重突撃銃 / Heavy Assault Rifle

 重突撃銃とは、弾薬を共通化した「アサルトライフル分隊支援火器の組み合わせ」は、歩兵用のライフルと支援用の機関銃を相互補完させるという考え方である。

 アサルトライフルが生み出された背景の一つには、使用弾薬を小型化して、輸送や補給をしやすくし、また多くの弾薬を持ち運ぶ兵士の疲労を軽減することがあった。結果5.56mm口径の軽量弾が一般化したが、これは同時に突撃時の火力が不足しがちになるという問題を生んだ。
 アメリカ軍では、これを解決するのに「M249」などの分隊支援火器を歩兵分隊に配備しているが、その運用には専門兵の教育が不可欠だった。それに対し、イギリス軍では、アサルトライフルをベースにしてヘビーバレルや二脚を標準装備した「重突撃銃」を採用している。
 エンフィールド L85を軽機関銃のように使うべき各部(堅牢・大型化、長銃身化)を強化したL86はLSW(軽支援火器)と呼ばれ、使い慣れた制式アサルトライフルと共通の部品が多いため使い方や整備方法などを改めて教育しなくてもいいよいう利点があった。教官は兵士に対し、L85とL86の変更点だけおしえればよい。全てが同じではないまでも、使い慣れた銃がベースになっていれば総合的な訓練時間も短縮できる計算だ。
 もちろん、性能面で専用設計型の分隊支援火器と比べた場合、重突撃銃側に分が悪いことは明らかである。簡易型とはいえ仮にも機関銃がベースである分隊支援火器に比べ、制圧火力の密度の濃さや、持続射撃時間の長さなど、重突撃銃は所詮「強化アサルトライフル」でしかない。
 しかしアメリカ軍のようにアサルトライフルと分隊支援火器という別カテゴリーの銃器を大量に、かつ途切れることなく生産・補給できるインフラが整備されていない(あるいはその必要を感じない)国や軍の場合、支援兵器として重突撃銃を採用するという選択も十分に意味があるというものだ。

 また、USSR AK74をベースにしたUSSR RPKも重突撃銃といえる。


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