#author("2019-09-26T23:45:06+09:00","default:user","user")
*ヘルメット / Ballistic Helmet [#h8d2e89f]
 頭を保護するために着用する防具の一種。現代では工業用、防災用、交通用と幅広く存在するが、本ページでは戦闘用を中心に記述する。
 原型である兜自体は古代のシュメール文明から既に存在していたが、現在の物である歩兵用の軍用ヘルメットは、第一次世界大戦で砲弾や[[手榴弾]]の破片から頭を保護するために開発された。

 当初はこの用途で世界初のヘルメットであるフランス軍のM1915ヘルメットなどは鋼鉄製だったが、1970年代に歩兵の負担を軽減するためにケブラー繊維を何層も重ね樹脂加工し軽量化した物が登場し、80年代にはさらに改良されたドイツ軍のフリッツヘルメット型のPASGTヘルメットが採用された。この形状には後頭部を破片などから保護できるメリットがある。21世紀になって採用されたアメリカ陸軍のACH(Adovanced Conbat Helmet)では抗弾性が向上した他、鍔・耳部の装甲が減らされている。これはヘルメットと[[ボディアーマー]]と干渉したり、ヘッドセットの使用機会が増えたことによる((弊害もあり、防御範囲が狭まったせいで後頭部や頸椎の負傷が増加した。これに対し露出した後頭部から首にかけてネックパッドを追加している。))。一方でアメリカ海兵隊は形状変更せず、素材改良で抗弾性を保ったまま軽量化したLWH(Light Weight Helmet)を採用していた。
 防弾性能に関してはPASGTの時点では[[NIJ規格>ボディアーマー]]のタイプIIで拳銃弾に耐えられる程度であったが、抗弾性の向上したACHは.44マグナム相当のタイプIIIAに耐えられるようになった。さらに後継のECH(Enhanced Conbat Helmet)ではタイプIIIとなり、ライフル弾の阻止も可能となった。

 視認性減少の為に偽装網や迷彩ヘルメットカバーが用いられることがある。さらに擬装効果を出す際には、偽装網やヘルメットバンド、スリット付きのカバーに枝葉を差し込む手法が取られる。
 現代の軍用品では、[[ナイトビジョン>暗視装置]]のマウントが標準装備されることが多い。加えてアタッチメントポイントや[[マウントレール]]を持ち、ライト等のアクセサリーの追加ができるものも登場し、ミッション記録用にデジタルカメラを搭載したものや空挺作戦向けにゴーグルや酸素マスクを追加することもできる。
 警察系の特殊部隊のヘルメットには顔面を守るフェイスシールド(単にバイザーとも)が装備されることがある。このシールドは[[ストック]]付きの銃器を使う際には干渉するため、ハイマウントの光学照準器を用いるか、フェイスシールドの下を通せるヘルメットストック((B&T社の[[MP5>短機関銃/HK MP5]]用のものが日本含め世界的に使用されている))が装備される。
 
 なお、最近は[[プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ]]や[[レインボーシックス:シージ>レインボーシックス]]でも有名なロシアの旧式フルフェイスヘルメット(それぞれAltyn、Maska-1)は外見が武骨であるためか高い防御力を持つ設定となっている。しかし素材が旧式のため現実での防弾性能は意外にも低く、GOST((ロシアの防弾規格))クラス2、NIJ規格ではIIIA相当でありライフル弾を防ぐ性能はない。

 第二次世界大戦やベトナム戦争を題材にしたメディア作品においては、よくヘルメットの顎紐を外しているのが見かけられる。単にビジュアル上の演出以上の意味合いはないが、当時ヘルメットが爆風で飛ばされたとき顎紐が首の骨を折ったり切断するといった迷信や規律に対する言い訳も存在したようである。
//これはヘルメットが爆風で飛ばされたとき顎紐が首の骨を折ったり切断すると言われていたためである。
//↑普通のヘルメットでも不快感を下げるために顎紐を外す程度は一般的な行為であり、これを理由に多くの人々が外していたという誤解になるためコメントアウト。

//このため現代のヘルメットは一定以上の力が掛かると顎紐が外れるようになっている。

 主なモデル例
|国|モデル名|配備開始|h
|日本|66式鉄帽|1966年|
|~|88式鉄帽|1988年|
|アメリカ|PASGT|1975年|
|~|ACH|2003年|
|~|LWH|2003年|
|~|FAST|不明|
|~|ECH|2013年|
|ロシア|Maska-1Sh|不明|
|~|6B7|2002年?|
|イスラエル|RBH103|不明|
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