#author("2019-12-19T13:28:35+09:00","default:user","user")
*マガジン(弾倉) / Magazine [#w7ff40c4]
銃本体に弾薬を装填し、次弾を供給する部品。
従来銃器は単発式が主流であったが、[[レバーアクション]]や[[ボルトアクション]]式小銃などの連発式火器の登場により銃器に付属して携帯可能な弾薬のコンテナが必要となり開発され、以後小火器においては主流となった。
#author("2024-03-22T10:45:01+09:00","default:user","user")
*マガジン / Magazine [#w7ff40c4]
 弾薬を格納し、銃本体へと押し出す機構を内蔵する部品。連発機構の発達とともに備わるようになった。
 日本語で「弾倉」といった場合、[[回転式拳銃]]のシリンダー(回転式弾倉)も包含するが、「マガジン」という語では、これを含まない。シリンダーは薬室を束ねたもので構造も異なり、マガジンとは区別されるためだ。
 現代では「マガジン」といえば雑誌か、本項目で扱うような銃器の弾薬保持部品を指すが、本来「マガジン」とはアラビア語の「Makhazin(倉庫)」から派生し、18世紀頃からヨーロッパ圏で使用されていた「軍事用の倉庫」、特に「弾薬庫」を指す単語であった。

現代では「マガジン」といえば雑誌か、本項目で扱うような銃器の弾薬保持コンテナを指すが、本来「マガジン」とはアラビア語の「Makhazin(倉庫)」から派生し、18世紀頃からヨーロッパ圏で使用されていた「軍事用の倉庫」、特に「弾薬庫」を指す単語であった。
このため、小火器用の弾薬コンテナもまた「マガジン」と呼ばれるようになったのである。
 通常、フォロワーを介してバネの力で弾薬を押し、[[マガジンリップ]]によって飛び出さないよう抑えられる。民生の[[ライフル>小銃]]や[[散弾銃]]で一般的な固定式のものと、[[自動拳銃]]や軍用[[自動小銃]]で一般的な着脱式のものがある。
 固定式は、組み込まれたパーツというより、銃本体に設けられた弾薬を収めるスペースに弾薬を押し上げるフォロワーとバネを組み込んだものである。ボルト等によって固定され着脱可能なものでも、分解整備等以外に外すことが無く即時着脱が出来ないものは固定式に分類される。弾薬装填は[[クリップ]]を利用するか、一発ずつ手ずから行う必要があるため、数十発の弾薬を素早く装填するには向かないが、構造的にシンプルで、マガジン全体もしくは大部分が銃本体に内包されているため、銃本体が破損するほどのダメージを負わない限り、外力で破損する心配がない。
 着脱式マガジンは、一般に即時着脱が可能なものを差す。あらかじめ弾を込めたマガジンを複数個用意しておけば、撃ち尽くしたり、数発分を消費してつぎ足すにも、一度の交換で素早く全弾の再装填が行える。また、本体から全ての弾を一度でマガジンごと抜くことができるため、保管の際の抜弾作業が楽な利点がある((一般的なボルトアクションライフルは、レシーバー下のフロアプレートを開いて抜弾を行うため、下にバラバラとこぼす以外に無い。ステア―社製ライフルのように着脱式のものあるが、高価である。))。反面、着脱式マガジンの多くは銃から突出したパーツとなり易いため、銃本体に比べ変形など破損しやすく、動作不良を引き起こす可能性がある。着脱機構にもシンプルかつ確実なものが求められ、精度の良くない部品や黎明期の自動火器では、作動不良の原因となっている。
 着脱式マガジンの容器は銃本体と同じく鉄製が多かったが、1950年代以降になると着脱式マガジンでは[[M16>コルト AR15]]のアルミ製、[[AKM>USSR AKM]]のガラス繊維強化ベークライト樹脂製、[[マグプル>マグプル・インダストリーズ]]のナイロン樹脂製などのように軽量な素材も用いられている。
 また、一目で残弾数が分かるよう半透明の樹脂で作られていたり、一定数ごとに穴を空けたり確認窓が取り付けられているマガジンも存在する。ただし確認窓は構造によっては脱落するリスクが、確認穴はマガジン強度を低下させるので変形しやすくなったり、異物が詰まったりして動作不良の原因となる可能性もある。また、薬莢の真鍮が光を反射して目立つことがあるため、これを嫌ってダクトテープやペイントで塞いで運用するケースも見られる。

多くのマガジンではフォロワーを介してバネの力で弾薬を押し、[[マガジンリップ]]によって飛び出さないよう抑えられる。
形式としては大きく「固定式」と「脱着式」の二種類に分けられる。固定式は銃本体に弾倉のスペースが設けられていて、脱着式と異なり素早い装填は困難だが、マガジンの変形の心配が少ない。脱着式は素早く装填が可能だが、その反面マガジンが変形し動作不良を引き起こす可能性がある。

