安全装置 / Safety

・サム・セイフティ
 親指(サム)で操作するセイフティのこと。通常、ハンマーストライカーコックされた状態で機能するようになっており、トリガー機構をロックして暴発を防止する。デコッキングレバーを兼用するものや、セミオートフルオートを切り替えるセレクターを兼用するものもある。

・トリガー・セイフティ
 トリガーの接触面に小さなレバーを設け、指をかける以外の加重でトリガーが動かないようロックするもの。

・グリップ・セイフティ
 グリップにプッシュボタンや稼動するストラップなどを設け、グリップを握ってこれらが押されない限り、トリガー機構をロックするもの。

・マガジン・セイフティ
 マガジンを抜いた状態では撃発が行われないよう、トリガー機構をロック、もしくは部品同士のリンクを解除する機構。

・キーロック・セイフティ
 キーを差し込み回転させることで解錠/施錠を行う、錠前式のマニュアル・セイフティ。専用キーを別途保管、或いは所有者が身につけておくことで、保管した銃を第三者が持ち出して使用することを防止する。家族(特に子供)が持ち出して暴発させ、死傷する事故が少なくないことから考案された。

・AFPB (自動撃針前進防止装置)
 →AFPB (自動撃針前進防止装置)

・ハーフコック
 後述のハンマーブロックを持たない拳銃の場合、薬室に弾が装填されながらハンマーが寝ていると、ファイアリングピンまたは雷管にハンマーが接触しているため、落下などによりハンマーに強い衝撃が加わった際に暴発を起こしてしまう。そこでハンマーを少しだけ起こした位置に留めることで、ハンマーがピンもしくは雷管に触れずにおくようにするのがハーフコック機能である。また、コッキングされたハンマーが、落下などの衝撃でトリガー操作なしに落ちた場合に、ピンまたは雷管に接触するまえにストップさせる機能でもある。ほとんどの拳銃はこのハーフコック機能を備えている。
 しかし、ハンマーに衝撃が加わるという状況では、ハンマーをハーフコックに止める引っ掛かりが滑るか破損するリスクも高いため、暴発防止をハーフコックにのみ頼るのは危険である。

・ハンマー・ブロック
 ハンマーとファイアリングピンとの間を物理的にブロックするもの。リボルバーで使用される。トリガーを引く操作に連動してブロックが降りるようになっている。

・トランスファー・バー、セイフティ・コネクター
 リボルバーで使用される安全機構で、ハンマーブロックとは対照的に、ハンマーが直接ファイアリングピンを叩かないよう間に空間を設けて、トリガーが操作されない限り、両者が絶対に接触しない構造。トリガーを引いたときにだけ、連動したバーがハンマーとファイアリングピンの間に入り、ハンマーの打撃力をピンに伝える。1997年ごろから製造されたS&Wリボルバーはこの発火方式に移行している*1


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • M1911はサムセーフティと呼びますが、M92のセーフティはサムセーフティって呼ばれませんよね。サムセーフティの区分っていうのはどうなってるのでしょう?親指を使うセーフティ全部か、それともフレーム側についてるものだけか。 -- 2018-05-13 (日) 23:30:48
  • グロック登場後に影響を受けて開発・製造されたものやパテント切れ後に開発・製造されたものにはマニュアルセーフティを追加したものが複数あることを考えると、即応性の点ではトリガーセイフティは優れていても安全性を考えるとマニュアルセーフティだけでは不十分と見ている人が多いのでしょうか? -- 2018-10-10 (水) 19:53:55
お名前:

*1 トランスファー・バー採用以前に製造されたS&W製リボルバーは、ハンマーにファイアリングピンを内蔵していた。

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