*アレス FMG / Ares FMG 【短機関銃】 [#d875c980]
#author("2023-03-06T00:33:00+09:00","default:user","user")
*アレス FMG / ARES FMG 【短機関銃】 [#d875c980]
#ref(aresfmg.jpg,center,nolink,ARES FMG)
|モデル|全長(伸長時)|重量|口径|装弾数|連射速度|発射形式|製造国|h
|~FMG|270(490)mm|2,090g|[[9mmx19>口径]]|30|500〜600発/分|F|アメリカ|
|~M21|不明|不明|[[9mmx19>口径]]|不明|不明|F|アメリカ|
|~PP90|270(485)mm|1,830g|[[9mmx18>口径]]|30|600〜800発/分|F|ロシア|
|~FMG|270(490)mm|209g|[[9mm×19>9mmパラベラム弾]]|20/32|500〜600発/分|S/3/F|アメリカ|
|~M21|不明|不明|[[9mm×19>9mmパラベラム弾]]|32|895発/分|F|~|
|~PP90|270(485)mm|1830g|[[9mm×18>口径]]|30|600〜800発/分|F|ロシア|

 1980年代に[[ユージン・ストーナー]]氏が開発した携帯型[[短機関銃]]。FMGとは『Folding (sub)Machine Gun』を略したもので、つまり『折りたたみ式SMG』である。パテントの取得は1986年頃と言われている。
 当時、世界各国でテログループなどによる誘拐事件が多発。政府関係者のみならずビジネスマンまでもが標的となりつつあった((1986年には、フィリピンで当時の三井物産・マニラ支店長の誘拐事件が起きている。))。これに注目したストーナー氏は、携帯に便利で、なおかつ大きな火力を持つ自衛用火器の開発を思い立った。
 従来から[[MP5K>短機関銃/HK MP5K]]などの小型SMGをアタッシュケースなどに仕込んだ例はあったが、FMGはさらに一歩進んで、銃そのものが変形・擬態する。折りたたんだ状態では金属の箱形で、工具箱か何かのようにしか見えない。使用するときには、ちょうどホッチキスの針を替える時のように箱を開くと、中からグリップとマガジン、トリガーが現れて発射可能となる。慣れれば銃の展開・発射には数秒とかからない。なお、緊急時の接近戦での使用を念頭に置いているため、[[アイアンサイト>オープンサイト]]などは装備していない。
 ユニークな銃を数多く送り出したストーナー氏の手になる中でも、飛び抜けた珍銃(キワモノ?)で、開発目的といい、高い秘匿性といい、[[アストラ プレッシン]]のSMG版とでも言うべき銃である。しかし、あまりにも特異な性格と、同時期に発効した[[フルオート]]銃の規制法『FOPA86』のため、結局は少数が生産されたにとどまった。
 アレス社(ARES Incorporated)のフランシス・ワリン(Francis J. Warin)が1970年代に設計した携帯型[[短機関銃]]。FMGとは『Folding (sub)Machine Gun』を略したもので、つまり『折りたたみ式SMG』である。アレス社が著名な銃器デザイナーである[[ユージン・ストーナー]]が興した会社であったことから、ストーナー自身によるデザインと広く誤解されているが、実際には1986年にフランシス・ワリンによってパテントが取得されている。

 なお、パテントやライセンスの関係は不明だが、FMGにはバリエーションとも言える銃が3種類存在する(2008年現在)。
 一つはボートマン(Boatman) M21で、アメリカのガンスミス、デーブ・ボートマンによって開発された。FMGと同時期の登場だが、こちらはサイト兼用のキャリングハンドルと擬装用のアンテナを備え、携帯型ラジオに見せかけている。このため『ラジオ サブマシンガン(radio submchine gun)』の異名も持つ((ただ、チューナーやボリュームダイヤルがついていないので、ややバレバレではある。))。
 当時、世界各国でテログループなどによる誘拐事件が多発。政府関係者のみならずビジネスマンまでもが標的となりつつあった((1986年には、フィリピンで当時の三井物産・マニラ支店長の誘拐事件が起きている。))。そこで携帯に便利で、なおかつ大きな火力を持つ自衛用火器として設計された。
 従来にも[[MP5K>短機関銃/HK MP5K]]などの小型SMGをアタッシュケースなどに仕込んだ例はあったが、FMGはさらに一歩進んで、銃そのものが変形・擬態する。折りたたんだ状態では金属の箱形で、工具箱か何かのようにしか見えない。使用するときには、ちょうどホッチキスの針を替える時のように箱を開くと、中からグリップと[[マガジン]]、トリガーが現れて発射可能となる。慣れれば銃の展開・発射には数秒とかからない。なお、緊急時の接近戦での使用を念頭に置いているため、[[アイアンサイト>オープンサイト]]などは装備していない。
 メカニズム自体はオーソドックスな[[シンプルブローバック>ブローバック]]と[[オープンボルト]]発火を採用し、銃身にリコイルスプリングを通してボルト動作のガイドとして機能させる設計だった。後述する20発と32発のマガジンを使用するが、32連マガジンを装填した場合、折り畳むことが出来なかったらしい。
 ドイツの[[MP40短機関銃>短機関銃/エルマベルケ MP40]]のマガジンを使用する(([[MP28>短機関銃/ベルグマン MP18]]だったとも云われている。))最初のモデルと、イスラエルの[[ウージー短機関銃>短機関銃/IMI ウージー]]のマガジンを使用するモデルの二挺のプロトタイプが製作された。

