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*騎兵銃(カービン) / Carbine [#c82f3772]
 ''カービン''とは騎兵が馬上で扱う事を考慮して、より短い銃身を用いて取り回しを良くした[[小銃]]を意味する言葉である。元来はフランス語であるが、世界各地で広く使われたため現在では「ライフル」(こちらはドイツ語)同様その他の言語でも定着している。''騎兵銃''または騎銃という呼び名は、その用途に由来した訳語である。
 単発銃の時代、騎兵は通常、発砲後に馬上で銃をフックで吊り下げて[[サイドアーム]]のサーベル等で白兵戦に持ち込んでいた(走っている馬に跨ってのリロードは、至難の業だった為。また戦闘時には馬から降りて発砲する竜騎兵という兵種も存在した。)。この用途で開発されたのがドイツ製のKarabinerhaken(カービン使用者用フック)、即ち日本語で言うところの「カラビナ」である。イタリア国家憲兵隊『カラビニエリ』の名の由来も同様で、創設当初、隊員の装備がカービンであることが多かったことからそう呼ばれるようになった。
 小型で持ち運びやすく取り回しも良いが、銃身長が短くなったせいで発砲の反動・マズルブラスト・発射音が激しくなったり、命中精度が落ちたりという欠点も持ち合わせている。上記の様に本来は騎兵用の銃であるが、実際は歩哨や前哨地での使用が多かった。
 元々は16世紀ごろに誕生した、騎兵が馬上で扱う事を考慮して、より短い銃身を用いて取り回しを良くした[[小銃]]。
 フランス語の"carabine=古フランス語のカラビン(マスケット銃で武装した兵士)" に由来するが、その起源は不明である。世界各地で広く使われたため、現在では「ライフル」(こちらはドイツ語)同様、その他の言語でも「カービン」として定着している。「騎兵銃」または「騎銃」という呼び名は、その用途に由来した日本語訳である。
 騎兵が廃れた現代でも「''短小化した小銃''」という意味で使われている。長銃身化・[[ストック>銃床]]を装着した[[拳銃]]や、[[セミオート]]化して銃身を延長した[[短機関銃]]の事を指すことも多い。

 現在では特に、密林、市街地、車内といった狭い場所での取り回しのよさから、空挺部隊や戦車部隊、特殊部隊等でよく用いられる。主な物としてアメリカ製の[[M4>コルト M4]]、ロシア製の[[AKS74U>USSR AKS74U]]などが挙げられる。
 また、[[拳銃]]に[[ストック]]や長銃身を備えたものや、[[セミオート]]化して銃身を延長した[[短機関銃]]を「カービン」と称して販売する形式も古くからある。
 他の多くの工業製品同様、小銃も弾薬性能や鍛造技術の向上によって短銃身でも高性能化が進んでおり、従来は使い分けされていた部隊においてもカービンの標準装備化は進んでいる。
 長銃身に最適化された弾薬は、短い銃身では反動・マズルブラスト・発射音の増加、命中精度や耐久性の低下といった問題が起きる事が多かった。上記の様に本来は騎兵用の銃であるが、実際は歩哨や前哨地での使用が多かった。
 現代では特に、密林、市街地、車内といった狭い場所での取り回しや携行性のよさから、空挺部隊や特殊部隊等でよく用いられる他、砲兵や戦車兵の自衛火器としても用いられる。主な物としてアメリカ製の[[M4>コルト M4]]、ロシア製の[[AKS74U>USSR AKS74U]]などが挙げられる。
 弾薬性能や鍛造技術の向上、[[ダットサイト]]・[[スコープ]]等光学[[照準器]]の普及によって短銃身でもフルサイズの小銃と同等の性能を発揮できるようになり、従来はフルサイズ/カービンを使い分けしていた部隊においても、一律でカービンを標準装備化する動きが進んでいる。2015年以降における、アメリカ軍全体のM4カービン制式採用はその最もたる事例と言える。

 なお、日本のメディア上ではしばしば[[アサルトライフル>突撃銃]]の小型のものを「アサルトカービン」や「マシンカービン」といった名称で呼ぶことがあるが、いずれも誤りである。前者は一部のビデオゲームなどで使われている造語で、後者はイギリスの軍関係において[[短機関銃]]を指す言葉として用いられていたものである。
 なお、日本のメディア上ではしばしば[[アサルトライフル>突撃銃]]の小型のものを「アサルトカービン」や「マシンカービン」といった名称で呼ぶことがあるが、前者は一部のビデオゲームなどで使われている造語で、後者はイギリスの軍関係において[[短機関銃]]を指す言葉として用いられていたものである。

 余談になるが日本でも戦国時代末期に同じような目的で''馬上筒''という[[火縄銃]]が作られたことがある。
 余談になるが、[[ホイールロック]]や[[フリントロック]]が主力だった単発銃の時代、走る馬上での再装填は至難の業だったため、騎兵は通常、発砲した後は手から離してフックで腰や馬に吊り下げ、[[サイドアーム]]のサーベル等で格闘戦に持ち込んでいた(戦場への移動に馬を使い、戦闘時には馬から降りて発砲する竜騎兵という兵種も存在した)。
 この銃を保持する用途で開発されたのがドイツ製の「Karabinerhaken(カービン使用者用フック)」、即ち日本語で言うところの「カラビナ」である。イタリア国家憲兵隊『カラビニエリ』の名の由来も同様で、創設当初、隊員の装備がカービンであることが多かったことからそう呼ばれるようになった。
 また、日本でも戦国時代末期に「馬上筒」という小型のカービン式(?)[[火縄銃]]が作られたことがあった。

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