自衛隊 / JSDF:Japan Self-Defense Forces

 日本国憲法第九条により攻撃はあくまでも専守防衛、つまり正当防衛によってでないと出来ない、特殊な国防軍事組織。
 陸軍に相当する陸上自衛隊、海軍に相当する海上自衛隊、空軍に相当する航空自衛隊の3つがあり、それぞれに幹部養成学校(士官学校のようなもの)が存在している。また、組織の最高司令官たる地位と権限は内閣総理大臣が持つ。
 現在の組織人員数は約28万人であり、徴兵制ではなく志願制を取る。
 純然たる軍人兵士という立場ではなく、あくまでも身分は公安職の公務員という立場であるため、仮に犯罪行為に手を染めると、規律保持と犯罪行為の防止が任務の憲兵隊ではなく、警察によって身柄を拘束されて法的に罰せられる(よって、他国のような軍法会議が存在しない)。そのために「自分達はどういう存在か」という疑問を持つ者も少なくはないが、“仕事”に関しては一級品である。
 階級も通常の軍と違い陸士や陸曹など独自の物が使われている*1

 アメリカ軍の意向が反映されているのか、特に海軍戦闘能力、いわゆる制海能力が突出して高いが、陸戦能力と制空戦力は決して高いとは言えないのが実情である。
 その証拠に海上自衛隊の作戦遂行能力は世界有数であるが、逆に陸戦能力は正規軍どうしの正面戦闘という旧来の形態が未だに残っている(但し、現状正面戦闘(正規戦)から、主力を特殊戦闘(非正規戦、対テロ/ゲリコマ)に変更した軍の方が遥かに少ない為、一概には責められない。ただし、日本が島国である以上、正規戦より非正規戦の方が起こり易いのは確か)。
 航空自衛隊においては主力である要撃戦闘機F-15J/DJの99式空対空誘導弾(AAM-4)アクティブレーダー誘導ミサイル運用能力付与を始めとした更なる近代化と、多彩な兵装バリエーションを有する次世代の支援戦闘機の導入が望まれる。現在の主力支援戦闘機(戦闘攻撃機)であるF-2はペイロードは大きいが、精密誘導対地兵装がJDAMに限定されている為だ。現在は、F-4EJ改ファントムの後継として、アメリカのステルス戦闘攻撃機であるF-35ライトニングIIの採用が決定している*2*3
 しかしその一方で、空自のAWACS/AEWの運用やバッジシステムの構築など早期警戒と管制能力は非常に高く、これは現代戦において単純な装備の優劣以上の意味を持つ。そのため「制空能力」という総合的な能力を見た場合、航空自衛隊の能力は高いといって差し支えないだろう。
 更に、現在、北朝鮮危機を踏まえ、スタンドオフ戦闘能力(敵基地攻撃能力の一環)に関しても研究されている。

 国防組織とは言っても、特殊戦闘技術体得には消極的であったが、周辺諸国や国際的な事情(9.11テロなどのテロ攻撃)などの変化に伴う自衛隊そのもの組織改変が行われた。これにより、陸自には特殊作戦群(アメリカ陸軍のグリーンベレー、あるいはデルタフォースに相当)と、南方海域での作戦を主任務とする西部方面普通科連隊が、海自にはSBU*4が、そして空自にはレーダー基地警備や破壊工作阻止にあたる空軍特殊部隊というべき『基地警備教導隊』が設置され、一部の部隊は作戦に投入されて稼動中である。
 海外派遣は憲法や法的な拘束が原因で不可能であったが、2003年末から5年間、イラク南部ムサンナ州のサマワに600人の復興支援部隊が展開された。この部隊はPKO活動に伴う派遣ではない部隊派遣であり、これまでとは比較対象にならない程の重武装をしている。2006年8月ごろには、これらの復興支援部隊の地上部隊は撤退が既に完了。2008年12月には、空自も活動を終え、撤退した。現在では、国連決議によるソマリア沖の海賊対策(及び、シーレーンの安全確保)の為、アメリカ、ロシア、EU、中国が共同して駆逐艦を派遣するなかで、海上自衛隊の護衛艦と哨戒機も派遣された。

 そしてその流れにより内閣府の外局である防衛庁を独立した中央省庁である、防衛省への格上げを可能とする法案が2006年11月下旬に与党と民主党の賛成多数で可決されて衆院を通過、12月に参院での審議が行われて、賛成多数で可決・成立し、2007年1月9日、防衛庁は、防衛省に昇格した。

