#author("2021-05-21T15:58:05+09:00","default:user","user")
*レイル インターフェイス システム / Rail Interface System [#p819f6ce]

 略して「RIS」。[[KAC(Knight's Armament Company/ナイツアーマメント社)こと"ナイツ">ナイツ・アーマメント・カンパニー]]が、アメリカ軍の[[M4カービン>コルト M4]]用に開発した、オプション装備が可能な[[マウントレール]]一体型の[[ハンドガード]]で、[[モジュラーウェポンシステム>システム・ウェポン]]の一種である。
 このモジュラーウェポンシステムを研究するアメリカ軍のプロジェクトの中で、ナイツはハンドガードに[[ピカティニーレール]]を四面に配したRISを開発。ハンドガードと一体化させることで、[[スコープ]]のみならず[[レーザーサイト]]や[[タクティカルライト]]、[[フォアグリップ]]など様々なアクセサリーを装着可能とした。
 RISは、アルミ合金のブロックから[[CNCマシンによる精密切削>削り出し加工]]によって製造され、軽量かつ高い剛性をもつ。従来のコルト製ハンドガードと交換するだけで装着が可能で、固定器具もハンドガード前方のエンドキャップと、銃身基部のリングをそのまま利用する。上下2ピース構造で、上部はキャップとリングに加え、ボルトとクロー状の部品でしっかりと固定される。下部は、スプリングのテンションで支えられたリングをレシーバー側に押し込むことで取り外すことができるため、[[M203>コルト M203]]や[[M26 MASS>US M26 MASS]]といった銃身固定式のアドオンを装着することが可能である。
 ナイツのRIS登場後は、これに倣って、[[HK416>HK HK416]]などのモジュラー方式を予め採用したモデルが登場した。現在は、さまざまなメーカーがこれらハンドガードタイプのモジュラーウェポンシステムを製造、販売しており、軍用銃に欠かせないシステムとして普及しつつある。
 ナイツのRIS登場後は、これに倣って、[[HK416>HK HK416]]などのレイルドハンドガードを予め採用したモデルが登場し、以降はさまざまなメーカーがこれらハンドガードタイプのモジュラーウェポンシステムを製造、販売し、軍用銃に欠かせないシステムとして普及した。

 アメリカ軍に採用されたRISは、特殊部隊向けとして開発された「SOPMOD(Special Operations Peculiar MODification) M4」に導入され、優れた有効性を示した。しかし、装着方法に起因する脆弱性から破損などのトラブルが発生し、RISを強化改良した''RAS(Rail Adaptor System)''が、米軍の装備するM4用レールシステムの標準となった。現在はM4が[[米陸軍>アメリカ陸軍]]の主力ライフルになるとともに、RASもすでに、特殊部隊向けに留まらない基本装備となっている。
 また、同社のRISやRASが、その設計上[[フリーフロート>フリーフローティングバレル]]でなかったのとは対象的に、[[狙撃銃]]や[[DMR>選抜射手]]用として、RASをレシーバーの銃身基部にのみ固定する、フリーフロート仕様の''FFRAS(Free Floating Rail Adapter System)''が開発されている。FFRASでは、銃身を固定するナットごと交換し、基部のリングでRASと専用のバレルナットをスクリューによって締め上げる強固な設計となっている。FFRASは、[[米海兵隊>アメリカ海兵隊]]や海軍[[SEAL]]が装備する、[[SR25M及びMk.11 Mod.0>ナイツ SR-25]]、[[SPR Mk.12 Mod.1>コルト AR15 バリエーション]]で採用されている。ただし、RIS/RASと異なり、1ピース構造のFFRASでは、銃身固定式のアドオンは装着できない。
 ナイツは、さらにこのFFRASと旧RASの汎用性を兼ね備えた''URX(Upper Reciever eXtending)''も開発している。FFRAS同様のフリーフロート構造ながら、上下分割の可能な2ピース構造になっており、下部を外すことで、銃身固定式のアドオンが装着可能になっている。米陸軍採用の[[M110>ナイツ SR-25]]がこのURXを標準装備としている。
 アメリカ軍に採用されたRISは、特殊部隊向けとして開発された「SOPMOD(Special Operations Peculiar MODification) M4」に導入され、優れた有効性を示した。しかし、装着方法に起因する脆弱性から破損などのトラブルが発生し、RISを強化改良した''RAS(Rail Adaptor System)''が、米軍の装備するM4用レールシステムの標準となった。M4が[[米陸軍>アメリカ陸軍]]の主力ライフルになって以降は、いずれも特殊部隊向けに留まらない基本装備となっている。
 また、同社のRISやRASが、その設計上[[フリーフロート>フリーフローティングバレル]]でなかったのとは対象的に、[[狙撃銃]]や[[DMR>選抜射手]]用として、RASをレシーバーの銃身基部にのみ固定する、フリーフロート仕様の''FFRAS(Free Floating Rail Adapter System)''が開発されている。FFRASでは、銃身を固定するナットごと交換し、基部のリングでRASと専用のバレルナットをスクリューによって締め上げる強固な設計となっている。FFRASは、[[米海兵隊>アメリカ海兵隊]]や海軍[[SEAL]]が装備する、[[SR25M及びMk.11 Mod.0>ナイツ SR-25]]、[[SPR Mk.12 Mod.1>コルト AR15 バリエーション]]で採用されている。ただし、RIS/RASと異なり、1ピース構造のFFRASでは、銃身固定式のアドオンは装着できず、着脱のさいにはガスブロックを外すか、RASに干渉しないロープロファイルタイプのガスブロックに交換する必要がある。
 ナイツは、さらにこのFFRASと旧RASの簡便さを兼ね備えた''URX(Upper Reciever eXtending)''も開発している。FFRAS同様のフリーフロート構造ながら、上下分割の可能な2ピース構造になっており、銃身へのアクセスが容易となって整備性が向上している。米陸軍採用の[[M110>ナイツ SR-25]]がこのURXを標準装備としている。

 RISに始まるこれらレイルドハンドガードは銃の拡張性を大幅に高めたが、その一方でレールによって重く嵩張る、カバーなしでは保持しにくい、素手で直接保持するとレールで手を切ってしまうといった問題が注目されるようになった。
 そこで、ナイツはURX3において下面と側面のレールをボルトで任意に着脱する設計とし、VLTOR社とマグプル社はそれぞれ「KeyMod」「[[M-LOK]]」といった、必要に応じてレール単体を着脱できるモジュラーレールのマウント規格を開発した。これらはハンドガードのスロットにレール側のナットを嚙合わせるもので、従来のボルトオンのレールよりも容易に素早く着脱することが可能である。最新版のURX4では、KeyModやM-LOKに対応している。

 なお「RIS」や「RAS」はナイツの商標なので、他社ではこれらを「ハンドレイル」や「ピカティニーフォアエンド」などといった名で商品化している。
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