*ブラックホーク ダウン [#b1f5be8b]
RIGHT:2001年 ソニー・ピクチャーズ

 アフリカ大陸の東に位置する国『ソマリア』。
 際だった産出資源が無く、貧しく、殆どの外国人にとって馴染み薄い国。そこでこの事件は起こった。
 1991年に統一ソマリ会議(USC)が首都モガディシュを占領。これにより長らく続いた内乱がようやく終わりを見たと思われた。しかしその後USC内での抗争が激化。モハメド派とアイディド派の二派に分裂し、再びソマリアは内戦状態へと陥ったのである。これに対し東西冷戦が終わり新しい国際秩序を目指す国際連合は、内戦に苦しむ国民を救うべく国連安保理決議により国連平和維持活動(PKO)を開始。 1993年5月にはアメリカ軍中心の平和執行部隊が展開され、派閥抗争を和解させ連立政権を作らせようと試みる。

 しかし国内最大部族であるアイディド派はこれを拒否。単独部族統一を目指し他部族への攻撃をゆるめず、アメリカ軍がアイディド派の穏健派幹部を殺害した事から、遂には国連部隊に対する攻撃を開始しPKO部隊参加兵士に多数の死傷者が出た。これに対抗してアメリカ政府は「能動的」治安維持活動として陸軍特殊作戦部隊の投入を決定する。

 現地に到着した陸軍第1特殊作戦部隊分遣隊――通称、デルタフォース――を中心とした、統合特殊作戦コマンドはアイディド派幹部の誘拐作戦を開始。次々と誘拐されるアイディド派要人によりアイディド派は弱体化し、平和維持活動は順調に終わると思われた。だが運命の1993年10月3日、いつもの様にアイディド派要人誘拐のため首都モガディシュ市街地にデルタフォースとレインジャーによる混合部隊が強襲作戦を開始。 MH-60ブラックホーク、MH-6リトルバードなど計16機を投入するこの大作戦は難なく要人の確保に成功し、その作戦はいつもと同じ様に作戦成功する筈だった。1発のRPGにより、ブラックホークが撃墜されるまでは――

 墜落するブラックホーク。混迷を極める救出作戦。
 アメリカ兵士は与えられた命令と自分達が生き延びるため、ソマリア民兵は自派閥の利益と殺された肉親・友人のため銃を構える。銃口の先には“敵”兵士。そこには正義や理念など存在しない。そして兵士は引き金を引く。


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