脱着式のマガジンは鉄やアルミなどの金属が多いが、[[AKM>USSR AKM]]のベークライト製マガジンや[[マグプル>マグプル・インダストリーズ]]の各種プラチック製マガジンのような樹脂マガジンも用いられる。また、一目で残弾数が分かるよう透明な樹脂で作られていたり、一定数ごとに穴を空けたり確認窓が取り付けられているマガジンも存在する((ただし確認穴はマガジン強度を低下させ変形しやすくなったり、異物が詰まったりして動作不良の原因となる可能性がある。))。
***マガジンの種類 [#e665bebb]
''・チューブラーマガジン''
 管状のマガジン。基本的には固定式で一部の例外((銃身上に配置されている[[RMB-93>散弾銃/KBP RMB-93]]や[[NS2000>トルベロ NS2000]]、銃床に配置されている[[スペンサー M1860>小銃/スペンサー M1860]]など))を除き銃身の下に配置される。
 [[レバーアクションライフル>レバーアクション]]や[[ショットガン>散弾銃]]でよくみられる。
 弾薬が縦列で配置されることから、12ゲージ2.75インチ弾と12ゲージ3インチ弾、.357マグナムと.38スペシャルのような同じ口径の薬莢長の違う弾薬にも対応できる。
 一方で、薬莢底部の中央に雷管を持つセンターファイア弾薬は、弾頭が前に並んだ弾薬の雷管を刺激して暴発する危険があるため、先端の尖った弾道特性の良いスピッツァー(尖頭)とすることが出来ず、ラウンドノーズ(丸頭)またはフラットノーズ(平頭)とすることが必要である。

***シングルカラムとダブルカラム [#e665bebb]
詳細はリンク先を参照
''・[[シングルカラム(単列式)>シングルカラム]]''
弾倉内の弾を一列に並べた方式。装弾数は少ないが細く作れる。
''・[[ドラムマガジン]]''
 円筒形のマガジン。詳細はリンク先を参照

''・[[ダブルカラム(複列式)>ダブルカラム]]''
弾倉内の弾を二列に並べた方式。太くなるが装弾数を多く取れる。
''・[[パンマガジン>ドラムマガジン]]''
 円盤型のマガジン。詳細はリンク先を参照

上記はそれぞれ「シングルスタック」「ダブルスタック」の名称でも呼ばれる(主に[[自動拳銃]]において)。
''・[[ヘリカルマガジン>ドラムマガジン]]''
 円柱状の細長いマガジン内にらせん状に弾が配置される。詳細はリンク先を参照

また、四列に並べた「クアッドスタック(複々列式)」も存在する。

***弾倉の種類 [#e665bebb]
''・ボックスマガジン(箱型弾倉)''
最も一般的な形状の弾倉。マガジン底部のバネを介して押し上げるように弾が送られる。
多弾数化の為に長い弾倉にする際、先細り(テーパー)が強い弾薬であると湾曲した形状を取ることになる。テーパーに合わせて湾曲したマガジンをバナナに見立て「バナナマガジン」と呼ぶ。
 最も一般的な形状のマガジン。マガジン底部のバネを介して押し上げるように弾が送られる。
 多弾数化の為に長いマガジンにする際、先細り(テーパー)が強い弾薬であると湾曲した形状を取ることになる。
 テーパーに合わせて湾曲したマガジンは「バナナマガジン」とも呼ばれる。

''・[[ドラムマガジン]]''
円筒形の弾倉。リンク先を参照。
--''・シングルカラムとダブルカラム''
 箱型弾倉内に収める弾薬の配列のこと。

''・[[パンマガジン>ドラムマガジン]]''
円盤型の弾倉。ドラムマガジンのページ内にて解説有。
---[[シングルカラム(単列式)>シングルカラム]]
 弾倉内の弾を一列に並べた方式。詳細はリンク先を参照

''・[[ヘリカルマガジン>ドラムマガジン]]''
円筒状の細長い弾倉内にらせん状に弾が配置される。ドラムマガジンのページ内に解説有。
---[[ダブルカラム(複列式)>ダブルカラム]]''
 弾倉内の弾を二列に並べた方式。詳細はリンク先を参照

