ナイツ SR-47 / Knight's Armament SR-47 【突撃銃】

ナイツ SR-47
全長(伸長時)重量口径装弾数発射形式製造国
724(826)mm3.52kg7.62mm×3930S/Fアメリカ

 SR-47は、US SOCOMの要請を受けてナイツ社が開発した、AR15ベースの突撃銃である。使用弾薬は旧ソ連で開発された7.62mm×39弾であり、AK47の弾倉をそのまま装着できるのが最大の特徴。

 SR-47が開発された経緯は、2001年に開始された『不朽の自由作戦』での戦訓に基づく。当時アフガニスタンに展開した米軍特殊部隊は、アル・カイダを追って基地から遠く離れた山岳地帯に分け入った。補給もままならない敵地奥深く、敵の潜む複雑に入り組んだ洞窟への潜入作戦である。そのため、武器弾薬はしばしば現地において拾得もしくは奪取することで賄われた。それらは大半がAKとその弾薬であった。
 そこでSOCOMは、M16/M4のプラットフォームで7.62mm×39弾が使用できる新型ライフルの構想を抱く。『SPR-V』と名付けられたトライアルに参加した企業は、ルイス・マシン&ツール、ロビンソン・アーマメント、ナイツの3社。最終的に候補に残ったのは、ロビンソン・アーマメント・カンパニーの「RAV-02」と、ナイツの「SR-47」の2つであった。

 当初、新型ライフルに求められた条件は、単に7.62mm×39弾が使用可能というものだったが、後にAK47の弾倉をそのまま装着可能という条件に変更された。SR-16に代表されるSRシリーズをベースとしつつ、AK用の弾薬と弾倉に対応するため、多くの部品が新規設計された。弾倉は、標準的なAK47用の他、RPK用の40連弾倉も使用可能。銃身には、オーバーメイヤー・バレル製のカスタムバレルが用いられ、ナイツ製の7.62mm×39弾専用サプレッサーも用意された。

 しかしトライアルを経てみると、現地調達の粗悪な7.62mm×39弾では、機関部の汚れが速く進行する上に、AK用の弾倉を使用するために専用設計とした部品が多く、充分なメンテナンスのためには、予備部品を供給するSR-47専用の補給体制が必須となることが判明した。
 また、トライアルに参加した他社ライフルや以後のAKマガジン対応AR15製品でも同様だが、AK47の標準マガジンでは構造上ボルトキャッチに対応することが不可能であり*1、鹵獲した弾倉をそのまま使用する場合、再装填の際には逐一チャージングハンドルを操作する必要があり、AR15の長所である優れた操作性を発揮できない点も問題であった。
 結果として、AKの弾薬と弾倉の共用という補給上のメリットと引き換えに、SR-47は別の多くのデメリットを抱えることとなり、この問題の解決には結局「AK-47で武装する」という結論に至ったのである。

 SR-47はわずか7挺のみが製造され、6挺はSOCOMがトライアル用に購入し、残る1挺はナイツ社の博物館に保管されている。

 2012年、アメリカのロックリバーアームズは、SR-47に酷似した「LAR-47」なる民間用モデルを発売している。

登場作品ジャンル使用者備考
Cat Shit One - THE ANIMATED SERIES項目参照

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 仰る通り確かにボルトリリースは残されているのですが、注釈で記述したようにマガジン側の加工が必要なため実用には耐えないと判断されました(逆にマガジンの加工さえあれば、既存のAKに大きな改造無しにボルトホールドオープンを実装しているものもあります)。参考資料はインターネットで見つかるものがあればいいんですが・・・こちらのスレッドで過去にSilencertalkでそれらしい言及があったという話を見つけたので、また見つけたらリンクします。 ttp://www.ar15.com/mobile/topic.html?b=2&f=38&t=222944&page=5 -- 2014-12-24 (水) 09:32:41
  • (ご存知の可能性もあると思いますが一応言及しておくと)ボルトホールドオープンをどうやって実装するかというと、機関部に残弾の有無を直に判断させるのはほぼ無理ですので、マガジン内の可動部(フォロワー)に出っ張りを作って、弾が無くなったらそこが出っ張って来るのでこれを検知してボルトを止めてしまう訳ですが、大半のAKマガジンはこれを意図していない作り(平らな底面)になっているので機能しないのです。 (参考動画:右がボルトホールドオープン対応のもの、左が従来のもの ttps://www.youtube.com/watch?v=eg2aWysPNPU&t=2m30s) -- 2014-12-24 (水) 09:46:20
  • SR-47のボルトリリース機能についてはハッキリと触れてる資料が一応ある、ということでしょうか? AKのマガジンの構造からしてボルトストップは無理そうなのに、リリースボタンはついてる。すごく気になったけど、これについて書かれた資料は自分は見つけられなかったので… -- 2014-12-24 (水) 10:38:29
  • ボルトストップが無いのって、別にそれほどデメリットではないのでは? 「AKで武装するのが解決策」という文脈からすると、ボルトストップについては解決してないし。マガジンをAKと共用するってことはボルトストップ無しなのは織り込み済みで、改造マガジンでのみボルトストップ可能っていうのはあくまでオマケ程度だったんじゃないですかね。このページのソースのWeaponTecの記事でも、ボルトリリースには触れてないし。 -- 2014-12-24 (水) 21:57:32
  • 多分ボルトストップがないのがチャーハンと相性が悪かったってことではないかな?それも含めて作ってみてやっぱり具合が宜しくないから採用されなかった訳だし。 -- 三流陸曹? 2014-12-24 (水) 22:07:14
  • 連投すまぬ。ボルトストップのくだりは飽くまでデメリットの一つってだけそれだけが問題だった訳じゃないし。 -- 三流陸曹? 2014-12-24 (水) 22:09:41
  • ↑×3 新しく銃作っても機能使えないなら元々その機能無い銃でもいい、って事だろ。妥協しただけであってAK47で十分だと判断したって意味ではないだろう(まぁそもそもSPR-Vトライアルは例によって白紙になっただけで「AK-47で武装する」という結論が出た訳ではないんだが・・・) -- 2014-12-25 (木) 03:09:32
  • まぁトライアルは相変わらず特に説明無しに中止になった訳だけど、そもそもマガジン共用出来るって言ってもそんな武装勢力が一山幾らで買って来て積み上げてるマガジン入れっぱなしの弾薬がはたして安心して撃てる弾薬かっていうとかなり怪しい訳で、「現地で手に入る弾薬を使う」ってコンセプト自体が既にメリットに対して大きなデメリットあるからその辺の兼ね合いなんだろうね。 -- 2014-12-25 (木) 03:18:46
  • 迷彩君perfect上巻に収録されてる描き下ろしに登場してた気がする -- 2015-03-06 (金) 19:56:03
  • 無料FPSゲームのブラックスクワッドに出てますね子の銃 -- 2017-03-06 (月) 08:29:23
お名前:

*1 この点はAKマガジン上部に加工を加えることで対応可能であるが、当然戦場で鹵獲したマガジン全てに加工を行うことは非現実的である

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