~VHS-D2|850(800)mm|20インチ|3.9kg(CTモデル4.3kg)|~|~|~|~|~|
|~VHS-K2|760(710)mm|16インチ|3.75kg(CTモデル4.15kg)|~|~|~|~|~|

 クロアチアのHSプロダクト社が2005年から設計・販売している[[ブルパップ]][[突撃銃]]。同社は[[スプリングフィールド・アーモリー>スプリングフィールド]]のベストセラー・[[XDシリーズ>スプリングフィールドXD]](HS2000)の供給元としても有名である。
 他国の近代的ライフル同様、メーカの存在するクロアチアの陸軍次期制式小銃のトライアルに参加するため開発が開始された。
 
 HSプロダクト社はクロアチア紛争時代から[[AK47>USSR AK47]]のブルパップモデルを製造していたが、耐久性や反動の問題から[[FAMAS>GIAT ファマス]]風の[[レバー式ディレードブローバック>ブローバック]]、[[M16>コルト AR15A2]]スタイルの[[DI方式>リュングマン方式]]をテスト。最終的にDI方式を採用した。また、軽量化のため[[ポリマーフレーム]]を使用している。
 初期モデルは[[TAR21>IMI タボールAR21]]に類似した外観で、DI方式で機関部に送るガスをボルト後退に用いるだけでなく、ボルトの後方からも少量吹き付けることで反動を軽減する「ガス・クッション方式」の採用を謳っていた。
 この機構に関する特許もクロアチア国内で取得されていたが、信頼性の問題などからこの機構は取り除かれ、通常のDI方式へと変更された。外観もFAMASにかなり近いものへと変更され、これが第1世代モデル「VHS」として発表された。
 
#ref(VHS-D_assault_rifle_REMOV.jpg,right,40%,nolink,VHS-D)

 第一世代モデルは排莢口は右側面、ボルトキャッチは左側面グリップ部のみである。マグリリースはマガジンウェル後面にプッシュタイプのものが設けられている。セレクターは縦軸で回転する特殊なレバー式で、ハンドガード内トリガー前に配置されており、後ろに回転させてトリガーに重ねることでセイフティ、右に回転させることで[[セミオート]]、左に回転させることで[[フルオート]]として機能するものであった。
 [[ピカティニーレール]]パーツはハンドガードとキャリングハンドルに着脱式のものとなっており、取り外しておくことで軽量化可能である。キャリングハンドルはアイアンサイトが内蔵されたFAMASに類似したものとなっており、レール装着時にはアイアンサイトが使用できない点も同様である。FAMASとは異なり、このアイアンサイトがライフルグレネード用のサイトと兼用となっている。
 
 第二世代モデル「VHS2」では外観や操作系に大幅な変更が加えられ、SF的な外観で話題を呼んだ。操作系は全て[[アンビ]]となり、クロアチア軍では現在[[G36>HK G36]]の運用が多いことから標準マガジン及びマガジンウェルはM16互換からG36互換のものへと変更。M16互換のマガジンウェルはオプションとなった。
 ブルパップとしては珍しく調節式[[ストック]]とチークピースを標準で備え、使用者に応じて前後・上下幅を調節可能となっている。AR15ベースの影響か、ダストカバーを備えている点もブルパップとしては珍しい。
 排莢口は左右に設けられており、機関部の組み換えによって排莢方向を変更可能。セレクターはより標準的なグリップ上のダイアル式のものとなり、表示もH&Kネイビートリガーグループ風のピクトグラムを用いたものに変更されている。マグリリース・ボルトキャッチはパドル式のものとなり、両方ともマガジン挿入口付近に配置され、左右どちらからでも操作可能となっている。
 ピカティニーレールは第一世代同様着脱式だが、キャリングハンドルの上面レールは標準装備に変更されている。

 第一・第二世代ともにチャージングハンドルはG36風の左右に引き出せる方式となっているが、G36とは異なり射撃時に稼動しない独立式である。3ポジションのガスレギュレーターは通常・強(弱装弾用)・カット(ライフルグレネード用)のモードを備えている。

 第一世代モデルは「VHS-D((Dugo,クロアチア語で「長い」))(スタンダード)」「VHS-K((Kratke,クロアチア語で「短い」))(カービン)」の2種類のモデルが用意されていた。
 第二世代モデルではFAMASに近いストレートなキャリングハンドルの「VHS2」と、[[G36>HK G36]]のような[[光学照準器>スコープ]]・バックアップサイト内蔵のキャリングハンドルを持つ「VHS-CT」モデルの2種類が用意されている。製品名としてはどちらの系列もスタンダード・カービンモデルがそれぞれ「VHS-D2」「VHS-K2」となっており、CTモデルは「CT 1.5x」が製品名の末尾に付属するようだ(それぞれ「VHS-D2 CT 1.5x」「VHS-K2 CT 1.5x」)。
#ref(VHS-K2_CT1.png,right,45%,nolink,VHS-K2_CT1.5x)
 「VHS2」系列のアイアンサイトはフリップアップタイプのもので、サードパーティの[[光学照準器>ダットサイト]]を使用する場合には折り畳んでおくことが可能である。
 また、本銃との連携を念頭に設計された「VHS-BG」40mmアンダーバレル・グレネードランチャーも用意されている。[[ピカティニーレール]]タイプであるため他の銃でも装着可能であるが、VHS2に装着した場合は、銃のトリガーガードの真下にランチャーのトリガーが配置される設計となっている。

 クロアチア陸軍のトライアルでは初期から非常に優秀な成績を収めており、50,000発の連続射撃テストにおいて一回も動作不良・パーツ破損は起きなかった。2007年度から複数回クロアチア陸軍の要請に応じて調達されており、第一世代モデル約14,000挺が現在運用されている。第二世代モデルも今後50,000挺ほど調達され、旧モデルや他の突撃銃を置換する予定である。
 また近年米軍主導で設立されたイラク軍特殊部隊においても、少なくとも250挺のVHS2モデルが調達されており、運用がしばしば目撃されている。((第一世代モデルも500挺調達されているが、こちらの運用例は見られない。))

 なお英語圏ではいわゆる「ビデオテープ」の規格名・通称である「VHS」と名称が同じである事がしばしば話題に挙げられる。無論本銃はそれに関連した名称ではなく、クロアチア語のVišenamjenska Hrvatska Strojnica(汎用クロアチア製自動火器)の頭文字を取った略称である。 


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|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|PAYDAY2|FPS|−|DLC「Dragan Character Pack」にて&br;VHS-2モデルが「Lion's Roar」の名称で登場|
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CENTER:このページの画像は[[HS Produkt社>http://www.hs-produkt.hr/]]及び[[Wikimedia Commons>https://commons.wikimedia.org/wiki/File:VHS-D_assault_rifle_REMOV.jpg]]から転載しています。
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