歴史

月日組織備考
19508月14日警察予備隊GHQ指令に基づくポツダム政令により組織
19524月26日海上警備隊海上保安庁法の改正により組織
8月1日保安庁
警備隊
警察予備隊の管理運営のため設置
海上保安庁から保安庁に移管されると共に海上警備隊から改称
10月15日保安隊警察予備隊から改称
19547月1日防衛庁
陸上自衛隊
海上自衛隊
航空自衛隊
防衛庁設置法の施行により保安庁を前身として組織
自衛隊法の施行により保安隊を前身として組織
自衛隊法の施行により警備隊を前身として組織
自衛隊法の施行により新規に組織
20071月9日防衛省
陸上自衛隊
海上自衛隊
航空自衛隊
防衛庁から昇格
自衛隊法の改正で、海外派遣が本来任務に格上げされる

装備変遷

年代歩兵銃拳銃短機関銃機関銃擲弾発射器対戦車火器対空誘導弾その他
19507.62mm小銃M111.4mmけん銃11.4mm短機関銃M312.7mm重機関銃M9
1962vvv62式7.62mm機関銃v
196464式7.62mm小銃vvvv
1979vvvv84mm無反動砲携帯式地対空誘導弾スティンガ
1982v9mmけん銃vvヒューズ TOWv
198989式5.56mm小銃vvvvv
1990vvvv110mm個人携帯対戦車榴弾v
1991v9mm機関けん銃9mm機関けん銃vv91式携帯地対空誘導弾
1995vvv5.56mm機関銃 MINIMIvv
1996vvvv96式40mm自動てき弾銃vv
2001vvvvv01式軽対戦車誘導弾v
2002vvvvvvv対人狙撃銃
2006vvvv06式小銃てき弾(小銃榴弾)vvv
現行89式小銃
64式小銃
7.62mm小銃M1
9mm拳銃
9mm機関拳銃
11.4mm短機関銃M3
9mm機関拳銃
5.56mm機関銃 MINIMI
62式7.62mm機関銃
12.7mm重機関銃
96式40mm自動てき弾銃
06式小銃てき弾
84mm無反動砲
110mm個人携帯対戦車榴弾
ヒューズ TOW
01式軽対戦車誘導弾
携帯式地対空誘導弾スティンガ
91式携帯地対空誘導弾
対人狙撃銃
対物狙撃銃(採用されるとの情報がある模様)
携帯放射器
GE M61(空自、海自用)
ベネリ M3(海自用)

 特殊作戦群やSBU等の一部部隊では上表の装備に加えてM4A1*5MSG90高性能機関拳銃レミントン M870、レイルドフレーム付のシグザウエル P226*6等の特殊作戦に特化した装備が導入されている。

  1. ■在籍/出身の人物(実在)
    板垣 恵介(漫画家)
    今井 雅之(俳優・故人)
    志方 俊之(軍事評論家/大学教授)
    高杉 俊介(俳優)
    武田 テキサス(芸人)
    円谷 幸吉(陸上競技選手・東京オリンピック銅メダリスト・故人)
    武 論尊(漫画原作者)
    福島 和可菜(タレント)
    本宮 ひろ志(漫画家)
  1. ■在籍/出身の人物(架空)
    登場作品ジャンル人物名備考
    Op.ローズダスト小説古森 和尋 一等陸佐
    羽住 克広 一等陸尉
    丹原 朋希 三等陸曹
    ZIG World Can't Allrow Teller?漫画桐生 甚吾
    暗殺教室漫画烏間 惟臣
    ガールズ&パンツァーアニメ蝶野 亜美 一等陸尉
    ガメラ2 レギオン襲来映画渡良瀬 佑介 二等陸佐
    グラップラー刃牙漫画ガイア(ノムラ)"最強の精鋭部隊"の隊長
    ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり小説伊丹 耀司 二等陸尉
    桑原 惣一郎 陸曹長
    倉田 武雄 三等陸曹
    黒川 二等陸曹
    栗林 志乃
    富田 章
    古田 均
    仁科 一等陸曹
    戸津
    勝本 三等陸曹
    笹川 陸士長
    檜垣 三等陸佐
    狭間 陸将
    柳田 二等陸尉
    健軍 一等陸佐
    用賀 二等陸佐
    竜崎 二等陸佐
    ゴルゴタ小説真田 聖人 一等陸尉
    古馬 里香 二等陸尉
    日下部 啓介 一等陸佐
    サイレン2ゲーム一藤 二孝 一等陸佐連隊長*7
    沖田 宏 二等陸曹
    永井 頼人 陸士長
    三沢 岳明 三等陸佐
    サイレントコアシリーズ小説音無 誠二 二等陸佐
    土門 康一 三等陸佐
    司馬 光 三等陸佐
    田口 芯太 士長
    御堂 走馬 士長『死に至る街』
    比嘉 博美 一士
    サマーウォーズアニメ陣内 理一
    ジパング漫画梅津 三郎 一等海佐艦長
    尾栗 康平 三等海佐航海長
    角松 洋介 二等海佐副長
    菊池 雅行 三等海佐砲雷長
    バトルシップ映画ナガタ 一等海佐
    亡国のイージス小説仙石 恒史 海曹長先任伍長
    如月 行 一等海士
    宮津 弘隆 二等海佐
    竹中 勇 三等海佐
    風間 雄大 三等海尉
    メタルギアソリッド ピースウォーカー
    メタルギアソリッドV
    ゲームカズヒラ・ミラー
    タフ漫画佐渡 一等空曹

