ベレッタ ARX160 / Beretta ARX160 【突撃銃】

ベレッタ ARX160
銃身長全長(ストック短縮時/延長時)重量口径装弾数連射速度発射形式製造国
12in580(755/820)mm3.0kg5.45mm×39
5.56mm×45
6.8mm×43
7.62mm×39
30/100700発/分S/Fイタリア
16in680(855/920)mm3.1kg

 イタリア軍が制式採用しているAR70/90の後継として、ソルダートフトゥーロ計画(未来兵士計画、イタリア版フューチャーソルジャー)下で開発された突撃銃。開発はベレッタ社が担当し、同銃に装着するアンダーバレルタイプグレネードランチャー「GLX160」とともに2008年に発表され、イタリア軍で試験採用されている。

 本体はその多くをポリマー製とし、エルゴノミクス(人間工学)に基づいた構成としている。レシーバー上部とハンドガード左右及び下部に合計4つのピカティニーレールと、バックアップ用のフリップアップサイトを装備する。セレクターレバーとマガジンリリースボタントリガーガード下部にもあり、合計3つ)はアンビ仕様。バットストック?は、サイドスイング及び4ポジションで折畳・伸縮する。
 本銃の特色として、左右にそれぞれ計2つの排莢口が設けられている。左右は同時に開放される仕組みで、パーツの組み換えなしに排莢方向を左右スイッチすることが可能となっている。このスイッチング操作は、レシーバー側面、ストック基部近くの穴に弾丸の先端か、それ相応の硬く尖ったものを押し込むだけで可能であり、同時にコッキングハンドルも左右いずれかに押し込み突出させることで、操作をスイッチできるなど、非常に画期的なものとなっている。排莢方向切り替えはブルパップライフルではよく見られる設計だが、従来型のライフルでは珍しい。他にも、分解・メンテナンス性の向上のためピンフリー設計とし、機関銃に見られるクイックチェンジバレル*1を採用するなど、既存のものながら独特の設計を各所に採用している。
 なお、現在は5.56mm NATO弾とカザフスタンでの採用が確認されている7.62mm×39弾モデルのみだが、ベレッタ社の資料によると他の弾薬にも対応するマルチキャリバー設計となっているようだ。この他、セミオート版の「ARX100」、アメリカ向けに.22LR弾で動作するブローバック方式の「ARX160 .22LR」などのバリエーションがある。
 2016年には7.62mm×51弾仕様モデル「ARX-200」が発表された。排莢方向の切り替え機能がない以外はARX160と機能面では同一であるが、単なる口径違いモデルではなく、イタリア軍の要求に応じたDMRとしての機能を重視した高精度の設計となっている。メーカー公称の集弾率は1.5MOAとなっており、5.56mm NATO弾や7.62mm×39弾にコンバートして小口径のマークスマンライフルとして運用する事も可能となっている。また7.62mm×51マガジンは、NATO標準規格だけでなくSR-25マガジンにもアダプタによって対応するとされている。
 初期には.22 LR弾の短銃身モデルを「ARX169」、肉厚のヘビーバレルとバイポッドを装備させCマグを装着した分隊支援火器として使用することが出来るモデルを「ARX160ヘビーアサルトライフル」と呼称していたが、現在ではラインナップからは外れている。

 ソルダートフトゥーロ計画では、ARX160に装着するICWS照準装置とGLFCS(グレネード射撃コントロール装置)が、同国のガリレオ社によって開発されている。ICWSはIR(赤外線)タイプのナイトビジョンを内蔵し、スコープダットサイトなどが組み合わされて、昼夜共に遠近いずれのレンジでも照準が行える。またTVカメラを備え、照準画像は射手が装備しているヘッドアップ・ディスプレイでも見ることができる。

 現在、アルバニア軍の特殊部隊、メキシコ軍、トルクメニスタン軍などで採用が決まっているという。

登場作品ジャンル使用者備考
Alliance of Valiant Arms項目参照
Call of Duty:Modern Wafare:Mobilized項目参照
OPERATION7 RELOAD項目参照
アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝項目参照
ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり項目参照
コール オブ デューティ: アドバンスド・ウォーフェア項目参照
コール オブ デューティ: ゴースト項目参照
さばげぶっ!項目参照
スプリンターセル ブラックリスト項目参照
ソードアート・オンライン項目参照
バトルフィールド 4項目参照
ヒットマン アブソリューション項目参照
ペーパーマン項目参照
ラキア項目参照
ルパン三世項目参照

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • イタリア軍が『バトルライフル作ってよ』って言ってきたのが理由だったりして。SR-25が最も普及しているバトルライフルだからそれにマガジンを合わせる形で…みたいな感じで。 -- 2016-04-03 (日) 19:52:16
  • SR-25は最も普及してるとは言い難いと思うが・・・本来の設計意図自体は解説文通りイタリア軍のマークスマンライフル要求によるものだよ。SR25はヨーロッパや中東じゃほとんど使われてないし、おまけ程度かもしれんが米軍向けなのかな?という感じがある。 -- 2016-04-03 (日) 21:58:40
  • むしろヨーロッパとかでのバトルライフルはG3系統が主な感じがする、イギリスとかだったらLMTのAR-10だしSR-25の普及はまだまだだと思うよ -- 2016-04-04 (月) 01:42:11
  • この銃って排莢方向を切り替えても、コッキングレバーの位置は変わらないんですか? -- 2016-07-19 (火) 15:59:37
  • G36のチャージングハンドルが左右で固定されるみたいな感じで、簡単に手動で左右どちらにでも向けられるようになっている。ttps://www.youtube.com/watch?v=vEoIGKORiyI -- 2016-07-19 (火) 22:27:13
  • なるほど! -- 2016-07-19 (火) 22:38:41
  • ARX-200がアルゼンチンでFALの後継として採用される模様。 -- 2016-12-15 (木) 18:55:25
  • いよいよバトルライフルのトレンドも次世代に突入か -- 2016-12-15 (木) 19:54:37
  • イタリアらしいデザインで好き♥ -- 2017-08-22 (火) 21:04:21
  • 排莢口から燃焼ガスが吹き出たりしないのだろうか、というかブルパップ向きでは…? -- 2018-07-15 (日) 03:14:24
お名前:

*1 ハンドガード付け根のレバーがスイッチとなっている

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