頭を保護するために着用する防具の一種。
原型である兜自体は古代のシュメール文明から既に存在していたが、現在の物である歩兵用の軍用ヘルメットは、第一次世界大戦で砲弾や手榴弾の破片から頭を保護するために開発された。
当初は鋼鉄製だったが、1970年代に歩兵の負担を軽減するためにケブラー繊維を何層も重ね樹脂加工し軽量化した物が登場し、80年代にはさらに改良されたドイツ軍のフリッツヘルメット型のPASGTヘルメットが採用された。この形状には後頭部を破片などから保護できるメリットがある。21世紀になって採用されたアメリカ陸軍のACHでは抗弾性が向上した他、鍔・耳部の装甲が減らされている。これはヘルメットとボディアーマーと干渉したり、ヘッドセットの使用機会が増えたことによる*1。一方でアメリカ海兵隊は形状変更せず、素材改良で抗弾性を保ったまま軽量化したLHWを採用していた。
防弾性能に関してはPASGTの時点ではNIJ規格のタイプIIで拳銃弾に耐えられる程度であったが、抗弾性の向上したACHは.44マグナム相当のタイプIIIAに耐えられるようになった。さらに後継のECHではタイプIIIとなり、ライフル弾の阻止も可能となった。
現代の軍用品では、ナイトビジョンのマウントが標準装備されることが多い。加えてアタッチメントポイントやマウントレールを持ち、ライト等のアクセサリーの追加ができるものも登場している。
なお、最近はプレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズやレインボーシックス:シージでも有名なロシアの旧式フルフェイスヘルメット(Maska-1シリーズ)は外見は武骨だが旧式の素材のため、防弾性能は意外にも低くGOST*2クラス2、NIJ規格ではIIIA相当でありライフル弾を防ぐ性能はない。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照