| モデル | 全長 | 銃身長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
| MAS-49 | 1100mm | 580mm | 4.7kg | 7.5mm×54 French | 10+1 | S | フランス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| MAS-49/56 | 1020mm | 525mm | 4.1kg |
MAS Modèle1949(MAS-49)*1は1949年にフランスのサンテティエンヌ造兵廠で開発され、フランス軍に制式採用されたセミオートマチック自動小銃である。名称のMASは“Manufacture d'Armes de Saint-Étienne”の略で、サンテティエンヌ造兵廠製であることを示している。
第二次大戦後、フランス軍は自動小銃を求めていた。大戦終結に際し歩兵用の装備を拡充する必要があったのも一因だが、小火器開発の遅れを取り戻すという意図もあった。動作機構は戦前から、試作銃は戦中から存在しており、サンテティエンヌ造兵廠では“MAS-38/39”や“MAS-40”、少数ながらフランス軍にも導入された“MAS-44”等が開発されていた。このMAS-44を基に開発が進められ、1949年にMAS-49が完成し、1951年に量産が開始される。後、1957年にはアルジェリアやインドシナの戦訓を基に改良型の“MAS-49/56”が開発され、以降MAS-49より広く用いられるようになる。
MAS-49の作動方式はガス圧作動方式で、リュングマンAG m/42やM16で有名なガス直噴方式?を採用していた。同じ作動方式のM16がベトナムでの初陣でやらかす二十年近くも前の銃だったが、MAS-49は非常に堅牢で、多少清掃を怠ったくらいでは動作不良など起こさないほど信頼性が高かった。そのため兵士達からの評判も良く、仏領ギアナやジブチに駐留していた外人部隊や、アルジェリアそしてベトナムで戦闘に加わった部隊からの苦情は殆どなかったという。ボルトロッキング方式はFALなどのようなティルトロッキング方式(上下に浮き沈みしてロッキングする方式)を採用している。
弾薬は7.5mm×54弾を使用し、ダブルカラムの箱型マガジンに10発装填できる。このマガジンはレバーでの脱着が可能だったが、クリップ装填用のガイドが残されており、5発入りのクリップを二つ使った装填が主だった。最終弾発射後はマガジンフォロアーが干渉してボルトストップがかかる設計になっている。
アイアンサイトはフード付きのフロントサイトと、200m〜1200mの間で上下調節可能のピープ式リアサイトで構成されている。また、銃左側面にはフランスのAPX(SOM)スコープ(3.85倍)などを備え付けるためのマウントも備え付けられていた。セイフティはクロスボルトタイプで、トリガーガード前方の右側面に位置している。
改良型のMAS-49/56は主に短縮化を主体に行われ、銃身銃床共に短縮されている。その他にアイアンサイトを左右調整可能なものに変更することや、MAS-49には無かった着剣機構の追加、NATO標準のライフルグレネード発射用のフラッシュハイダーと照準器の装備が行われた。登場以降はMAS-49より長く使用され、生産数で10倍以上差を付けている*2。
フランス軍採用後、MAS-49は第一次インドシナ戦争やアルジェリア戦争、スエズ動乱など方々の戦争に参加し、その高い堅牢性をもって兵士達の信頼を勝ち得る。MAS-49/56が登場した後にはさらに広く用いられるようになり、シリアなど一部外国への輸出さえも行われた。こうして、MAS-49系列の銃たちは1979年までの間フランス歩兵の相棒であり続けた。
とはいえ、30年近くMAS-49系列が制式小銃であり続けた理由は自身のみにあるわけではない。“MAS-54”や“FA-MAS Type62”と言うような7.62mmNATO弾を使用する小銃が後継を狙って作られていたのだが、どれも満足のいく成果を残せなかったのである。1978年に5.56mmNATO弾を使用するFA-MASが採用されるまでMAS-49は制式小銃であり続けたうえ、FA-MASの初期型が問題を多数抱えていたため、MAS-49系列は1978年の生産終了後も1990年代までフランス軍に用いられ続けた。
フランス軍制式小銃の座を後継に譲り渡した後、いくつかのMAS-49/56はアメリカへ渡ることになる。センチュリーアームズによって7.62mmNATO弾仕様に改造された物が輸入されたのだが、上手く換装されていなかった固体が多くミスファイアが頻発したうえ、ガス作動系統が7.62mmNATO弾に適応していなかったため、ボルトキャリアーに過負荷がかかるという問題もあった。一方、本国フランスでも250丁ほどのMAS-49/56が7.62mmNATO弾仕様へ改造され、フランス警察へ納入された。流石は本家本元と言うべきか、こちらはセンチュリーアームズ製のような問題はほとんど無かったようだ。
| 登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
| 007 | − | − | 項目参照 |
| アルジェの戦い | 映画 | 仏軍兵士 FLNゲリラ | − |
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