 奇しくもアレス FMGとほぼ同時期に開発されていた折り畳み式短機関銃が、M21である。アメリカのガンスミス、ユタ・コナーによってUC-9(Undercover 9)の名称で開発されたもので、コナーが銃器ディーラーであったデイブ・ボートマン(Dave Boatman)と組み、彼のショップから発売するに当たって改めて「M21」と名付けられた。この経緯から、「ボートマン M21」或いは「UC M21]といった名称でも紹介される。
 M21はサイト兼用の[[キャリングハンドル]]と擬装用のアンテナを備え、携帯型ラジオに見せかけている。このため『ラジオ サブマシンガン(radio submchine gun)』の異名も持つ((ただ、チューナーやボリュームダイヤルがついていないので、ややバレバレではある。))。折り畳み機構はアレス FMGと全く同様のもので、ウージーのマガジンを使用する点も共通している。

 しかし、当時発効した[[フルオート]]銃の規制法『FOPA86』のため、アレス FMGはプロトタイプにとどまり、M21もごくごく少数が生産されたのみとなっている。この2つの非常に似通った折り畳み式短機関銃が、ほぼ同時期に誕生した経緯と関係性は明らかにされていない。

#ref(pp90m.gif,right,around,nolink,PP90M)
 もう一つはロシア・KBP社のPP90で、やや遅れて1990年代の登場。こちらはFMGにより近いスタイルをしているが、口径を9mmx18に改めているほか、折りたたみ式のサイトの追加や[[コッキング]]ハンドルの改良が行われている。ロシアの治安機関や特殊部隊向けに供給されている他、海外への輸出も行われており、このタイプのSMGでは最も成功したモデルである。
 後に改良型のPP90MやPP90M1も開発されており、PP90M1ではセレクティブファイア機構やヘリカルマガジンが組み込まれたが、操作性を重視した結果、折りたたみ機構は廃されてしまっている。
 最後はMagpul社のFMG-9で、さらに遅れた2008年のSHOT SHOWにて初披露。[[FAMAS>GIAT ファマス]]そっくりのキャリングハンドルを備えているが、外観は『工具箱』っぽく仕上がっていて違和感が無い。しかし、内部には[[グロック>グロック 17]]が''『そのまま入っている((もちろん構造上グロックのフレームは入っていないが、スライドと内部機構、マガジンなどはそのまま流用されている。))』''為、FMGの外観とコンセプトを受け継いだ全く別の銃と言える。
 似たコンセプトの銃として、1990年代にロシア・KBP設計局が開発した「PP-90」が存在する。こちらはFMGにより近いスタイルをしているが、使用弾薬を9mm×18マカロフ弾に改めている(([[9mmパラベラム弾]]仕様の「PP-92」も作られている。))ほか、折りたたみ式のサイトの追加や[[コッキング]]ハンドルの改良が行われている。ロシア内務省の特殊部隊向けに開発され、海外への輸出も行われており、このタイプのSMGでは最も成功したモデルである。

 2008年には、アメリカの[[マグプル>マグプル・インダストリーズ]]社が、「[[FMG-9>短機関銃/マグプル FMG-9]]」という同様のコンセプトの折り畳み式短機関銃を開発している。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[キノの旅]]|−|−|項目参照|
|[[ドールズフロントライン]]|−|−|項目参照|
|[[ロボコップ2>ロボコップ]]|−|−|項目参照|
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