*88式通用機槍 【軽機関銃】
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*QJY-88 / 88式通用機槍 【軽機関銃】 [#nb3e2ca8]
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|全長(三脚装備時)|銃身長|重量(三脚装備時)|口径|装弾数|連射速度(持続射撃時)|製造国|h
|1,151mm(1,321mm)|600mm|7.6kg(11.8kg)|5.8mm×42|200|650〜700発/分 (300発/分)|中国|

 88式通用機槍(QJY-88)は[[中国北方工業公司]]が開発した[[軽機関銃]]である。
 1980年代末、中国軍は制式弾薬を独自開発の5.8mm×42弾に更新し、それまで[[ソ連>USSR]]由来の[[7.62mm×39弾>7.62mm x39弾]]と7.62mm×54R弾の二系統だった小火器用弾薬の一本化を図った。これは兵站の効率化と兵士一人が携行可能な弾薬量の増加を狙ったものだった。そこで新弾薬である5.8mm弾仕様の[[汎用機関銃>GPMG]]として新たに開発されたのが本銃である。
 88式通用機槍(QJY-88)は[[国営356廠(雲南西儀廠)>中国南方工業集団公司]]が開発した[[汎用機関銃>GPMG]]である。

 作動方式はロングストロークピストンの[[ガス圧利用方式>ガスオペレーション]]で、閉鎖方式はターンボルトロッキング。銃身と機関部はクロームメッキが施され、銃身寿命はおおよそ25,000発程度。一部部品にアルミ合金や強化プラスチックを使用することで軽量化を図っている。備え付けの[[二脚>バイポッド]]を用いれば軽機関銃として、三脚に据え付けて重機関銃として、仰角射撃用の三脚に固定すれば対空機銃として各々使用することができた。照準器は固定の[[アイアンサイト>オープンサイト]]のほかに、[[スコープ]]や[[赤外線スコープ>暗視装置]]が装着できた。

 1988年に開発が始まった本銃は、中国初めての独自設計の軽機関銃である、67式通用機槍の代替となることが求められた。とはいえ、67式は7.62mm×54R弾を使用する威力・射程共に申し分ない汎用機関銃であり、威力・射程共に劣る小口径の5.8mm×42弾仕様の軽機関銃で完全に代替することは非常に困難だった。
 結局、開発陣は5.8mm×42弾を強力な機関銃用弾薬に改修し、小銃弾とは別途用意することで解決を図った。このDVP88機関銃用弾は、薬莢寸法はそのままに、弾丸の長さを4mm伸ばして重量を増し、内部のスチールコアを先端寄りに改めたもので、テストでは7.62mm×54R弾に迫る性能を発揮したとされる。これにより、本銃は一応小銃との弾薬の共用化を実現したが、機関銃用のDVP88を小銃に使用すると銃身劣化は早まり、逆に小銃用の5.8mm×42弾を本銃に使用すると要求仕様に満たないという問題は残った。このため、後の2000年代半ばには、完全な弾薬共用化を図った新型弾DBP10が開発されている。
 1980年代末、[[ミニミ>FN ミニミ]]で代表されるように西側諸国で中口径軽機関銃を[[突撃銃]]用弾薬を使用する小口径軽機関銃で置き換えて歩兵用弾薬の種類を統合する流れの中、中国軍においても当時に独自開発中であった5.8mm口径の新型突撃銃用小銃弾を使用する汎用機関銃を開発する事とした。
 1988年に開発が始まった本銃は、中国が初めて独自設計した汎用機関銃である67式通用機槍の代替となることが求められた。この67式は7.62mm×54R弾を使用しており、通常弾の威力と射程に加えて徹甲焼夷弾などの強力な弾種も揃えており、口径の小さな5.8mm弾で完全に代替することは非常に困難だった。
 このため、開発チームは5.8mm弾に[[突撃銃]]用の通常弾と共用性を残しつつ更に威力と射程を強化した機関銃用弾薬を開発する事で解決を図った。こうして5.8mm弾は5.8mm×42弾として突撃銃用にはDBP87を始めとする普通弾が、機関銃や[[狙撃銃]]用にはDVP88を始めとして弾頭重量が重い事に因む重弾が採用された。これら重弾は普通弾と薬莢寸法や全長はそのままに共用性を残しつつ、弾丸の長さを伸ばして重量を増し、内部のスチールコアを大型化させて貫通性能を高めたもので、試験では7.62mm×54R弾に迫る性能を発揮したとされる。
 これにより、本銃は突撃銃との弾薬の共用化を実現したが、機関銃用の重弾を突撃銃に使用すると銃身や機関部に過大な負荷を与えて劣化を早め、逆に突撃銃用の普通弾を本銃に使用すると威力で劣るという問題は残った。このため、後の2010年には完全な弾薬共用化を図った新型弾DBP10が開発されている。
 こうした一連の開発にはのべ10年程かかり、制式化は1998年、配備開始は2000年からとなった。

