中国北方工業公司 (ノリンコ) / NORINCO:China NORth INdustries COrp.

 中国北方工業公司 (ノリンコ)は1980年、当時中国各地にあった人民解放軍の兵器工廠を統合、民営化した中国最大の兵器製造企業である。(しかし、はっきりとした前身は定かではない。一説には奉天(ほうてん:瀋陽(しんよう)の旧称。人民解放軍の工場の中で最も規模が大きかったとされる。)ではないかとされている。)

 営業機密主義を抱えているため、会社の実態は闇に包まれているが、小は拳銃から大はミサイル・戦車・自走砲まで、中国の銃器・兵器製造を一手に引き受ける造兵公社(国営企業)。しかし民間向けのトラックや大型バスの製造(ライセンス生産)、さらには鉄道や発電所の建設まで手がけるなど、守備範囲は非常に広い。
 銃器(小火器)については、大別して輸出向けと自国の軍・警察向けのグループがあり、輸出向けは他のメーカーのコピー品が圧倒的に多い。安い人件費を生かした低コストが売りだが、外見はそっくりでも材質や細部の工作はオリジナルよりも一段(あるいはそれ以上)落ちるというのが定評。特に各部品の『面取り』が甘く、素手でさわると部品の角でザクザク指を切ってしまうとよく言われる。
 『粗悪なバッタ物』のイメージが強いが、バレルなど主要な部品の精度は意外に高いとのレポートもある(もちろん、取材向けに特にできの良い物を用意している可能性はあるが、これは結構他のメーカーでもやっていることである)。
 また製品の輸出だけでなく、イランなどへの技術協力・供与も進めている。

 自国向けの製品でも、旧ソ連などのコピーが目立つが、64式微声手鎗やナイフ ピストルなど、ユニークな独自設計の物も少なくない。八路軍時代から得意のゲリラ戦術に適した、サイレンサー装備の銃器が多いのも特徴だ。


自動拳銃

51式手鎗(ソ連製トカレフ部品を用いたノックダウン生産型)
54式手鎗(ソ連国交悪化後に51式を自国向けに改良、自国部品で製造したコピー生産型)
1911A1 (コルト・ガバメントの軍用規格品コピー)
59式手鎗
64式微声手鎗
92式手鎗(QSZ-92)
PPN手鎗
NP22?
NP34?
NP226?
NZ75

短機関銃

50式冲鋒槍?
64式微声冲鋒槍?
85式冲鋒槍(M320 SMG)?
411式冲鋒槍?

小銃

JW-9狙書B步槍

自動小銃

56式半自動歩槍
M1A

突撃銃

03式自動歩槍
CQ(M16のコピー)
56式自動歩槍
63式自動歩槍
86式自動歩槍
88式自動歩槍
95式自動歩槍

軽機関銃

80式汎用機関銃(1980年式通用機槍)(USSR PKMのコピー)
67式汎用機関銃(1967年式軽重両用機槍)

散弾銃

Norinco 982
Norinco HP9-1

狙撃銃

NDM-86
88式狙撃銃(QBU-88)

対物火器

69式対戦車ロケット
98式対戦車ロケット
23-2K(Nudelman-Rikhter NR-23(ロシア製航空機搭載用機関砲)のコピー)

外部リンク

NORINCO 公式サイト
NORINCOequipment 公式サイト


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 南方工業傘下の製品については南方工業のページがあるのでそちらに掲載するつもりです。このページは販売者ではなくメーカーのページなので。 -- 2021-08-30 (月) 14:46:10
  • メーカー不明を纏めてコメントアウト解除しました。 -- 2021-08-30 (月) 17:18:43
  • 読む人は、このページが販売者かメーカーかの判断は最初からは出来ませんよ。他の銃メーカーのページもその辺区別はあいまいですし…。南方工業発足以前の銃が、南方工業のページにリンクしてるのは誤りでは? と誤解されるかも。  -- 2021-08-30 (月) 18:47:18
  • ノリンコも南方工業も直接の製造者ではないし、過去と今とで両者に販売ブランドがまたがってるメーカーもあるし、いっそのこと「中国の小火器製造元」みたいなページを新設して、そちらに製造元の内容を移動しては? -- 2021-08-30 (月) 19:03:22
  • 元々、ノリンコがあたかも中国の銃器製造の殆どを担っているなんていうデタラメを修正するってのが第一義で、それぞれの工廠ごとにページを作成するのが手間だったからシグを参考に統括企業である南方工業のページを作成してまとめただけなので、どういう形式にせよ分かり易くなる分には賛成です。ただ、1国のメーカー全てを1ページに纏めてそれが分かり易いかとは、私はそう思えないですが。 -- 2021-08-30 (月) 20:16:54
  • さらに付け加えると、ノリンコから南方工業へと移管されているのを私が確認出来ているのは、マカロフ弾の製造を担当していた国営121廠(原北方工具廠、現、黒竜江北方工具有限公司)だけですし。ここは現在黒竜江省の幹部である胡亚枫の経歴が開示されてるのですが、氏が121廠で勤務していた時にちょうど兵器工業部→ノリンコ→南方工業へと移管されてて、しかもそれがアクセス制限も無く開示されてるのです。ttp://district.ce.cn/newarea/sddy/201801/29/t20180129_27960978_1.shtml -- 2021-08-30 (月) 22:17:58
  • 今はそんな情報も公開されてるんですねぇ。Forgotten weaponsの近代中国コピー拳銃の本も今年12月に出ますし、今後の中国銃火器史の充実は期待どころですね。 -- 2021-08-31 (火) 08:56:29
  • QBS-09の製造元が分かったので追加。私企業のためかホームページ(ttps://www.xian-feng.com/)に閲覧制限がありませんでした。もっとも掲載内容は民需事業のみでしたが、ロゴはQBS-09の刻印と同じだったので特定に至りました。 -- 2022-01-26 (水) 15:13:29
  • 中国の法執行機関向けのリボルバーはノリンコでは製造していなかったのでしょうか? 国営工廠での生産だったのでしょうか? -- 2023-09-16 (土) 21:31:41
  • 法執行機関向けリボルバーであるZLS05を製造してるのはこのサイトに掲載されている通り南方工業傘下の四川華慶と私企業の江蘇新蘇ですね。そもそもノリンコグループとノリンコはそれぞれグループの本体企業と輸出入を担う商社の事で、ZLS05は国営工廠が企業に再編されてから開発製造された銃です。 -- 2023-09-17 (日) 18:08:28
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