*クラッグ・ヨルゲンセン銃 / Krag-Jørgensen Rifle 【小銃】
#author("2024-04-04T13:08:43+09:00","default:user","user")
*クラッグ・ヨルゲンセン銃 / Krag-Jørgensen Rifle 【小銃】 [#i7bb3f1e]
#ref(Gevär försöksmodell 1892 Krag-Jörgensen Norge - Armémuseum.jpg,center,70%,クラッグ・ヨルゲンセン M1892 試作型)
|モデル|全長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|~M1889 (ライフル)|1328mm|4.27kg|8mm×58R|5|デンマーク|
|~M1889 (カービン)|1100mm|3.96kg|~|~|~|
|~M1892 (ライフル)|1244mm|4.22kg|.30-40 Krag|5|アメリカ|
|~M1892 (カービン)|1046mm|3.73kg|~|~|~|
|~M1894|1267mm|4.22kg|6.5mm×55|5|ノルウェー|
|~M1895, M1897|1016mm|3.37kg|~|~|~|
|~M1904, M1907|1016mm|3.78kg|~|~|~|

 クラッグ・ヨルゲンセン銃は、19世紀後半にノルウェーで開発された[[ボルトアクション]][[ライフル>小銃]]である。1886年、オーレ・ヘルマン・ヨハネス・クラッグとエリック・ヨルゲンセンの2人により設計された。最初はデンマークでライセンス生産され、M1889の名称で同軍に採用される。数年後、アメリカの[[スプリングフィールド造兵廠>スプリングフィールド]]でもライセンス生産され、開発国ノルウェーでも軍用モデルの製造が始まった。
 クラッグ・ヨルゲンセン銃は、19世紀後半にノルウェーで開発された[[ボルトアクション]][[ライフル>小銃]]である。1886年、オーレ・ヘルマン・ヨハネス・クラッグとエリック・ヨルゲンセンの2人により設計された。

 クラッグ・ヨルゲンセン銃はユニークな給弾機構を持つ。他の多くのボルトアクションライフルは、弾倉上部から[[クリップ]]を使って給弾するのが通常である。対するクラッグ・ヨルゲンセン銃は、弾倉の右側面が開き戸になっており、横から1発ずつ弾薬を入れる仕組みになっている。これはボルトを後退させずに給弾できるという利点がある。また、従来のクリップ給弾も可能。
 クラッグ・ヨルゲンセン銃は、[[弾倉>マガジン]]の右側面が開き戸になっており、横から1発ずつ[[弾薬]]を入れる仕組みになっている。これはボルトを後退させずに給弾できるという利点がある。
 様々な国で採用されたが、同時期に登場した[[マウザー]]式のライフルは[[クリップ]]によって5発を一度に給弾して弾倉をフル装填することが可能であり、以後こちらを模倣した銃の方が増えて行った。
 スイスやアメリカでは、軍用に試験的な「チャージャー」と呼ばれるクリップのように一度に給弾可能な給弾ケースも製作されたが、採用はされなかった。
 
 デンマークでは1889年に「Gevær M/89」の名称で採用され、1940年まで制式小銃として使用された。このモデルは開き戸が下方向ではなく前方向に開く点が特徴となっている。

***各種バリエーション
 アメリカでは1892年から1904年まで[[スプリングフィールド造兵廠>スプリングフィールド]]により約50万挺がライセンス生産されており、1899年から1902年の「フィリピン・アメリカ(米比)戦争」に投入されている。
 その後、フィリピンに創立されたフィリピン警察隊や第一次世界大戦の外征部隊でも、後継の[[スプリングフィールド M1903>小銃/スプリングフィールド M1903]]と共に使用された。
 
 1899年から1902年の第二次ボーア戦争(南アフリカ戦争)では、ボーア軍が大量に調達し使用した。
 
 本国ノルウェーでの採用が最も遅く、[[ステアー]]、[[マウザー]]式のライフルとのトライアルの末1894年に「M1894」として採用された。様々なバリエーションが作られ、特に当時ノルウェーでは、学校において''射撃が必修科目''であったため[[.22LR>口径]]を使用する授業用のカービンモデルも作られた。
 その一方で採用歴は本国が一番長く、第二次世界大戦の終戦後に大量に接収されたドイツ軍の[[Kar98K>小銃/マウザー Kar98K]]で置換される1959年まで使用された。
 これらのモデルは[[狩猟>猟銃]]や競技用としても払い下げられて広く流通しており、現在でも使用されている。

***各種バリエーション [#ace0312d]
|モデル|特徴|製造国|h
|~M1889|フルサイズ。[[カービン>騎兵銃]]及びショート(ライフルとカービンの中間サイズ)モデルもあり&br;軍用として製造された最初のクラッグ・ヨルゲンセン銃|デンマーク|
|~M1889 スナイパー|ヘビーバレルの[[狙撃銃]]モデル。狙撃用リアサイト装備|~|
|~M1889 スナイパー|ヘビーバレルの[[狙撃銃]]モデル。狙撃用[[リアサイト>照準器]]装備|~|
|~M1892|フルサイズ。カービンモデルもあり|アメリカ|
|~M1896|マガジンカットオフ機構追加。カービンモデルもあり|~|
|~M1896|[[マガジン]]カットオフ機構追加。カービンモデルもあり|~|
|~M1898|M1896の改良型。カービンモデルもあり|~|
|~M1899|M1898の改良型。カービンモデルもあり|~|
|~M1894|フルサイズ|ノルウェー|
|~M1895 キャバルリーカービン&br;M1897 マウンテン・アーティラリーカービン&br;M1897 エンジニアカービン|1898〜1906年に製造されたカービンモデル|~|
|~M1904 エンジニアカービン&br;M1907 フィールド・アーティラリーカービン|1906〜1908年に製造されたカービンモデル|~|
|~M1912 カービン&br;M1912/16 カービン&br;M1912/18 カービン|1913〜1926年に製造されたショートモデル|~|
|~M1923, M1925, M1930|狙撃銃モデル|~|
#br
|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|0012/捕虜収容所|ドラマ|ロバート・E・ホーガン|−|
|~|~|ヴィルヘルム・クリンク|~|
|~|~|ハンス・ゲオルグ・シュッツ|~|
|~|~|マルコ|~|
|0012/捕虜収容所|ドラマ|ロバート・E・ホーガン&br;ヴィルヘルム・クリンク&br;ハンス・ゲオルグ・シュッツ&br;マルコ|−|
|暁の討伐隊|映画|アメリカ軍兵士|−|
|アラバマ物語|映画|アティカス・フィンチ|−|
|風とライオン|映画|アメリカ軍兵士|アメリカ製&br;[[銃剣]]装着モデルもあり|
|[[キングコング]]|−|−|項目参照|
|三ばか大将|ドラマ|カーリー・ハワード|−|
|ターザンの黄金|映画|メドフォード|−|
|~|~|ファンデルメール|~|
|黄昏に燃えて|映画|アメリカ軍兵士|−|
|デス・ハント|映画|エドガー・ミレン|−|
|[[バトルフィールド V>Battlefield V]]|−|−|項目参照|
|[[レッド・デッド・リデンプション]]|−|−|項目参照|
#hr
CENTER:このページの画像は[[ウィキメディア・コモンズ>http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gev%C3%A4r_f%C3%B6rs%C3%B6ksmodell_1892_Krag-J%C3%B6rgensen_Norge_-_Arm%C3%A9museum.jpg]]から転載しています。
CENTER:転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。
#hr
----
#pcomment


トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS