*散弾銃 / Shotgun [#rec28c68]
 筒状の薬莢内に弾丸(鉛玉)が数個〜数百個納められた「散弾」を使う銃の総称。対象や目的に応じた[[さまざまな弾種>散弾銃の弾薬]]がある。
 発射と同時に散弾から発射された弾丸は広範囲に拡散するため(拡散しない物も有るが)射角が広く、目標への命中率が高い。また、至近距離での破壊力は[[拳銃]]弾・[[小銃]]弾と比べて桁外れである。
 ただし初速が低いことから、遠距離においては拡散した弾丸のうち数個が目標に当たった程度では十分な殺傷能力を発揮できないことが多い。そのため、対人用としては専ら[[小銃]]が幅を利かし、散弾銃は狩猟用としてポピュラーな存在となっていった。
 筒状の薬莢(ショットシェル)内に弾丸(ペレット)が数個〜数百個納められた「散弾」を使う銃の総称。対象や目的に応じた[[さまざまな弾種>散弾銃の弾薬]]がある。
 通常、発射された散弾は広範囲に拡散するため、多少の目見当でも命中させることできる。初速が低くペレット一発一発の威力は大きくはないため、ペレットの小さなバードショットは暴徒鎮圧にも使われてきた。いっぽう至近距離で命中すると、拡散し切らないうちに大量の弾丸を集中して浴びせることになるため、対象は激しい破壊痕、または凄惨な銃創を残すことになる。

 しかし第一次大戦が始まると、アメリカ軍によって対人火器として持ち込まれた散弾銃が塹壕内の近接戦闘で威力を発揮し、兵士たちには酷く恐れられた。その残虐性(被弾すると治療の施しようがなく、激しい苦痛を伴うこと)から、一般的には[[ハーグ陸戦条約]]の「不必要ノ苦痛ヲ与フヘキ兵器、投射物其ノ他ノ物質」に該当するとされている。その為、第一次大戦時ドイツ軍は「トレンチガン(散弾銃)を持った敵兵を捕虜にしたらその場で射殺しても構わない」とし、ショットガンナーは悪い意味で狙撃手同等の扱いを受けた。
 また、当時のドイツ軍は散弾銃をハーグ協定違反としてアメリカを訴えている。しかしアメリカ側の反論が通ったため、それが受け入れられることはなかった((他方、ドイツ軍の方こそ、ハーグ協定で禁止されている「毒、または毒を施した兵器(毒ガス等)の使用」という項目に違反していた。))。主張の通ったアメリカは、その後も第二次大戦やベトナム戦争でも、制式火器として散弾銃を使い続けている。構造が単純で故障も少ないということも、アメリカ軍が散弾銃を使用し続ける理由の一つである。
 散弾銃は主に狩猟用や競技用としてポピュラーで、とくにヨーロッパでは、散弾銃は対人殺傷用としてはあまり扱われない。
 しかし、無法地帯の代名詞のように云われる西部開拓時代を経験してきたアメリカでは、開拓民と無法者双方で対人用に使われていた。米比戦争以来、戦場に散弾銃を持ち込んできたのもアメリカである。
 第一次世界大戦が始まると、アメリカ軍によって制式火器として持ち込まれた散弾銃が、塹壕内の近接戦闘で威力を発揮した。被弾すると治療の施しようがなく、激しい苦痛を伴う残虐性から、兵士たちには酷く恐れられた。その為、ドイツ軍は「トレンチガン(散弾銃)を持った敵兵を捕虜にしたらその場で射殺しても構わない」とし、同時に[[ハーグ陸戦条約]]の「不必要ノ苦痛ヲ与フヘキ兵器、投射物其ノ他ノ物質」の項目をタテに、散弾銃をハーグ協定違反としてアメリカを訴えている。
 しかし元々ハーグ協定に反して毒ガスを使用していたドイツの言い分でもあった故、協定違反に当たらないとするアメリカ側の反論が通り、その訴えが受け入れられることはなかった。主張の通ったアメリカは、現在に至るまで制式火器として散弾銃を使い続けている。

 現在でもその制圧力から世界各国の軍や警察などの治安組織が装備し、命中率の高さから狩猟やクレー射撃用として民間にも広く普及している。
 またアメリカのアクション映画、特に警察をモチーフとした作品ではごく当然のようにに登場し、銃撃戦のシーンで大暴れする。が、実際には室内に突入する際に第一の障害となるドアのヒンジや鍵を破壊するために使われることが多く(実際にヒンジを壊されたドアは、たとえ精巧な鍵をかけていても大きな木の板か鉄板に同じである)、実際に撃ち合いに使用されることはないに等しい。現在では警察車両に搭載される高威力武器の座を[[M16>コルト AR15]]に明け渡す機会が多くなっているようだ(ただし特殊部隊などでは[[突撃銃]]の下にマスターキーと呼ばれるショットガンをつけていることもある)。
 散弾銃は、威力や使い勝手の異なるさまざまな弾種が扱えることから、各国の警察組織でも採用されている。対象の制圧(殺傷)よりも、威圧効果や、暴徒鎮圧用に非致死性(ノンリーサル)ゴム弾を使用したり、ドアブリーチ(屋内突入時にドアのヒンジやロックを破壊すること)を行うためである。アメリカ軍では、ドアブリーチ用に小銃の銃身下に装着して使う[[ソードオフ]]散弾銃「マスターキー」を開発、採用している。


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