*プロップガン/PROP GUN [#z52b3fd4]
#author("2023-11-16T10:17:43+09:00","default:user","user")
*プロップガン / Prop Gun [#z52b3fd4]

 主に映画やドラマなどの撮影時に使用するステージガンのことを指す。「プロップ」とは映画などの小道具のこと。
 基本的に実銃が使用できる国での発砲シーンでは実銃の機関部を改造し空砲射撃が行ないやすいようにした物を使用している。
 サイレンサーを使用している銃などには悪用されることを防ぐため、減音機能をなくすための加工が施されているのが一般的である。
 また、発砲シーン以外で戦争映画などで大多数が銃を所持しているのみのシーンや発砲しないが所持した状態での格闘アクションを行なうなどの銃が破損する恐れのある場合には発砲できないように機関部を溶接したり、ハンマーなど一部部品を削ぎ落とした無稼働銃やトイガンなどを用いることが多い。
 主に映画やドラマなどの撮影時に使用する模造・改造銃器のことを指す。「プロップ」とは映画などの小道具のことで、「ステージガン(Stage Gun)」とも呼ばれる。実銃ベースに限らず、SFガジェットのような形だけの模型であるものも含む。

 法律上、銃が使用できない日本の場合は、モデルガンで発砲炎が大きくできるように改造した物や電動式の特殊なモデルガンを用いて撮影を行ない、発射炎をCGで再現することもある。
 このような撮影用のモデルガン(特にアサルトライフルなど)は、実銃と見紛うばかりのかなり精巧できている物が多いが、発砲炎だけで排莢しない物も多い。
 また、最も大きな違いは反動が実銃と比べて少ないことで、日本の映画などでは華奢な女性がまともに構えずに平気でフルオート射撃を行なうという現実離れしたシーンなども存在する。
 基本的に実銃を使用する発砲シーンの撮影では、銃口に増炎器をねじ込み、ガンパウダーの代わりにフラッシュパウダーを詰めた空包を使用する。そのため、プロップガンは空包射撃が行ないやすいように機関部を改造している。具体的には以下のような改造法がある。

・[[ストレートブローバック>ブローバック]]の場合
 ガス圧をあげるため、銃身に[[チョーク]](絞り込み)を加えたり、低いガス圧でも作動するようにスプリングを弱める。

・[[ディレードブローバック>ブローバック]]の場合
 ディレードの機構を殺して、ストレートブローバックにする。例えば、[[ショートリコイル]]([[ガバメント>コルト ガバメント]]など)の場合は銃身のロッキングラグを削り、[[ローラーロッキング]]([[H&K MP5>短機関銃/HK MP5]]など)ならローラーを取り外す。[[ガスオペレーション]]([[デザートイーグル>IMI デザートイーグル]]など)の場合はピストン機構を取り外し、ボルトのロッキングラグも削る。

 また、[[サイレンサー>減音器]]などは法的な問題をクリアするため、減音機能を除外している。

 その他、戦争映画などで発砲はしないが1カットで大量の銃が登場するシーンや、[[ホルスター]]などにしまったままで格闘アクションを行なう場合には、暴発しないように機関部を溶接してしまったり、[[ハンマー]]など一部部品を削ぎ落とした無稼働銃やトイガン、ゴム製のダミーなどを用いることが多い。
 ダミー銃の中でも比較的アップに映るカットでは、精密で手に入りやすい[[エアソフトガン>遊戯銃]]が使用されるケースが多い。そのため、ごく稀に製品の警告文シールが大写しになることもある。
 なお撮影にあたっては、予備も含めて同じような銃を数丁ずつ用意し、射撃シーン用、ラフなアクション用、アップ用などといった具合に使い分ける。また法的に問題がなくとも、全て火薬使用の実射というわけでもなく、銃火がモロにかかる真正面での撃ち合いのシーンなどでは、俳優の安全を考えて、電球などでマズルフラッシュのみ再現することもあるらしい。

 日本のように銃規制が厳しく実銃が使用できない(あるいは困難な)撮影地の場合、あるいはインディーズ作品やビデオ映画などの低予算作品では、発砲炎や排莢だけを行うギミックを組み込んだモデルガン、または無稼動実銃やほぼ無改造のモデルガンないしエアソフトガンを用いて撮影を行ない、発射炎や排莢をCGで合成することもある。
 反動は実銃と比べてほぼ無いに等しく、華奢な女性がまともに構えずに平気で[[フルオート]]射撃を行なうという[[現実離れしたシーン>ホワイトアウト]]なども存在する。

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