ワッセナー協定(The Wassenaar Arrangement)

 1996年に発足した国際的な輸出管理協定。
 東側陣営への物資や技術の流出を抑制するため、1949年に西側陣営で発足したココム(対共産圏輸出統制)が冷戦終結により実効が無くなった事により、より現状に見合った物に調整し直した協定。オランダのワッセナー市で行われた協議で結成が合意されたため、この名が付いた。事務局はオーストリアのウィーン。
 目的は『地域の安定を損なう恐れのある、通常兵器*1の過度な移転と備蓄の防止』であり、旧ココム参加国と新たにロシアなどの旧東側国が参加し発足。協定参加国は、通常兵器はもとより兵器製造の原料となる材料や工作機械、各種電子機器(センサーやコンピュータ機器、暗号装置、航法装置、推進装置など兵器製造に必須な物)の自国からの輸出状態を管理規制し、定期的に参加国間で情報交換を行う。

 判りやすく書くと「自国の製品が他国で迷惑かけないよう、ちゃんと面倒見とけ」協定。

加盟国

 アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、イタリア、ウクライナ、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ルクセンブルク、ロシア、韓国、日本

(2005年3月現在)

*1 核兵器や生物化学兵器を除いた兵器の事

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