*CZE CZ22 【自動拳銃】
#ref(CZ-24-1937-left-side.jpg,center,50%,CZ24)
|モデル|銃身長|全長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|~CZ22|~3.4in|155mm|634g|[[.380 ACP>口径#AutoAmmo]]|8+1|チェコスロバキア|
|~CZ24|~3.56in|160mm|680g|~|~|~|
|~CZ27|~3.9in|155mm|670g|[[.32 ACP>口径#AutoAmmo]]|8/9+1|~|

　CZ22(Vz.22)は、[[旧チェコスロバキアの国営銃器工場>CZ]]が戦間期の1921〜1924年に製造していた、[[シングルアクション]]式の[[自動拳銃]]である。改良モデルのCZ24とCZ27を含め、同国軍が制式採用していたことで知られる。
　ベースとなっているのは、ドイツの[[マウザー]]社で働いていたオーストリア人銃器デザイナーのジョセフ・ニクルが設計した[[M1914 ポケットピストル>自動拳銃/マウザー M1910]]の改良モデル。

　[[シンプルブローバック>ブローバック]]/[[ストライカー>ストライカー システム]]方式/オープントップスライドだったM1914とは異なり、CZ22では[[ショートリコイル]]/ロータリーバレル閉鎖方式/フルカバースライド/頂部を除くほぼ全体がスライドに隠れた[[ハンマー]]方式、に変更されている。トリガー左側後部に[[マニュアルセイフティ>安全装置]](その下には解除用ボタン)があり、これはベースとなったM1914と構造は変わらない。[[スライドストップ]]機能はあるが、手動のリリースレバーは無い。弾倉を引き抜くとスライドストップが解除される構造になっているので、再装填の際にはスライドを毎回引く必要がある。グリップ底部には[[マガジンリリースレバー>マガジンキャッチ]]とランヤードリングを備える。グリップパネルは背面を覆う一体型で、木製とプラスチック製の2種類。フレーム左側にはスライドを固定するロックピンがあり、分解時にはこのピンを引き抜く。
#ref(CZ_vz_27.JPG,right,around,35%,CZ27)
　ニクルが設計した試作モデルは、マウザー社では民間用としては製造されなかったが、そのパテントはヨーロッパ各国やアメリカへ売りに出されている。チェコスロバキアはそのパテントを購入した国のひとつで、ブルーノ造兵廠による手直しを経て、1920年に初の国産自動拳銃を開発する。しかし、運用テストにおいて不具合が判明し、製造コストも高かったため、その後も改良作業が続けられた。1922年、多くの改良(強化バレル、強化スライド、外装式エキストラクター、[[アイアンサイト>オープンサイト]]/ハンマー/ファイアリングピンの変更)が施された本銃は"Vz.22"の名称が与えられ、同国軍に制式採用されている。

　1924年には、CZの銃器デザイナーであるフランチシェク・ミスカが、改良モデルの''「CZ24」''を開発する。外観上の違いとしては、スライド先端から少し飛び出た銃身、ストレートタイプだったグリップ背面を握りやすいラウンドタイプに変更、などが挙げられる。また、マガジンセイフティ機能が追加された。
　このモデルは"Vz.24"の名称が与えられ、同国軍に制式採用されている。1925〜1938年の間に189,000挺が製造された。ヨーロッパ各国やアメリカへ輸出された他、第二次世界大戦直前に起きたナチス・ドイツによるチェコスロバキア解体の際には、ドイツ軍も少数ながら使用している。

