手頃な大きさの容器(名前の通りガラス瓶が一般的だが、最近ではペットボトルや缶が使われたこともある)に燃料を詰め、容器の首の部分に導火線となる燃料を染み込ませた布などを巻き付けた投擲用の武器。スペイン内戦で使用されたのが最初とされる。
使用するときには、手榴弾のように相手目がけて投げつける。 上記の着火式のほかに塩素酸塩と硫酸の化学反応を利用し、瓶が割れたときに発火する仕組みの触発性火炎瓶も使われたことがある。
世界中のどこでも入手できる安価な材料で武器に詳しくない素人でも簡単に製造可能な為、第二次世界大戦時のソビエト軍や日本軍など正規軍の他に、ゲリラ、テロリストなどでも多用された。簡易さ故に自爆するリスクも大きい。
イギリスでは第二次世界大戦初期にホーム・ガード用の武器として、火炎瓶が発射可能な迫撃砲ノースオーバー・プロジェクターが開発されたが、問題が続出したために実用化はされなかった。
日本においては、安田講堂事件に代表されるように、戦後の学生運動でよく使用されていた。軽便さのほか、1956年に最高裁で「火炎瓶は爆発物に当たらない」という判決から、爆発物として厳しく取り締まれなかったためである。1972年になってようやく火炎瓶をピンポイントに取り締まる「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」が成立し、火炎瓶の使用は減少した。
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