#author("2022-03-24T12:44:47+09:00","default:user","user")
*ベルティエ小銃 / Fusil  Berthier  【小銃】 [#z9eee8e0]
#ref(Mle1916.png,center,nolink,60%, Mle1916)
|モデル |全長|銃身長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|~Mle1892|945mm|450mm|3.1kg|8mm×50R Lebel|3|フランス|
|~Mle1902|1,125mm|635mm|3.6kg|~|~|~|
|~Mle1907/15|1,306mm|803mm|3.8kg|~|~|~|
|~Mle1916(歩兵銃)|1,306mm|803mm|4.1kg|~|5|~|
|~Mle1916(騎兵銃)|945mm|450mm|3.2kg|~|~|~|
|~Mle1934|1,075mm|570mm|4.1kg|[[7.5mm×54>口径]]|5|~|

 ベルティエ小銃は、1890年頃にフランスで開発された[[ボルトアクション]][[ライフル>小銃]]のシリーズである。鉄道会社に所属していた技術者のアンドレ(もしくはエミール)・ベルティエが考案した案を基に開発が行われたことから、Fusil Berthier(仏:ベルティエ小銃)や、Mousqueton Berthier(仏:ベルティエ騎兵銃)などと呼ばれる。

 フランスで使用されていた[[ルベル小銃>小銃/ルベル M1886]]を補完することを目的として開発された。ルベル小銃は無煙火薬を使用する当時としては先進的な小銃であったが、チューブ式マガジンなど古い部分もあった。これに対し、ベルティエ小銃はクリップ式の給弾方式を採用するなどして克服を図った。
 主に騎兵や警察向け騎兵銃のModéle(Mle)1890、砲兵向け短小銃のMle1892が初期に開発された。その後仏領インドシナ兵向けに歩兵銃としてスケールアップしたMle1902、仏領だったセネガル兵向けに小改良を行ったMle1907が開発された。第一次世界大戦に際しては、簡略化したMle1907/15が開発され、後期には装弾数を5発に拡張しクリップ排出口の改良などを行ったMle1907/15 M16(Mle1916)歩兵銃および騎兵銃も開発された。その後は戦間期に使用弾薬を7.5mm×54弾に変更したMle1907/15 M34(Mle1934)が開発された。
 生産はサンテティエンヌ、シャテルロー造兵廠で行われたほか、フランスの民間企業やアメリカのレミントンでも行われた。

 使用する弾薬は、ルベル小銃と同じ8mm×50リムド弾である。後にフランス軍の正式弾薬が7.5mm×54弾となった際には、これに対応するモデルも開発された。
 給弾方式は、マンリッヒャー小銃などと同じ、クリップごと弾薬を装填するエンブロッククリップ式である。空クリップの排出はマガジン下部から行う。そこから汚れが内部に入り込むこともあったため、Mle1916では蓋が設けられた。トリガーガード前部にあるボタンを押下することで、クリップごと残弾を排出することも可能。また、7.5mm×54弾化の際にはストリッパークリップ方式に変更されている。
 [[マニュアルセイフティ>安全装置]]は存在しないため、安全な携行のためには薬室を空にする必要がある。
 
 フランス国内では、1890年から軍や警察で使われていた。初期はチューブ式マガジンのために短縮化が難しかったルベル小銃に代わり、Mle1874騎兵銃を置き換える形で使用されていた。第一次世界大戦以降では、歩兵銃としても広く使用されるようになった。第二次世界大戦時には新型の[[MAS-36>小銃/MAS Mle1936]]が開発されていたものの、フランス全軍での置き換えは未完了だったため、やはりベルティエ小銃も広く用いられていた。戦後は主に植民地の部隊や警察で用いられることになり、特に警察においては7.5mm×54弾にコンバートしたモデルが1960年代ごろまで使用されていた。
 国外においては、ギリシャやチェコスロバキア、スペインなどで使用されたとされる。また、第二次世界大戦中のドイツによるフランス占領時においては、ドイツ軍にGewehr241(f)の名前で使用されていた。

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|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[ロング・エンゲージメント]]|-|-|項目参照|
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