ラッパ銃(ブランダーバス)は、16世紀後半に登場した短銃身・大口径の前装式散弾銃である。銃口がラッパのように広がった形状をしているのでこのように呼ばれる。その特徴的な銃口は、弾の拡散効果の他に、移動中や馬上でも火薬・弾が込めやすいという利点を持っている。しかし近年の研究では、ラッパ状の銃口には目立った拡散効果は無いことが判明している。初期の弾丸は鉄くず・石・木片などだったが、これでは銃身を傷めてしまうので、後に鉛弾を使用するようになった。バネ仕掛けの折り畳み式銃剣を備えたモデルや、バットストック?を廃して銃身を切り詰めたピストルモデルも存在した。
軽量で扱いやすいラッパ銃は、主に騎兵隊に支給された他、刑務所警備員や民間人、海賊たちも好んで使用した。また鳥の狩猟にも多用された。17世紀には、ポルトガル海兵隊が近接戦闘用としてラッパ銃を使用している。18世紀後半〜19世紀前半にはイギリスの郵便会社が、郵便馬車を襲う追い剥ぎから身を守るため、配達員にラッパ銃と予備の拳銃を持たせていた。
19世紀中頃になるとラッパ銃は時代遅れになり、その役目はカービン銃に取って代わられた。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照