削り出し加工 / Mill working

 その名の通り、金属のブロックを切削工具と呼ばれる刃物で削って、各部品を成型していく加工法。
 強度のある部品を確実に製作できるので、銃器類の製造では古くから応用されてきた。この方法で製作された銃器は耐久性に優れるため、FN FALAK47など、生産終了後も長く現役で使われる物も少なくない。また、チタンなど『曲げ』がほとんど不可能な硬い素材でも用いられることもある。その反面、部品の軽量化の面からは不利であり、また製造工程が多くなるため、必然的に手間もコストもかかってしまう。
 しかし1960年代頃からはCNC(コンピュータ数値制御)によるNC旋盤や、更にそれを発展させたマシニングセンタが登場し、それまでと比べて精度の高い部品が大量に作れるようになり省力化・コストダウンが可能となった。特に現在のCNCマシンによる切削加工は、非常に高精度なパーツが成型可能であるため、精度の求められる機関部品の製作に今も欠かせない加工手段となっている。近年では、プレス加工した部品に更に削り出し加工を行う「フォージング加工」も登場している。
 各銃器メーカーで使われるこうした切削マシンには、工作機械の世界シェアトップである、日本のヤマザキマザックのマシンが知られる。
 ところで、CNCマシンにも限界があるようで、戦後生産されたワルサー P1は、基となった設計が戦後のオートメーション切削マシンをさすがに考慮していなかったことから、なかなかコストを抑えられず苦労したと言われる。


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  • NCはNumerical Control=数値制御の略では? -- 潤風満帆? 2006-09-23 (土) 17:00:36
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