略して「RIS」。KAC(Knight's Armament Company/ナイツアーマメント社)こと"ナイツ"がアメリカ軍のM4カービン用に開発した、オプション装備が可能なマウントレール一体型のハンドガードで、モジュラーウェポンシステムの一種である。
このモジュラーウェポンシステムを研究するアメリカ軍のプロジェクトの中で、ナイツはハンドガードにピカティニーレールを四面に配したRISを開発。ハンドガードと一体化させることで、スコープのみならずレーザーサイトやタクティカルライト、フォアグリップなど様々なアクセサリーを装着可能とした。
ナイツのRIS登場後は、これに倣って、HK416などのモジュラー方式を予め採用したモデルが登場した。現在は、さまざまなメーカーがこれらハンドガードタイプのモジュラーウェポンシステムを製造、販売しており、軍用銃に欠かせないシステムとして普及しつつある。
アメリカ軍に採用されたRISは、特殊部隊向けとして開発された「SOPMOD(Special Operations Peculiar MODification) M4」に導入され、優れた有効性を示した。しかし、装着方法に起因する脆弱性から破損などのトラブルが発生し、RISを強化改良したRAS(Rail Adaptor System)が、米軍の装備するM4用レールシステムの標準となった。現在はM4が米陸軍の主力ライフルになるとともに、RASもすでに、特殊部隊向けに留まらない基本装備となっている。
また、狙撃銃やDMR用として、RASをレシーバーの銃身基部にのみ固定する、完全フリーフロート仕様のFFRAS(Free Floating Rail Adapter System)が開発されている。同社のRISやRASが、従来のコルト製ハンガードと交換するだけで取り付け可能だったのとは対象的に、FFRASでは、銃身を固定するナットごと交換し、基部のリングでRASとバレルナットをスクリューによって締め上げる強固な設計となっている。FFRASは、米海兵隊や海軍SEALが装備する、SR25M及びMk.11 Mod.0、SPR Mk.12 Mod.1で採用されている。
ナイツは、さらにこのFFRASと旧RASの汎用性を兼ね備えたURX(Upper Reciever eXtending)も開発している。FFRAS同様のフリーフロート構造ながら、上下分割の可能な2ピース構造で、下部を外して、銃身固定式のM203やM26 MASSといったアドオンが装着可能である。米陸軍採用のM110がこのURXを標準装備としている。
なお「RIS」や「RAS」はナイツの商標なので、他社ではこれらを「ハンドレイル」や「ピカティニーフォアエンド」などといった名で商品化している。
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