 作動方式はロングストロークピストンの[[ガス圧利用方式>ガスオペレーション]]で、閉鎖方式はターンボルトロッキング。銃身と機関部はクロームメッキが施され、銃身寿命はおおよそ25,000発程度。一部部品にアルミ合金や[[強化プラスチック>ポリマーフレーム]]を使用することで軽量化を図っている。備え付けの[[二脚>バイポッド]]を用いれば軽機関銃として、三脚に据え付けて[[重機関銃]]として、仰角射撃用の三脚に固定すれば対空機銃として各々使用することができた。照準器は固定の[[アイアンサイト>オープンサイト]]のほかに、[[スコープ]]や[[赤外線スコープ>暗視装置]]が装着できた。

 こうして調達と配備の始まった本銃であるが、実際に配備と運用が始まってみると多くの問題が露出した。まずもって5.8mm×42弾は重弾を使用する事で7.62mm×54R弾に迫る威力や射程こそ発揮したものの、小口径ゆえに徹甲焼夷弾などの追加の加害効果を持った弾種を用意できず、複合的な対物威力に欠けていた。さらに汎用機関銃としての汎用性に着目しようにも、[[分隊支援火器>SAW]]としては大容量の[[ドラムマガジン]]を備えつつ軽量な[[81式班用機槍>突撃銃/PRC 81式自動歩槍]]や[[QBB95式班用機槍>PRC QBZ-95]]が扱い易さから好まれており、重機関銃としては12.7mm×108弾を使用しながらも銃本体が18kg程度と極めて軽量な85式高射機槍やQJZ89式重機槍があったため、威力も重量も中途半端な汎用機関銃というジャンルそのものが中国軍の装備体系においては不遇となっていたのだ。

 このため多くの部隊では小口径機関銃という物珍しさから調達こそすれど、実際の部隊運用では武器庫に収められたままという事が多く、調達数も2020年頃までの累計で僅かに2万丁程度。日本の陸上自衛隊が人員約15万人に対してミニミを5000丁近く調達しているのに対し、その7倍近い約100万人規模の中国陸軍で僅か4倍程度でしかない調達数からして異様に少ない事が分かるだろう。
 さらに実際に運用しているのは極一部の部隊に限られており、中国現地で行われた推定によれば少なくとも20個の機械化歩兵大隊で、定数通りであれば同様に少なくとも540丁程度が運用されているのみとなっている。
 また2013年にオーストラリアで開催された国際射撃競技会であるAASAMに中国軍が参加した際には、機関銃としては当初[[QJB95-1式班用機槍>PRC QBZ-95]]を用意したものの、レギュレーションに抵触したために改めて本銃を用意したという事例がある。

 派生型としては車載同軸機銃仕様のQJT5.8mm並列機槍が開発採用され、各種の装甲戦闘車両に搭載されているが、以前より運用されていた[[PKT>USSR PK]]コピーの86式坦克機槍を完全に置き換えるには至っていない。

 2020年に後継となる新型のQJY201型通用機槍が公開された。こちらは88式通用機槍やQJY201に前後して公開された新型小銃である[[QBZ191型自動歩槍>PRC QBZ191]]とは異なり西側諸国で標準的な[[7.62mm×51弾]]を採用し、CS/LR4やQBU203型狙撃歩槍といった[[狙撃銃]]と使用弾薬を共通化させている。
 一方でQJY201型通用機槍と同時期に5.8mmx42弾を使用弾薬とするQJB201型班用機槍およびその短銃身仕様のQJS161型傘兵機槍も公開されているが、こちらは[[分隊支援火器>SAW]]であるQJB95-1式班用機槍の後継として開発採用されており、汎用機関銃のQJY-88やQJY201とは運用が異なる銃である。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[ケイン アンド リンチ2 ドッグ・デイズ>ケイン&リンチ#kanelync2]]|−|−|項目参照|
|[[ドールズフロントライン]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド 2042]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド2 モダン・コンバット]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド 3]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド 4]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド バッドカンパニー]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド バッドカンパニー2]]|−|−|項目参照|
|[[マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス>マーセナリーズ#mer28k2g]]|−|−|項目参照|

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