ブッシュマスター M17S / Bushmaster M17S 【自動小銃】

ブッシュマスター M17S
全長重量口径装弾数発射形式製造国
760mm3.7kg5.56mm×4530Sアメリカ

 M17Sは、1992年から2005年まで製造されていたブルパップセミオートライフルである。
 開発経緯は、1980年代に行われたオーストラリア陸軍の新型歩兵銃トライアルまで遡る。トライアルに参加した同国メーカーのアームテック社は、5.56mm弾を使用するC60Rと、ケースレス弾を使用するC30Rの2つの試作銃を開発する。しかし、急造したC30Rは、デモンストレーションにおいて装填動作中の暴発事故を起こしてしまう。結局、トライアルに勝利したのはオーストリア製のステアー AUGで、F88の名称で制式採用が決定された。
 1990年代にアームテック社は倒産し、C60Rの製造権は同国メーカーのエデンパイン社に売却される。エデンパイン社はC60Rを改良し、ART-30とSAK-30という試作銃を開発。これらの銃は、部品の幾つかをAR15系で代用していたが、M17Sではコスト削減のため、バルメ製の部品を使用している。アメリカ市場を視野に入れたエデンパイン社は、輸入制限を回避する目的で、現地の製造メーカーであるブッシュマスター社とのライセンス契約を結ぶ。1992年からエデンパイン・ブランドでの販売が始まったが、1994年にエデンパイン社が倒産。M17Sに関する全ての権利はブッシュマスター社に移り、以降はブッシュマスター・ブランドで販売が行われた。

 内部構造はオーストラリアのリーダーダイナミクス製 T2アサルトライフルのものを流用しており、ピストルグリップ部を前方に移植することでブルパップ化している(正確には、M17Sの前身となったART-30の特徴)。作動方式はショートストローク・ガスピストン式で、閉鎖機構はロータリーボルト式。キャリングハンドル後部がチャージングハンドルになっているという珍しい構造をしている。グリップ上部のプッシュボタン式セイフティや、レシーバー上部のチャージングハンドルはアンビ仕様なのだが、排莢口は右側のみである。キャリングハンドル上部には、ウィーバースタイルのマウントレールを搭載している。弾倉はM16互換のものを使用。

 アメリカ市場でのM17Sの人気は伸び悩み、結局ブッシュマスター社は、アメリカ人好みのM16系クローンの製造・販売を手掛けるようになる。

登場作品ジャンル使用者備考
冷たい雨に撃て、約束の銃弾を映画チュウスコープ装着
デッド・オア・アライブ/監獄の街映画ジョー・レイサプレッサー装着
スコープ装着

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • imfdbにはフルオートもあるという記述があります -- 2012-07-08 (日) 12:11:55
  • 一昨年にK&M Armsがレール付きのモデル(5.56mm、.300BLK、6.5mmグレンデル、.308win)を販売している模様。 -- 2016-05-23 (月) 07:16:29
  • K&M Arms社のを本文に追加。いやはや、コンペ落ちの日の光を見ない銃だと思ってたけど作る所は作るんだね。どうも数少ない合衆国製のブルパップ銃という事で少しはウケている模様。というかコイツ、テイクダウンした時の様が異様だな。 -- 2016-05-23 (月) 17:22:25
  • あとK&M ArmsのM17S、M16A2のようにケースディフレクターを排莢口に追加して薬莢を右前方に飛ばす事で、排莢口が右側なままだけれど左撃ちが出来ない事もないようになってますね。実際に左撃ちしてる動画もありました。 -- 2016-05-23 (月) 17:28:08
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