''・チューブマガジン''
管状の弾倉。基本的には固定式で一部の例外(([[RMB-93>散弾銃/KBP RMB-93]]や[[NS2000>トルベロ NS2000]]など))を除き銃身の下に配置される。
[[レバーアクションライフル>レバーアクション]]や[[ショットガン>散弾銃]]でよくみられる。
12ゲージ2.75インチ弾と12ゲージ3インチ弾、.357マグナムと.38スペシャルのような同じ口径の薬莢長の違う弾薬にも対応できる。
ただし、センターファイア弾薬の尖頭弾は暴発の危険があるため使用されない。
--上記はそれぞれ「シングルスタック」「ダブルスタック」の名称でも呼ばれる(主に[[自動拳銃]]において)。また、四列に並べた「クアッドスタック(複々列式)」も存在する。

''・シリンダー''
[[リボルバー>回転式拳銃]]の弾倉。日本語では回転弾倉と訳されることもある。穴の開けられた弾倉に弾を差し込む方式で、薬室(チャンバー)としての役割も果たす。
シリンダーより短い同口径弾なら薬莢長の異なる弾薬に対応できる。

***弾倉に関連する器具 [#e665bebb]
''・[番外編]アモボックス(弾薬箱)''
 本来は弾薬を格納しておく箱であるが、ベルト給弾式の機関銃ではマガジン代わりに[[弾帯]]を収めておく箱として直接銃に取り付けるアモボックスもある。弾薬手なしの一人で機関銃を運用したり、弾帯への異物の付着やねじれの防止等の目的で使われる。あくまで弾帯を格納するだけの箱でありバネなどの給弾機構はない。


***マガジンに関連する用語 [#e665bebb]
''・[[STANAGマガジン]]''
 NATO加盟国やその同盟国で用いられている、[[M16>コルト AR15]]互換の[[5.56mm×45弾>5.56mm x45弾]]用着脱式マガジン。詳細はリンク先を参照

''・[[クリップ(挿弾子)>クリップ]]''
マガジンに複数弾を一気に装填するのに使われる。
 マガジンに複数弾を一度に装填するのに使われる器具。リンク先を参照

''・[[スピードローダー、ムーンクリップ>スピードローダー]]''
クリップ同様、シリンダーへ一度に装填するための器具。
''・マガジンカットオフ''
 マガジンからの給弾をカットし、連発銃を[[シングルショット]]で使用するための機構。19世紀後半、連発式の歩兵銃が開発され始めたころ、弾の過剰消費を懸念した各国当局が追加させた。
 想定では常時カットオフは機能させておき、部隊指揮官の判断と号令一下でマガジンからの給弾を許可しカットオフをリリースする、といった運用を行う筈だった。が、会敵した際にカットオフをそのままにしておくのは連発銃の優位を捨てるに等しく、結局カットオフは大抵、最初にリリースされたきりだったのが実情であった。第一次大戦後の戦間期には、カットオフを備えていた銃は次々とその機能が廃されていった。
 ただ、[[小銃擲弾>ライフルグレネード]]を使用する際に空包を装填するには有用な機能だったため、その後の第二次世界大戦の頃までは残していた国も多い。だがのちに実包で発射可能な小銃擲弾が登場した事などもあって、この用途でも廃れていった。

''・マガジンローダー''
マガジンへの装填を補助する器具。素で装填するより素早く行える他、指の力だけては装填が困難な際に重宝する。
てこの原理を利用したレバーで一発一発マガジンに押し込むタイプや、器具にマガジンを差し込み、レールに弾を並べてスライダーで押し込む「ベンチローダー」など様々なものが存在する。
''・[[マガジンキャッチ]]''
 脱着式マガジンを銃に固定/リリースを行う部品。詳細はリンク先を参照

''・マガジンクランプ((日本では「マガジンクリップ」と呼ばれることもあるが正しくは誤り))''
 マガジンの交換を容易にするために、マガジン同士を固定するための器具。マガジンカプラー(Magazine Coupler)とされる製品も多い。
 マガジン同士を連結するといわゆる[[ジャングルスタイル]]となり、マガジンをハウジングからずらして並行移動するだけで素早いリロードが可能となる。
 通常は各マガジン専用のクランプを用意するが、[[MP5/40>短機関銃/HK MP5]]、[[G36>HK G36]]や[[SG550シリーズ>シグ SG550]]、[[FAMAE SAF>短機関銃/FAMAE SAF]]など、プラスチック製の弾倉そのものに連結用の部品が成型されていて、クランプ無しで連結を可能としているものもある。
 [[AR15>コルト AR15]]互換マガジンにも連結可能なよう設計されたETS社のマガジンなどがある。
 マガジン同士はマガジンハウジングに接触しないよう左右や上下に隙間が空くようになっている。
''・マガジンクランプ((日本では俗に「マガジンクリップ」と呼ばれることもある。))''
 マガジンの交換を容易にするために、マガジン同士を固定するための器具。マガジンカプラー(Magazine Coupler)とも。
 マガジン同士を連結するといわゆる[[ジャングルスタイル]]となり、ポーチからマガジンを取り出す手順が省け、素早いリロードが可能となる。
 [[MP5/40>短機関銃/HK MP5]]、[[G36>HK G36]]や[[SG550シリーズ>シグ SG550]]、[[FAMAE SAF>短機関銃/FAMAE SAF]]など、マガジンの容器そのものにブラケットを成型して、クランプ無しで直接連結を可能としているものもある。連結時はマガジンハウジングに干渉しないよう、隙間を空ける、角度をオフセットするなどの工夫がなされている。
 [[AR15/M16>コルト AR15]]互換マガジンにも、連結可能なよう設計されたETS社のマガジンなどがある。

