全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射速度 | 発射形式 | 製造国 |
710mm | 3.3kg | 5.56mmx45 7.62mmx39 | 15/30 | 750発/分 | S/F | フィンランド |
フィンランドのバルメ(ワルメット)社がAK47などをベースに開発したブルパップ式突撃銃。フィンランド軍の落下傘部隊用として、ブルパップ創生期の1978年に開発された。
フィンランドはAK47をはじめ、旧ソ連製兵器を数多く導入していたが、非同盟中立の立場から、政治的には東西両陣営から距離を置いていた。そのためAK47も、原型こそソ連から導入したものの、その後独自の発展型を数多く開発・採用することとなった。
M82もその一つで、中国の86式自動歩槍やソ連のOC-14などと同じ手法で、AKのレシーバー部をそっくりそのまま後方に移し、ブルパップ化したものである。ストック・グリップ・ハンドガードまでが一体型となったウレタンストックが特徴的で、流線型の未来的なデザインをしている。
また、ダイオプティカルサイトと呼ばれる大型のオープンサイトを装備しており、目標への素早いサイティングを可能にしている。しかしリアサイトが銃の左側に大きくシフトされているため、サイトの照準線がバレル軸とあまりにも離れてしまい、あらかじめ設定された距離を超えると極端に命中率が落ちる欠点があった。
肝心の落下傘部隊用としては、全長の短さや重量については問題なかったものの、銃全体の重量バランスの悪さや、パラシュート降下中に大型のリアサイトが顔に当たって怪我をするなどの問題によって不採用。他にも、排莢孔が右側固定で左利き射手には扱いにくい、連射しているとバレルの熱がトリガーに直に伝わって過熱する、と評価は決して高くなかった。
結局軍には少数が配備されるにとどまり、1986年の製造中止までに2000挺程度しか作られなかった。
86式と同じく、古い設計の銃を無理に仕立て直したのがたたって、ブルパップ型のメリットをのばしきれなかった製品と言える。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照