ボルトを手動で操作して弾を装填・排莢する連発機構のこと。
19世紀前半に、ヨハン・ニコラウス・フォン・ドライゼによって作られたドライゼ銃がボルトアクション銃の起源とされる。同機構は発砲のエネルギーを利用した自動式以前の連発機構としては画期的な速射性を有していたことから、20世紀初頭から第二次大戦にかけて普及した。
自動式が普及した現在では、速射性は劣るものの、その点さえ除けば、シンプルな構造ゆえ、コスト、命中精度、堅牢性、整備性など、さまざまな点で自動式に優れる。軍・法執行機関では狙撃銃に。民間では猟銃に、最も一般的な手動式アクションとして広く採用されている。
ボルトアクションには主に、「回転式(ロテイティング・ボルト、ターンボルト)」、「直動式(ストレートプル)」の二種類が存在する。
「回転式」は、一般的な方式であり、ボルトハンドルを上に起こしてボルトを回転させてから、これを後方に引くことで排莢、ボルトを再び前方に押して装填、ボルトハンドルを下に倒して薬室を閉鎖するというものである。
一方で「直動式」は、ボルトハンドルを引いて戻す(手を前後させる)だけで、排莢/装填を行うという方式であり、回転式に比べて動作が短縮されている。その為、スコープ等の照準器から殆ど目を離すことなく、コッキングを素早く行うことが可能であり、ボルトアクション式の銃の欠点である速射性がある程度改善されたものになっている。但し、構造が複雑化したり、ボルトが不意に開いて、泥や砂塵等が入って故障し易くなる等といったデメリットもある為、こちらはマイナーな部類に入る。過去のものではスイスのシュミット・ルビンM1889*1、近年のものではドイツのシグブレーザー R93等が代表的。
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