ライオットシールド / Riot shield

ポーランド、ワルシャワ警察

 ライオットシールドは、警察で使用されている軽量な手持ち防具である。一部の軍隊のほか、民間警備会社でも装備している。
 その名のとおりライオットコントロール(暴動取り締まりor暴徒鎮圧)に用いられ、暴動につきものの飛翔物や鈍器、刃物を防ぐように作られており、使用者の頭から膝の範囲を十分覆えるほどのサイズで設計されている。日本では、古くは機動隊の使用するジュラルミン製のものが知られている*1
 多くがシールドごしでも見通しの利く透明のポリカーボネイト製で、複数の樹脂層を作り強度を生み出している。取っ手の付き方もさまざまだが、一般的なものは、2つの取っ手が同じ高さで並んでいるものである。使用者は一方の取っ手に腕を通したあと、もう一方をつかんで、片手のみで保持する。
 防弾性能を持つ鋼板製のものは、バリスティックシールド(防弾盾)と呼ばれる。こちらは火器で武装した犯罪者を想定したもので、ライオットコントロールだけを目的とはしていない。とはいえ、手持ちという制約上、防弾性能はNIJ規格のIIA9mmパラベラム弾.45ACP弾)にまで限られ、FPSゲームに見られるようなライフル弾への抗弾性はもちろん、一度の打撃で対象を確実に昏倒/殺傷せしめるような攻撃力は有してはいない。

 SWATなどの警察特殊部隊が行う、ダイナミックエントリー(建造物等の突入・制圧作戦)に用いられるのは、いわゆるバリスティックシールドのほうである。縦列を組み、盾を持った隊員が先頭となって乗り込み、その隊員の陰に隠れる形で後続が追従するパターンが一般的である。この場合、先頭の隊員の武装は拳銃のみとなり、発砲時にはシールド脇や上部から顔を出して照準するのだが、顔を出さずに覗き窓ごしに照準するために、拳銃を横撃ちよろしく構える隊員の写真も見られる。


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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 多分ポリカーボネート盾の利点は、透明であること、耐衝撃性、耐候性、耐薬品性が高いことで、群衆を管理しやすく、かつ投擲に強いってことだと思う。一方、融点が130度程度と低いので火炎瓶には耐えられない。 -- 2014-12-30 (火) 00:20:43
  • 記事違いだが、旧型防護服が出動服の下に着込む形なのは火炎瓶等の燃料が服に付着した際すぐに脱ぐため。新型防護服は火炎瓶に弱く、現在も旧型防護服とジュラ盾を使ったガチの暴動鎮圧訓練は続いてるという記事も見つけた。 -- 2014-12-30 (火) 00:29:02
  • 130度は耐熱温度だった。融けるのは150度〜。 -- 2014-12-30 (火) 00:37:24
  • あさま山荘事件では弾が貫通してしまうのでシールドを二重にして使ったとか -- 2014-12-30 (火) 19:35:22
  • 最初に挙がってるナンワの件は自動車用防護シェードの事じゃないか? 本当に小型だがショッピングサイトの広告にはトカレフ対応有と書いてある 最も以前により一般的な形状でトカレフ対応の盾を見た記憶もあるんだが -- 2014-12-30 (火) 23:58:18
  • S-エス-最後の警官や代紋Take2では3枚重ねにしたにも関わらず貫通してたけどジュラルミン製って相当弱いものなのか? -- 2016-10-08 (土) 22:59:27
  • どんなに頑丈と言っても所詮はアルミの合金ですし・・・ -- 2016-10-08 (土) 23:07:54
  • あの盾はチタン製って設定じゃなかった? -- 2016-10-08 (土) 23:37:27
  • ジュラルミンもチタンも硬度は鉄板とそんな変わらんから防弾用としては大した事無いよ。セラミックと比べると硬度は1/20ぐらいしかない。 -- 2016-10-09 (日) 00:01:44
  • NIJ4のバリスティックシールドを手に持って動き回るだけでなく銃撃戦もできるようにする補助器具まで登場したようで。強化外骨格的なものではなく、背中から延びるアームで肩越しに吊るして補助って程度のようだけど -- 2017-10-10 (火) 00:44:59
お名前:

*1 「あさま山荘事件」では現場で2枚に重ねた防弾盾を使用、実際に犯人グループの銃撃は1枚目を易々と撃ち抜いた。

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