　1926年には、同じくミスカの設計により、作動方式をシンプルブローバックに変更し、使用弾薬を[[.32ACP弾]]に改めた''「CZ27」''が開発された。これは、ニクルのオリジナルモデルでは[[9mmパラベラム弾]]を標準の使用弾薬としていたところを、CZ22とCZ24では同弾薬のショート版である[[.380ACP弾]]に変更したため、ロータリーバレルでの作動に不調が多かったことに起因する。細かな変更点としては、[[スライドセレーション>セレーション]]の角度が斜めから垂直になっている。装弾数を1発分増やしたロンググリップフレーム、[[サプレッサー>減音器]]装着用のロングバレル、[[ホルスター]]兼用[[ショルダーストック>ストック]]なども用意されている。
　このモデルは"Vz.27"の名称が与えられ同国の軍・警察に制式採用された他、海外への輸出も盛んに行われた。前述のナチス・ドイツによる占領の際には、ドイツ軍も"P27(t)"(((t)は、ドイツ語でチェコスロバキアを意味する"Tschechoslowakei"の頭文字。))の名称で本銃を使用している。1927〜1955年の間に650,000挺が製造され、[[CZ75>CZE Cz75]]が登場するまではチェコスロバキア製で最も成功したピストルと評されていた。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|30 prípadu majora Zemana|TVドラマ|ヤン・ゼーマン|CZ27|
|~|~|ジュラ|~|
|~|~|エダ|~|
|~|~|リチャード|~|
|~|~|ジャーダ・ボザーク|~|
|Byl jednou jeden dům|TVドラマ|ジョセフ・ホフマン|CZ27&br;シーズン1・第4話|
|Chod a nelúc sa|映画|ルドヴィット・クコレリ|CZ27|
|~|~|トゥゴス|~|
|~|~|ジュリア・カフィコヴァ|~|
|Čtyři vraždy stačí, drahoušku|映画|ギャング|CZ27&br;[[サプレッサー>減音器]]装着|
|Cu mâinile curate|映画|ステファン・パトゥレア|CZ27|
|Habermann|映画|簿記係のホーラ|CZ27|
|Horká zima|映画|カレル|CZ27|
|~|~|警備員|~|
|Hra bez pravidel|映画|マレク|CZ27|
|~|~|ブリアン|~|
|~|~|リテラ|~|
|~|~|ペピ|~|
|Hrísní lidé mesta prazského|TVドラマ|ボーズ|CZ27|
|~|~|ブルゼク|~|
|La pacifista|映画|セルゲイ・エイブラモフ|CZ27|
|~|~|バーバラ|~|
|~|~|ストレンジャー|~|
|Neporazení|映画|リヒター|CZ27|
|Osmiyat|映画|ゲテフ大佐|CZ27&br;ゲテフ大佐は[[ホルスター]]に携行|
|~|~|チャップリン|~|
|Osvobození Prahy|映画|下士官|CZ27|
|Partie krásného dragouna|映画|ボーズ|CZ27|
|Pěnička a Paraplíčko|映画|ブルザーク|CZ27|
|~|~|ボーズ|~|
|Sedím na konári a je mi dobre|映画|ゼルミラ|CZ27|
|Šepkajúci fantóm|映画|ムラジク|CZ27|
|~|~|ベルコ・ミクース|~|
|Террористка Иванова|TVドラマ|ミハエル・ジェナディヴィッチ|CZ27|
|~|~|セルゲイヴィッチ・ムラヴォフ|~|
|Транссибирский экспресс|映画|イシドー|CZ27|
|~|~|シュナイダー|~|
|Ve stínu|映画|ハーク刑事|CZ27|
|~|~|フォール|~|
|~|~|警備兵|~|
|[[シンドラーのリスト]]|−|−|項目参照|
|スパイ大作戦|TVドラマ|ローリン・ハンド|CZ27&br;シーズン1・第13話|
|~|~|ミゲル・ド・ラモス|~|
|ダーティ・ヒーロー/地獄の勇者たち|映画|ゲシュタポ|CZ27|
|チェーンヒート2|映画|フランクリン・ゴフ|CZ27|
|裸のランチ|映画|ビル・リー|CZ27|
|発情アニマル|映画|ジェニファー・ヒル|CZ27|
|引き裂かれたカーテン|映画|農場の妻|CZ27&br;グロメクが落としたものを拾う|
|[[ミラーズ・クロッシング]]|−|−|項目参照|
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CENTER:このページの画像は[[ウィキメディア>https://commons.wikimedia.org/wiki/File:CZ-24-1937-left-side.jpg]]・[[コモンズ>https://commons.wikimedia.org/wiki/File:CZ_vz_27.JPG]]から転載しています。
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