#author("2020-11-29T15:37:29+09:00","default:user","user") *安全装置 / Safety [#vaca80cf] 安全装置とは、誤って発砲することを防ぐ為の仕組みの事である。下記のように様々な方式がある。 ''・マニュアルセーフティ'' 手動でオンオフを切り替える安全装置。通常、[[ハンマー]]や[[ストライカー>ストライカー システム]]が[[コッキング]]された状態で機能するようになっており、トリガー機構をロックして[[暴発>スラムファイア]]を防止する。[[デコッキングレバー>デコッキング]]を兼用するものや、[[セミオート]]と[[フルオート]]を切り替えるセレクターを兼用するものもある。自動的に作動する安全装置と区別するための語としても使われる。後述のサムセーフティもこれに含まれる。 ''・サムセイフティ'' 親指(サム)で操作するセイフティのこと。 //自動拳銃においては[[M1911>コルト ガバメント]]や[[Cz75>CZE Cz75]]のように一般的にフレーム側の低い位置取り付けられているものを指す。[[ベレッタM92F>ベレッタ M92]]や[[ジェリコ941>IMI ジェリコ941]]のようにスライド側に取り付けられているものはサムセーフティと呼ばれない。 ''・トリガーセイフティ'' トリガーの接触面に小さなレバーを設け、指をかける以外の加重でトリガーが動かないようロックするもの。代表的な銃として、[[グロック 17]]で採用されている。 ''・グリップセイフティ'' グリップにプッシュボタンや稼動するストラップなどを設け、グリップを握ってこれらが押されない限り、トリガー機構をロックするもの。代表的な銃としては、[[M1911>コルト ガバメント]]で採用されている。 ''・マガジンセイフティ'' マガジンを抜いた状態では撃発が行われないよう、トリガー機構をロック、もしくは部品同士のリンクを解除する機構。代表的な銃として、[[FN ハイパワー]]で採用されている。 ''・キーロックセイフティ'' キーを差し込み回転させることで解錠/施錠を行う、錠前式のマニュアルセイフティ。専用キーを別途保管、或いは所有者が身につけておくことで、保管した銃を第三者が持ち出して使用することを防止する。家族(特に子供)が持ち出して暴発させ、死傷する事故が少なくないことから考案された。 ''・ファイアリングピン・ブロック (AFPB。自動撃針前進防止装置)'' →[[項目参照>AFPB]] ''・ハーフコック'' 後述のハンマーブロックを持たない拳銃の場合、薬室に弾が装填されながら[[ハンマーがレストされている>ハンマーレスト]]と、ファイアリングピンまたは雷管にハンマーが接触しているため、落下などによりハンマーに強い衝撃が加わった際に暴発を起こしてしまう。そこでハンマーを少しだけ起こした位置に留めることで、ハンマーがピンもしくは雷管に触れずにおくようにするのがハーフコック機能である。また、コッキングされたハンマーが、落下などの衝撃でトリガー操作なしに落ちた場合に、ピンまたは雷管に接触するまえにストップさせる機能でもある。ほとんどのハンマー撃発式の[[拳銃]]はこのハーフコック機能を備えている。 しかし、ハンマーに衝撃が加わるという状況では、ハンマーをハーフコックに止める引っ掛かりが滑るか破損するリスクも高いため、暴発防止をハーフコックにのみ頼るのは危険である。 ''・ハンマーブロック'' ハンマーとファイアリングピンとの間を物理的にブロックするもの。[[リボルバー>回転式拳銃]]で使用される。トリガーを引く操作に連動してブロックが降りるようになっている。 ''・トランスファーバー、セイフティコネクター'' リボルバーで使用される安全機構で、ハンマーブロックとは対照的に、ハンマーが直接ファイアリングピンを叩かないよう間に空間を設けて、トリガーが操作されない限り、両者が絶対に接触しない構造。トリガーを引いたときにだけ、連動したバーがハンマーとファイアリングピンの間に入り、ハンマーの打撃力をピンに伝える。1997年ごろから製造された[[S&W>スミス アンド ウェッソン]]製[[リボルバー>回転式拳銃]]はこの発火方式に移行している((トランスファーバー採用以前に製造されたS&W製リボルバーは、ハンマーにファイアリングピンを内蔵していた。))。 ---- #pcomment