*フリーフローティングバレル / Free floating barrel
 フリーフローティングバレルとは、銃身が機関部のみと結合されており、それ以外の部品(フォアエンドやハンドガード)に触れていない構造を指す。高精度[[ライフル>小銃]]、とりわけ競技用ライフルに用いられることが多い。
#author("2022-10-23T17:06:44+09:00","default:user","user")
*フリーフローティングバレル / Free floating barrel [#t65afdf7]
 フリーフローティングバレルとは、バレル(銃身)が[[銃床]]のフォアエンド部や[[ハンドガード]]と触れていない構造を指す。狩猟用もしくは競技用ライフルや、軍・法執行機関の装備する[[狙撃銃]]など、長距離精密射撃を行う銃器の一般的な構造となっている。

 フォアエンド部から[[バットストック>ストック]]部まで一体となっている典型的なライフルでは、通常、銃身はストックの上に載っている構造をしている。ストックが木製の場合、温度や湿度など環境状態によって形状が変化することがある。フォアエンドに添え手を置いた場合でも、握ることで少なからずストックに力をかけてしまう。[[ポリマーフレーム]]製やグラスファイバー製の場合にも言えることだが、ストックの形状が変化することで銃身に負荷がかかり、命中精度に影響が出てしまう。
 また、[[自動小銃]]や[[突撃銃]]では、銃身をハンドガードで挟み込んで固定するスタイルをとることが多い。この場合、ハンドガードを握ったり、[[フォアグリップ]]やアドオン式[[グレネードランチャー>擲弾発射器]]などのアクセサリーを装着することで、同じく銃身に負荷をかけてしまう。
 フォアエンドやハンドガードといった、射手が添え手で保持する部品が銃身に接していると、保持した加重による歪みが銃身に伝達し、長距離の射撃において無視できない誤差を生じさせ、命中精度に影響が出てしまう。そこで、ハンドガードや銃床、銃身をそれぞれ機関部のみと接続することで銃身への干渉を最小限にする構造がフリーフローティング(バレル)である。なお、直接銃身に触れていなくとも、リテイナーやガスブロックを介して接続している場合は、当然フォアエンド/ハンドガードを保持した際の影響が出るので、フリーフロートとは見做されない。
 近年では、銃身をフリーフロート仕様とするうえで、アッパーレシーバーとハンドガードをモノリシック(一体化)として、構造強度を増した設計の銃も見られる([[FN SCAR]]、[[LMT MRP]]など)。

 フリーフローティングバレルの銃では、ハンドガードは機関部基部に直接固定したり、そもそも銃身を覆わないフォアエンド([[シグブレーザー R93]]、[[PGM ウルティマラティオ>小銃/PGM ウルティマラティオ]]など)にすることで、命中精度の低下を防いでいる。近年、アッパーレシーバーとハンドガードをモノリシック(一体化)設計にすることで、フリーフローティング仕様にしている銃も見られる([[FN SCAR]]、[[LMT MRP]]など)。
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