バースト(点射) / Burst

 自動式火器を用いてまとまった弾数を連続射撃すること。
 反動や加熱の防止のため、また消費弾数に対する制圧効果を最大化するため、数発~数十発の射撃を繰り返し行う。
 連続射撃を示す語であるため必ずしも少数である必要はなく、例えば軍が実施する機関銃の耐久力試験において、100連ベルトを連続射撃する場合には「100連バースト」と指定される。

 また、突撃銃短機関銃には2点・ないし3点バースト射撃機能を持ったものもある。
 これはセレクターにセミオートフルオート以外にバースト機能が備えられているもので、モードを変更することでフルオート射撃が所定の回数射撃後にストップする特殊なトリガーグループを組み込んだものである。

 こうした小銃用の3点バースト射撃の概念は第二次世界大戦後、アメリカ軍の先進小火器計画の中で考案されたものである。
 アメリカ軍は第二次世界大戦のデータから小銃の命中率は非常に低く、全体ではおよそ1万発に1回しか命中していないため、この命中率の改善が戦後の東西冷戦における歩兵戦の鍵となると考えた。
 試験においては散弾銃は近距離では高い命中率を持つものの、射程で大きく劣るという問題があったため、複数の銃身を持つライフルで射撃を行うというアイデアが考案された。これは射程と命中率を同時に兼ね備えた結果を出したものの、増やした銃身の分当然重量も増加する問題があった。そこで最終的に考案されたのが、1つの銃身から毎分2000発以上の極めて早い連射速度で反動が生じる前にバースト射撃を行うことで、複数銃身と同等の効果を得るというものであった。
 このアイデアはある程度の成果を上げ有望視されたものの、弾薬の浪費や超高速射撃の為の機関部複雑化といった問題があり、最終的には不採用に終わった。
 同様のコンセプトはソ連においてもアバカン計画において実装されたものの、やはり同様の問題を抱えていたため広く一般配備には至らなかった。

 現在ではM16A2以降、単に射撃ペースを調節する機能としてしばしば採用されている。
 なお小銃のバースト射撃用トリガーグループはそれぞれ実装方式が異なるため、機能には微妙な違いがある。
 例えばM16のものは、少しずつ回転しながら3回分のみフルオート射撃を行うトリガーグループを使用するため、1発か2発撃った時点でトリガーを戻すと次は残りの分しか射撃されない。一方、日本の89式小銃のバースト射撃機構はユニット化されて外部からトリガーに干渉する構造になっており、どの時点でトリガーを離しても次のバースト射撃では(弾がある限り)3点バースト射撃が行われる。
 またフランスのFAMASも同様であるが、こうしたユニット化されたバースト射撃機構は取り外し可能になっており、必要に応じて機能を選択できるように設計されている。


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