*ボルトアクション銃 [#ne5ba4e7]
 ボルトを手動で操作して弾を装填・排莢する機構の銃。
 20世紀初頭から第2次大戦にかけて普及した銃の種類で、次弾発射可能までの時間は後の自動小銃と比べて遙かに遅いが、現在の技術なら安価に命中精度の高い銃が作れるので、狙撃銃や猟銃として今なお現役で使用されている。
#author("2024-03-26T11:25:00+09:00","default:user","user")
*ボルトアクション / Bolt action [#ne5ba4e7]
 ボルトを手動で操作して弾を装填・排莢する機構のこと。
 19世紀前半に、ヨハン・ニコラウス・フォン・ドライゼによって作られた[[ドライゼ銃>小銃/プロイセン王国 ドライゼ銃]]がボルトアクション銃の起源とされる。同機構は発砲のエネルギーを利用した自動式以前の連発機構としては画期的な速射性を有していたことから、19世紀末から普及。各国の制式小銃として第二次世界大戦時代まで活躍した。[[三八式歩兵銃>小銃/東京砲兵工廠 三八式歩兵銃]]、[[Kar98K>小銃/マウザー Kar98K]]、[[スプリングフィールド M1903>小銃/スプリングフィールド M1903]]、[[モシンナガン M1891>小銃/ロシア帝国 モシンナガンM1891]]、[[リー・エンフィールド>小銃/RSAF リー・エンフィールド]]などがその代表的なものである。
 [[自動小銃]]が普及した現在では速射性は劣るものの、シンプルな構造ゆえ、コスト、命中精度、堅牢性、整備性などの長所があり、未だに様々な役割で活用される。軍・法執行機関では[[狙撃銃]]に、民間では[[猟銃]]に、最も一般的な手動式アクションとして広く使用されている。
 
 ボルトアクションには主に、「回転式(ロテイティング・ボルト、ターンボルト)」、「直動式(ストレートプル)」の二種類が存在する。
 「回転式」は、一般的な方式であり、ボルトハンドルを上に起こしてボルトを回転させてから、これを後方に引くことで排莢、ボルトを再び前方に押して装填、ボルトハンドルを下に倒して薬室を閉鎖するというものである。
 一方で「直動式」は、ボルトハンドルを引いて戻す(手を前後させる)だけで、排莢/装填を行うという方式であり、回転式に比べて動作が短縮されている。操作を素早く行うことが可能であり、ボルトアクション式の銃の欠点である速射性がある程度改善されたものになっている。但し、構造が複雑化したり、ボルトが不意に開いて、泥や砂塵等が入って故障し易くなる等といったデメリットもある為、こちらはマイナーな部類に入る。過去のものではスイスのシュミット・ルビンM1889((直動式の欠点と、それによる強度不足が判明した為、後継型であるM1896以降は、普通の回転式ボルトアクションとして再設計されている。尚、シュミット・ルビンシリーズのボルトアクション式ライフルで、直動式のものは、最初期のM1889のみである。))、近年のものではドイツの[[シグブレーザー R93>小銃/シグブレーザー R93]]等が代表的。
//ストレートプルの利点として「[[スコープ]]等の照準器から殆ど目を離すことなく」との記述がありましたが、現実ではどちらの方式であってもスコープとの接眼距離の問題であり駆動方式の問題ではないためコメントアウト。(ゲームのBFシリーズなどから来た誤解?)

 現在のメディアでは主に狙撃銃としてのイメージが強いが、これは現代における精度に特化したモデルのもので、第二次世界大戦やそれ以前の時代の(特に制式小銃として量産されたような)ボルトアクション小銃は技術的なレベルの関係で現代のものほど卓越した精度を有するものではない。そうした旧来の小銃の機械的な精度は、現代の自動小銃、ないし[[突撃銃]]と呼ばれる類のものとそれほど大差はない。


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