''・マガジンハウジング/マガジンウェル''
 着脱式マガジンを備えた銃器のコンポーネントで、マガジンの収まる空間、またはマガジン挿入孔のこと。短くマグウェルとも。

''・マガジンポーチ''
 予備のマガジンを入れておく容器。第一次世界大戦中に開発された。
 戦闘用ベルトや[[ボディアーマー]]、タクティカルベストに装着される。
 予備のマガジンを入れておく容器。専用のベルトリグや[[ボディアーマー]]、タクティカルベストに装着される。

//脱着式マガジンが普及した際にマガジン交換の時短テクニックとして、複数のマガジンをテープで繋ぎ合わせる「ジャングルスタイル」と呼ばれる現地改造が生まれた。これを発展させ、テープ無しでジャングル可能にしたのがマガジンクリップあるいはマガジンクランプと呼ばれる道具である。
//これは、複数のマガジンを同じ向きで横に並べ、それを固定するための物で、マガジンの抜き差しの動作だけでマガジンチェンジを迅速に行う事ができる。
//交換するマガジンそのものを銃と一体化出来るため予備弾倉の携行による装備の重量負担を減らす事が出来るという利点があるが、逆に銃そのものが重くなってしまうという欠点もある。((厳密にはマガジンクリップではないが、[[MP40-II>短機関銃/エルマベルケ MP40]]はこの欠点のため成功しなかった。))
//これらはいずれも、並んだマガジンがマガジンハウジングに干渉しないようマガジン間にスペースを空けて固定されているのが普通であるが、クランプを用いずマガジンを上下逆さまにしてテープ等で固定するという方法もある。マガジン交換の際は、通常のクランプの場合抜いたマガジンを平行移動して次のマガジンを差し込むが、上下逆に固定した場合は抜いた後180°回転させて差し込む。
//このテープをクランプの代用とするスタイルは、安価で手軽に弾数を増やせる事からゲリラや民兵が利用する事が多く、[[AK>USSR AK47]]をテープでダブルマガジンにしている写真は目にする機会も多い。
//↑特に多くはないです(どちらかというと冷戦時代のソ連兵がやっていたものの方が圧倒的に「多い」です。テープは先進国にしかありませんから。
//しかし上下逆のスタイルは逆さまになった[[マガジンリップ]]を破損しやすい事や砂やゴミなどが混入し弾詰まりが起きやすい事から、最近の軍や公的機関では嫌われるようだ。
//↑元々「上下逆」のスタイルは軍や公的機関では全く主流ではないため、記述の必要がありません。
//メディア上では、特に古い映画においては経費節減?のためか、ダブルマガジンにテープを巻く事でマガジンクリップの代用としている場合が多い。
//余談ではあるが、[[ダイ・ハード2>ダイ・ハード]]では、このテープの色を分ける事で、視聴者にも分かりやすいある演出をしている。
''・マガジンローダー''
 マガジンへの装填を補助する器具。素手で装填するより素早く行える他、指の力だけでは装填が困難な際に重宝する。
てこの原理を利用したレバーで一発一発マガジンに押し込むタイプや、器具にマガジンを差し込み、レールに弾を並べてスライダーで押し込む「ベンチローダー」など様々なものが存在する。

//この項の大半が古いコメントアウトされたクリップ記事内の「マガジンクリップ」のコピーのようですが、
//あちらにも書かれているようにそもそも「マガジンクリップ」は正しい名称ではなく記述自体も誤りが多いため修正いたします(MP40も単に生産性や信頼性の問題が多かったため重量はあまり関係ありません)。←日本では誤用されている(商品名で使われている)ので注釈をつけるべきかと。
//(こちらで追加されている記述にしても「時短テクニック」「ジャングル可能」などあまりに独自表現が過ぎます)
//テープや上下逆のスタイルはそもそもクランプではないため、ジャングルスタイルを別項か記事にすべきでしょう。

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