*ミネベア 9mm機関けん銃 [#x1194a86]
#ref(9mmsmg.jpg,center,nolink,ミネベア 9mm機関けん銃 試作モデル)
|全長|重量|口径|装弾数|連射速度|発射形式|製造国|h
|399mm|2.8kg|[[9mmx19>口径]]|25|1100発/分|S/F|日本|

 [[陸上自衛隊>自衛隊]]の空挺部隊向けとして開発された護身用[[機関拳銃]]。略称は「M9(エムナイン)」。なお、「拳」は常用漢字ではないため「けん」とひらがな表記される(ただし最近の陸自のHPでは『拳』の表記になっている)。
 9mmx19弾を使用し、制式拳銃である[[9mmけん銃>シグザウアー P220]]と弾薬の共有が考慮されている。ちなみに上載写真は試作品の物で、実際に配備されているものに木材は使用されていない。

 さてこの機関けん銃、開発側は沈黙しているが、[[短機関銃]]の[[ウージー>IMI ウージー]]を参考にしたらしく外見も構造も酷似している。しかし性能については、連射速度が高い一方でストックがないことからコントロールに難があり((フォアグリップと大型のフラッシュハイダーのおかげで、命中率は高いという意見もある。))、安全装置も甘く、地面に落ちたら最後、弾が尽きるまで弾を吐き出しながらのた打ち回る危険な代物であるとか。また、ボディを[[プレス加工]]ではなく、全てを[[削り出し加工]]で製作しているために、値段は1挺42万円とこのレベルの自動火器としては非常に高価((原因は製造元のミネベアがプレス加工用機械を導入しようとしなかったためといわれている。))である。

 そもそも精鋭部隊である第一空挺団にこんな中途半端な火器((第一空挺団は、[[89式小銃>豊和工業 89式小銃]]の折り畳みストックモデルを既に持っている。))を使用させる事自体、不可思議な採用と云わざるを得ない。実はこれには理由がある。
 1990年代に自衛隊がPKO活動で国外派遣される事となった時、国内外から「また戦争するつもりか!」「帝国主義の復活!」などと非難を浴びた。そこで政府は妥協案として派遣部隊に過度の自衛火器を持って行かない事を約束し、その装備は[[機関銃]]数挺と護身用[[拳銃]]のみに制限される事となった。PKO活動とは云え、無政府状態の治安の悪い地域へ隊員を貧弱な装備で派遣することは自殺行為。そこで防衛庁は前述の制約をかいくぐるため、一般定義的には短機関銃である筈の本銃を''「ストックが無いし小さいでしょ? ですからこれは機関『拳銃』です」''とでっち上げ、護身用拳銃だと云い張りPKO派遣部隊に持たせたというのである。

 だが、2001年の東ティモールPKO派遣や2003年のイラク復興支援の際に、自衛隊員が本銃を装備していた形跡が無かったことから、「関係官僚が(9mmけん銃の調達が終了して関係の薄れた)ミネベアへの天下りを続ける為に作っただけ」という噂もある。どちらにしろ、現場側の要求ではなく官僚側の政治的背景から作られたというのが定説である。

 現在は海上自衛隊の護衛艦や航空自衛隊の基地守備隊など一部部隊で、9mmけん銃に替わる装備として配備されている((「9mmけん銃の後継」とする表現も散見されるが、現在の全9mmけん銃を本銃に更新するというハナシではないので、誤解を招く表現だろう。))。陸上自衛隊では、2002年に新設された空中機動旅団である第12旅団を中心にかなりの数が行き届いている。一方、海上自衛隊の特別警備隊ではいち早く[[高性能機関けん銃>HK MP5]]に切り替えている。
 しかし結局、2003年の調達を最後に2004年以降は要求されておらず配備終了となったらしい。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|GANTZ|漫画|和泉 紫音|第11巻|
|アウトトリガー|ゲーム|リナ ミヤギ|−|
|[[サイレン2>サイレン]]|−|−|項目参照|
|[[戦国自衛隊]]|−|−|項目参照|
|[[デビル17]]|−|−|項目参照|
|[[ヤングガン・カルナバル]]|−|−|項目参照|
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CENTER:このページの画像は[[陸上自衛隊>http://www.mod.go.jp/gsdf/]]から転載しています。
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