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 先日発生した交番襲撃事件の犯人、島津慧大容疑者は自衛隊出身だそうです。
    自衛隊出身者の欄に書くべきではないでしょうか。 -- 2018-07-03 (火) 07:31:01
  • 島津一人を特別に記載する必要は無いでしょう -- 2018-07-03 (火) 23:21:49
  • 何故ですか?
    彼もまた元自衛官の一人ですよ。 -- 2018-07-03 (火) 23:58:25
  • 彼一人だけを追記する理由は無いですし、ここは犯罪者データベースでもありません -- 2018-07-04 (水) 00:43:29
  • ところでAAV7用のM240の生産状況ってどこかで確認する方法無いですか?
    普通科にも降りてこないか気が気でないのです。 -- 2018-07-04 (水) 01:18:04
  • ↑2 犯罪者だからって載せないというのもどうかと思います。
    差別的じゃないですか。 -- 2018-07-04 (水) 05:58:54
  • ↑のコメントを管理人の方は削除お願いします -- 2018-07-04 (水) 15:29:37
  • ↑2 載せてどうすんだ?
    どうせ平和を愛する市民連中が『自衛隊は人殺し!』的なコメントするための足掛かりにするんだろうけど。 -- 2018-07-04 (水) 22:10:11
  • 事件起こした自衛官なんていくらでもいるのに何故島津一人を加えなきゃいけないのよ -- 2018-11-15 (木) 20:02:08
  • 馬鹿の戯言に付き合わなくてよろしい。どうせ自分で編集気力も能力も無いんだから。 -- 2018-11-15 (木) 21:34:33
お名前:

*1 アニメでは自衛隊階級が使用される組織もある。「魔法少女リリカルなのはStrikers(時空管理局)」、「タクティカルロア(HARUNICO警備保障)」、「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ(オーブ国防軍)」「新世紀エヴァンゲリオン(国際連合直轄特務機関NERV)」など。
*2 空軍型のF-35A。海兵隊型のVTOL機であるF-35B、海軍の艦載機であるF-35Cとは違い、通常離着陸機。また、海上自衛隊の『ひゅうが』型ヘリ搭載護衛艦(実質的なヘリ空母)に関しても、設計時点から固定翼のVTOLジェット機の運用は想定されていない。
*3 他の候補としては、アメリカ製のF/A-18E/Fスーパーホーネット、同じくF-15FX(F-15Eストライクイーグルの改良・派生型。F-15SEサイレントイーグルというステルス機能強化型も提案されつつある)、英独伊西協同開発のユーロファイター2000タイフーンがあった。尚、アメリカのF-22ラプター(ステルス機)に関しては、生産打ち切り見込みが米国防総省から発表されるまで、第一候補であった。
*4 あるいはSGTともいう。
*5 装備が公表されているわけではないものの、2007年7月に小銃部品(Eotech社製光学サイト)の不法輸入事件で起訴された飯柴智亮・米陸軍大尉の証言により特殊作戦群での運用が明らかになった。
*6 2007年6月28日のSBUの公開訓練でタクティカルライト付のモデルが使用が確認されている。
*7 三沢の上官である事と設定年齢、自衛隊員屍人の独り言から推測

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