ハンドガードは、射手が添え手で握る部位(フォアエンド)に相当し、発砲による銃身の高温から射手を保護するため、銃身を覆うように装着されている部品である。
通常、放熱用の穴が設けられ、また、直接熱がハンドガードに伝わるのを防ぐため、内側に遮熱用の金属板が設けられている銃もある。M4カービンのハンドガードなどは、この金属板が2枚組のため、M16A2のものと比べ、太くなっている。
現代の自動小銃・突撃銃では、各種アクセサリー装着用のマウントレールをボルトオンで備えたものや、軽合金からの削り出しや強化プラスチックによりレイル一体型としたレイルハンドガードが普及している。
これらのレイルを備えたハンドガードは銃の拡張性を大幅に高めたが、その一方でレイル自体が嵩張る、カバー無しでは保持し辛く、素手で直接保持するとレイルで手を切ってしまうといった問題が注目されるようになった。そこで、「M-LOK」や「KeyMod」といった、必要に応じてレール単体を着脱できるモジュラーレイルシステムが登場した。これらはハンドガードのスロットにレイル側のナットを噛合わせるもので、従来のボルトオンのレイルよりも容易に素早く着脱することが可能である。
レイルハンドガードは元々のハンドガードより重く、重量増に繋がると思われがちだが、実際には個々の製品によって重量には大きく違いがあり、軽量なレイルハンドガードを装着した場合には逆に軽量化となる場合がある。
また、軽合金から作られたハンドガードは木製や樹脂製よりも過熱に強いだけでなく、副次的に放熱器としても機能する事があり、銃身や機関部の過熱を抑える事で変形や摩耗を防ぎ、耐久性を向上させる事ができる。しかしその一方で、銃身の熱がハンドガードに伝わり易いという事でもあるので、把持するには別途、グローブやフォアグリップが必要となる。
銃身に接している旧来の構造のハンドガードでは、ハンドリングやアクセサリー装着による銃身負荷で、命中精度に影響を与えてしまう欠点がある。そのため、機関部のみと結合する設計としたり、RASのような合金製のハンドガードをアッパーレシーバーとモノリシック(一体化)設計としたりすることで、フリーフロート仕様にしている銃も見られる。
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